ラベル 書籍 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 書籍 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016年3月3日木曜日

『ターベルシステム・ガイドブックLESSON 1-10』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その16 書籍

テンヨー社から出版されていた『ターベルコース・イン・マジック』7巻(1995年に発行された8巻目が発行)は長年、マジシャンから初心者まで、マジックの歴史や心構え、イリュージョンも含めた幅広い内容を網羅した百科事典的バイブルとして親しまれてきましたが、出版元の版下の関係で、廃刊となりました。
そして、入手できなくなったことで、ネットオークションでも相当高値で取引されるようになってしまいました。

そもそも、何故ターベルコースと言う名前になっていたかというと、元々、ターベル博士がマジシャンのための通信講座を開講しており、その時のテキストを、マジックの順番や重複を整理して書籍の形に出版した物が『ターベルコース・イン・マジック』でした。
オリジナルの通信講座は1926年~1929年の期間に書き上げられたものです。


ベルヌ条約により著作権の保護期間は50年間とされていますが、アメリカは70年間を適用しています。
ターベル博士は1960年に亡くなりました。2010年で死後50年以上経過しており、オリジナルのターベルコース・イン・マジックは著作権フリーとなったと著作権保護期間50年間の国ではみなされ、既にネット上に英語版のオリジナル・ターベルコース・イン・マジックのpdf版が掲載されていたりします。
ただし、アメリカは著作権保護期間を70年間としているので、ややグレーな存在ではありますが。。

今回取り上げた『ターベルシステム・ガイドブックLESSON 1-10』はそのオリジナル・ターベルコース・イン・マジック 全60レッスンの内の1-10レッスンを取り扱ったものです。

内容は上口龍生氏の解説による『マジシャン養成講座 ターベルシステム・ガイドブック』というA4版サイズ、全58ページの日本語解説書、レッスンで扱われているマジックの全演技(解説無し)、ターベルシステム・ガイドブックLESSON 1-10までの日本語翻訳pdfデータからなっています。
日本語版でもレッスン10までで216ページあり、価格を抑えるため、pdf版となったようです。

内容はまさしくマジックの学校ともいえる内容で、最初はマジックの歴史から入ります。そしてマジックは科学である、ということで、その基礎を学ぶことの重要性を述べています。
またこのコースはプロ養成を目指していたので、プロ意識を持つことが強調されています。
その他マジックをする上での練習の大切さやパターの大切さ等心得が述べられていきます。

後の章でも最初にマジックの科学・歴史的内容の概論を説明してから、同じ系統の道具や手法を用いるものをまとめてレッスンを組み立て、実際のマジックが習得できるようにプログラムが組まれています。

レッスン10ではマジックの解説はありません。
ここでは今までのレッスンで学んだマジックを実際に人前で演じる時の心得が述べられています。これは現在のアマチュア・プロマジシャンともに共通して役立つ内容となって置いrます。
演じるマジックの種だけでなく、自身や見た目の大切さやショーマンシップ等の重要さが色々強調されています。
そして、レッスン9までで学んだマジックのルーチンについてもアレンジしてくれています。誠に至れり尽くせりの内容です。

最後では『他のマジシャンの仕事ぶりを見よ』、とあり、他のマジシャンから学ぶことがたくさんあるので、色々プロの演技を見ましょう、と述べられています。


演技動画については、レッスンで紹介された全てのマジックを上口龍生氏が愚直なまでに演技をしてくれています。


当然200ページを超える内容であるため、一口では言えませんが、基礎知識や歴史的背景、科学的上達法を取り入れた、素晴らしいシステムと言えます。取り扱っているネタが今風でないということは否めませんが、現在でも通用する内容ですので、じっくり読み進めていくのが良いと思います。
 

 

2016年2月24日水曜日

『シルクマジック大事典6』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その16 書籍

地味な更新を続けてきた本ブログですが、おかげさまで、1万PVに到達しました。1年2か月ほど掛かっていますので、やはりマイナーではありますが。

今まで連載を続けていました 

シルクマジック大事典6、マーク・E・トリンブル著、二川滋夫訳、東京堂出版、1997
 
ということで最終巻の紹介となります。
第6巻だけは他の巻と異なり、著者がハロルド・R・ライスからマーク・E・トリンブルに変更となっています。これは、1~5巻までの内容で不十分なものや新たな知見が加わったものの補足をハロルド・R・ライスの死後、行ったためです。1993年にこの内容の原著が発行され全6巻完結となりました。

内容は
・ハロルド・ライス、大事典と生涯
・第1・2巻再訪
・第2・3・4巻再訪
・第4・5巻再訪
と前半部分は以前に出版されたものの見直し及び追加が主となっています。

・ロードとスティール
ここではありとあらゆるシルクの隠し方や取りやすくする工夫が記載されています。助手を用いたスティールについても言及されているので、派手なステージ系マジックを行い方にも役立つ章となっています。

・子供向けのシルク・マジック
こちらではモンキーバーのシルクバージョンやマーチン・ルイスのスナックアライブの原型のような内容等が紹介されています。ユーモラスなコメディータッチのものが多いです。

・ウォーレン・スティーブンスのシルクマジック
本章ではウォーレン・スティーブンスのユニークな仕掛けを用いたビジュアルな現象を多数紹介しています。結構凝った、今まであまり見たことのないような構造が色々紹介されています。ちょっと道具を作るのが大変で、実際にこれを他の人が演じることは少ないかもしれません。

・シルクについて(再訪)
第1巻でも取り上げられた内容ですが、1990年代までの新しい知見がこちらで記載されています。
シルクマジックの歴史やシルクの入手方法、手入れ方法等について言及されています。

・シルクの染色
こちらも第1巻でも取り上げられた内容の最新情報が取り上げられています。
今ではマジックショップでシルクも多数取り扱われていますが、自ら染色したい方には参考になる章です。

・章索引
その名の通り全巻の索引が掲載されています。

以上全6巻の紹介を今回で終わりますが、このページ数の物をよく約2年の短期間で日本語に翻訳したな、と思います。編者、訳者達の熱意には驚嘆するしかありません。

マジックの世界は種や仕掛けの秘密性がある程度保たれなければ成り立たないので、マジックを演じようとすると良い資料が見つかりにくい現状があります。しかし、探せば、日本語だけでも相当な資料が存在しますので、諦めずに良いマジックの書籍を入手してください。
またDVDと違い、絵と文章で現象を理解し、練習していくこととなるので、書籍で勉強するほうが独自の演技を構築しやすいと思います。なので、書籍も毛嫌いせず読むことをお勧めします。

2016年2月21日日曜日

『シルクマジック大事典5』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その15 書籍

資料が少ないこと、と書いておきながら、延々と書籍の紹介が続いてしまうのが非常識なマジック入門講座と言ったところです。もはや全然入門講座ではないような書籍の紹介となっております。ここまで来たら、今回も全く懲りることなく

シルクマジック大事典5、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫訳、東京堂出版、1996

の紹介となります。
章立てとしては
・ノーティーシルク
・シルクと卵
・スープ皿とシルク
・シルクとキャンドル
・オープナー
・ジャップ・ハンク・ボックス

となっています。詳細は自分で買って読め、と言いたくなるくらいいっぱい手品が載っていますので、一言で説明するのは不可能です。

ノーティーシルクというのはシルクを対角線上に巻いて、ロープのように結び目を作っても解ける類のマジックのことです。もはやシルクでなくてもいいんじゃないの、というような、ロープでもよく見かける現象とかもありますが、シルクでないと感じの出ないマジックも紹介されています。

シルクと卵というのはシルクがおもちゃの卵の中に入っていったはずが最後には本物の卵になってしまうという、サッカートリックです。良いマジックなんですが、どうしても準備と後片付けと消耗品の扱いが面倒なので、私自身はやったことがありません。でも、見ている分には楽しいマジックです。

スープ皿とシルクというのはスープ皿の下や間からシルクが出てくるマジックです。正直言うと見たことないのは私だけでしょうか? 皿に仕掛けのあるもの無い物と色々紹介されています。よく知らないので、あんまりコメントできません。

シルクとキャンドルは炎がシルクになったりキャンドルからシルクが出たりするようなマジック等が紹介されています。結構幻想的な演目で、良い雰囲気になると思います。ただし、火気を使うマジックは現在消防関係の規制がうるさく、意外と演じるのが大変だったりします。

オープナーとはその名の通り、オープニングで行うのにふさわしいマジックです。まあ、ふさわしいというより、仕掛けや準備が面倒すぎて、マジックの最初でないとできないものが多かったりします。現在のアマチュアがマジックを行う環境としては、さほど条件の良くない場合も多く、あまりに仕込みが多いマジックは身動きが取れず、マジック開始まで落ち着かないので、私としてはそんなにお勧めできません。ただ、準備大変でも、派手なアクトを行いたいという場合には良いでしょう。また、仕掛けの方法は他のマジックでも役に立ちます。

ジャップ・ハンク・ボックスというのは日本製路と呼ばれるシルクが大量に出現する箱のマジックです。どちらかと言えばギミックにて秘密の動作が行えるものがほとんどとなっています。派手なプロダクションで、大人数の前で行うのに適したマジックと言えます。


シルクマジックも種類がこんなにあり、奥が深いです。 全てをマスターなどできないので、自分の気に入ったものを見つけ出す、くらいの感じで本書に触れると良いのではないかと思います。

2016年2月19日金曜日

『シルクマジック大事典4』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その14 書籍

今回は

シルクマジック大事典4、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫訳、東京堂出版、1996

の紹介となります。

第4巻で紹介されているマジックは全289ページもあるにもかかわらず、20世紀シルク、シンパセティック・シルク、ブレンドウ・シルクの3種類だけです。当然のことながら、その3種類のありとあらゆる方法が紹介されています。

20世紀シルクとは結んだ2つのシルクの間に3つ目のシルクが現れる現象を言います。
この現象を行う方法として1900年頃、フランク・デュクロの名前が挙げられているとのことです。
ありとあらゆる20世紀シルクが紹介され、さらには、1900年代前半の出版にも関わらず、22世紀シルクというものまで紹介されています。この原理は今でも有名な透明筒を使うシルクマジック(クリスタルチューブ)で使われている物です。

シンパセティック・シルクというのは、左右両側に置いたシルクの内、片方を結ぶともう片方も結ばれ、片方を解くともう片方も解かれる、といった内容のマジックです。
1910年にハットンとブレイトにより書かれた『マジシャンズ・トリックス:ハウ・ゼイ・アー・ダン』の中で『ミステリアス・ノッツ』という名前で紹介されたのが最初ですが、考案者は明記されていないようです。 
オーソドックスな6枚のシルクを椅子に置くハーラン・ターベル(あのターベルコースで有名な方です)の方法から始まり、4枚しか使わない方法や幻想的な、助手を使うシンパセティック・ローズ、カードを使った手順等多数紹介されています。

ブレンドウ・シルクは通常ブレンド(Blendo)シルクと言われることが日本では多いですが、訳者の発音へのこだわりか、ブレンドウと表現されています。オリジナルはフランク・デュクロの『パーフェクション・フラッグ・トリック』とのことです。
現象としてはバラバラのシルクが溶け合わさって一つのシルクになるマジックです。目の前で本当に溶け合わさる感じに大きく現れるので、トリのマジックに使われることも多いです。
基本原理は似たようなものが多いですが、細かいギミックや取扱い方に各人の工夫が見られます。実演してみると分かりますが、ギミックの具合によって、途中のマジックとして演技するのが難しかったり、上手くギミックが作動しなかったりすることもあるので、自分に合った方法でギミックを調整した方が良いと思います。 


本巻で紹介された3種のマジックについては自分の気に入った方法を探し、自分らしい演技で演じられると良いと思います。
ただし、本書も絶版なのが残念なところです。 

2016年2月17日水曜日

『シルクマジック大事典3』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その13 書籍

引き続き、シルクマジック大事典シリーズの記事を書きます。

シルクマジック大事典3、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫訳、東京堂出版、1996

第3巻では、大まかに分けて、シルクの色や模様が変化するマジック、糸を使うマジックが掲載されています。

シルクの色や模様が変化するマジックもメカニカルな方法、小型ギミックを用いる方法、大型ギミックを用いる方法の3つに分けて解説されています。

メカニカルな方法と言っても、ハイテクを用いたものではなく、シルクに加工したり、自分で作ったりできる物で変化方法が多数掲載されています。

小型ギミック編ではマジシャンなら良く見慣れた○○チップや○○チューブ等を用いたものが紹介されています。当然時代が古い書籍であるだけに、○○○ギミックとか最近の物は含まれておりません。
大型ギミック編では紙筒等の中でシルクの色が変わるマジックを主に説明しています。
紙筒を通り抜けるとシルクの色が変わっていくのは、デイビッド・デバントの原案ということで、その有名なハンカチーフ・トリックの解説から行われています。
その他有名なマジックでは、赤、白、青のシルクを紙筒に入れてアメリカ国旗にするミスメード・フラッグも解説されています。

糸を使うマジックではリールを使う物、使わない物の2つに大別されて説明されています。
当然物を浮かすだけでなく、結び目を上手く解いたりすることもできます。糸を使うことで移動現象や浮遊現象など大きな現象も表現することができるので、そういった内容の解説も多数なされています。


プロのマジシャンがレパートリーにしているような内容も含まれており盛り沢山な内容となっております。
ムッシュ・ピエール氏がよく行っている縦縞のハンカチが横縞になるマジック(マギー司郎氏のギャグではないバージョン)の原作は『ゼブラ・シルク』(トム・デスレフセン)ということも本書で初めて知りました。

これでやっと半分まで来ました。残り3巻についても後日記事にしたいと思います。

2016年2月15日月曜日

『シルクマジック大事典2』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その12 書籍

シルクマジック大事典2、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫著、東京堂出版、1995

の紹介になります。シルクマジック大事典ということで、メインはシルクなのですが、それ以外の道具も使ったりしますので、バリエーションは豊富です。

・変化:シルクがボールやケーンに変化するマジックが多数紹介されています。中々他の書籍ではお目に掛かれないようなギミックの構造がて解説されたりしております。
・移動:シルクが別のグラスや封筒に移動したりするマジックが紹介されています。演目によってはメンタルマジック風にも演じられそうなものや、変わった構造の道具を使う物が紹介されており、イマジネーションを鍛えるためには参考になります。まあ作るのが面倒くさそうなものも多いですが。
・貫通:ロープからシルクが貫通したりする現象が多数紹介されています。人を使って、ロープとシルクを結んで、両端を引っ張ると、人が脱出できてしまうようなマジックも数種類紹介されています。観客に手伝ってもらって大人数の前で行うには良いと思いますが、結構適切に指示するのが苦労するかもしれません。
また『お婆さんの首飾り』という内容は結構有名で、クロースアップでもできる内容となっています。

内容多岐に亘り、一口では説明しきれませんし、私も個々のマジックをそこまで細かくは見れておりませんが、大抵のシルクマジックなら、基本原理が本シリーズを読めば理解できるようになると思わせる、それくらい豊富な内容となっています。
でもやっぱりにマジック入門者にはいらないでしょうね、きっと。

2016年2月13日土曜日

『シルクマジック大事典1』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その11 書籍

ステージ・サロン系マジックに関し、日本語の一般書店に並んでいた書籍は限られます。シルクマジック大事典シリーズ(全6巻)はかつて本当に一般書店で販売されていたのが信じられないようなシリーズです。当然のことながら、再販されることもなく、絶版となっております。
 6冊並べると約18㎝の厚さとなり圧倒されます。正直言うと、マジック入門者が見るようなものではないと思いますが、あまり本書について言及したブログ等を見たことがないので、細々と述べていきます。


シルクマジック大事典1、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫訳、東京堂出版、1995


英語の原著では4分冊で、最初の巻は1948年に出版され、最後の4巻目は1993年に出版されたものです。 ということで、最初の方の内容はもはや約70年前の内容となり、日本語訳が出版されてからでさえ20年近く経過しているので、内容が現代に合っていないところも存在します。
原著の4巻目はハロルド・R・ライス氏の死後、マーク・トリンブル氏が原著1~3巻で書き漏らした内容や補足を加え、全内容の索引を付けた巻となっております。

まずは日本語翻訳版1巻について説明します。
さすがに翻訳も複数で分担して、二川氏が最後に調整するという形をとっております。なんとわずか2年で日本語訳を全巻完成させてしまうという突貫工事ぶりです。

内容的には最初にシルクに関する知識、シルクの染色、シルクの折り方といった基本的内容が記載されております。当時でもショップでシルクも各種サイズ・色の物を購入できたようですが、自分で染めるための方法とか、どんだけマニアックなんだ、という内容が含まれております。

そして、実際のマジック紹介では、シルクを1枚から複数枚まで道具を使う・使わない方法にて出現させる方法を大量に解説してあります。絵は相当数使われているので、イメージはしやすいと思いますが、DVD動画に慣れている現在の方にはまどろっこしいかもしれません。

道具を使って大量にシルクを出す項目では、シルク以外にも使えそうな道具が多数紹介されていますので、本書を参考に道具を作ってみると、独自のマジックが構成できるかもしれません。

1巻最後はシルクの消失方法が各種ギミックとともに紹介されています。よくもこんなに色々な道具があるものだと感心します。


ということで、既にマジック入門の領域を逸脱しているので、入門者の方は購入必要ありませんが(というより、既に入手が困難です)、興味を持った方は根性で探し出して、マニアの道へ突き進んでいってください。
某元マジックショップオーナーのように『女房を質に入れてでも買ってください』・・・なんてことは絶対ないです。

2016年2月11日木曜日

『カズ・カタヤマのシルクマジック大全』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その10 書籍

ステージ・サロン系マジックの書籍を紹介してきましたが、だいぶ連載長そうになるので、今回から一部表題の連番を省略させていただきます。

今回紹介させていただくのは既にステージマジック入門3部作でも紹介したカズ・カタヤマ氏のシルクマジックに関する書籍

カズ・カタヤマのシルクマジック大全 カズ・カタヤマ著、東京堂出版、2011

です。本書はその名の通り、カズ・カタヤマ氏がレパートリーとしているシルクマジックについてふんだんに紹介されています。

シルクマジックでよく使われるギミック(ハンカチーフ○○○、第○の○、○○チューブ:ネタバレ防止のため伏字とさせていただいております)の使い方の説明、オープニングに使えるシルクマジック、トリに使えるルーチンなど、実戦的なシルクマジックやその他道具も用いるシルク関連マジック等が豊富に紹介されています。
これらのマジックには私も参考にさせていただきレパートリーの一部となっているものもあるのですが、 それよりも特徴的なのは、本格的にステージマジックを行っていく上の知識もまとめられている点です。

有名マジシャンのステージアクトの演技構成や、演技時間ごとにどのような構成で実際カズ・カタヤマ氏が演技をおこなっているかなど、自らのマジックショーを構成するための参考になります。

また、舞台公演で必要な内容が舞台施設の解説から、照明、火気使用許可やJASRAC許諾のことや、舞台進行や練習、さらにはメーキャップについてまで記載されております。


サロンや大舞台まで大人数へマジックを見せるための知識を獲得できる貴重な書籍となっております。
その手の知識が全くない方は購入されると良いと思います。

2016年2月9日火曜日

『松旭斎すみえのマジックの世界』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その9 書籍⑦

『奇術を始める人のための演出論』はマジック専門誌に連載されていたコラムであり、入手が難しいので、一般書店で(とは言っても大きい所でないと見つかりませんが)取扱いのある書籍を挙げます。

松旭斎すみえのマジックの世界 松旭斎すみえ著、東京堂出版、2003
こちらも東京堂出版から出版されたマジック関係の書籍です。 題名から松旭斎すみえ氏の伝記と思われる内容ですが、後半は確かにそういった内容となっております。中々波乱盤上な生誕から養子へ出され、不思議な縁からマジック人生を歩むこととなったようですが、読んでいて面白いです。

しかし、ステージ・サロンマジックを始めたい方にとっては前半部分が大変参考になります。
マジックの練習方法から入り、どのように見せると観客から良く見え、綺麗に上手く見せることが出来るのかといったことが図解入りで解説されています。
具体的な細かい動きについては揉み出しシルク、六枚シルク、ファンテンシルクの3種類にて解説されております。実際のマジックのネタだけが知りたい方の場合、他の書籍やDVDを選んだ方が宜しいと思いますが、具体的なマジシャン的動きや見せ方をマスターしたい方にとっては本書が入手性も考え良いと思います。

プロマジシャンの視点から書かれたこういった内容の物は他であまり見ないので、非常に役立つ文献となっています。
是非本書を基に練習を行い、素敵なステージ・サロンマジックを披露できるようになってください。 

2016年2月7日日曜日

『奇術を始める人のための演出論』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その8 書籍⑥

『奇術を始める人のための演出論』の紹介最後の4回目となります。



vol.46:手順の作り方
今回からは具体的に出演依頼されたときに考慮しないといけないマジックの手順について記載されています。
自分が主体的にマジックの演技をする場合、割と好きなようにやりたいようにマジックを行っていけばいいのですが、出演依頼を受けた場合にはあらかじめ演目を決めて置き、依頼時間通りに終わらせる必要があります。道具をいっぱい持っていき、当日に適当にマジックをやっていったのでは観客に満足して楽しんでもらうことが出来ません。
出演時間や場所、人数や自分のできるマジックを考慮して、その場に合った一連のマジックとして、ショーを構成する必要が生じます。その場合、最初にやるマジック、中程のマジック、終わりのマジックといった大くくりでマジックの構成を考え、演じていく方法が具体例を挙げて説明されています。

vol.47:出演依頼されたとき
ここでは実際に出演依頼を受けた際に、何もマジックについて知らない顧客に対し事前確認しておくべきことの具体例が説明されています。この辺については実際にマジックショーで出演されている方なら事前確認の重要性はご存知だと思いますが、これから依頼を受けて行こうという方には色々参考になると思います。
当日までの練習方法や当日のセッティング、現場での最終チェックや演技時間等の最終確認について説明されています。

vol.48:出演依頼されたとき/今までの内容の目次 
本番での心構えや、演技後の家での復習と記録、道具の収納について記されています。
最後に今までのコラム連載されてきた全内容の目次がまとめて記載されております。
本vol.48で最終回となります。


ステージマジックの道具立てから角度や不自然さを無くすこと、失敗への対処、出演を受けてからの流れから出演後の反省など、実際にマジックショーを人前で行う上の基本的な内容から心構えまで、実際の体験を基に記された貴重なコラムとなっています。
こういった内容は中々どこかのマジックサークルとかで習わないと学ぶ機会もないと思うので、非常に参考となる文献です。
惜しむらくは今となってはこれらのコラムの入手も難しいことが残念です。 

2016年2月5日金曜日

『奇術を始める人のための演出論』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その7 書籍⑤

『奇術を始める人のための演出論』の紹介3回目となります。



vol.41:私の考え方

当然マジックなので、実際の動作と偽の動作の差をなくすことにより、普通に何かをしたのに不思議なことが起きたように見えます。そのような実例を水と新聞紙のマジック、ボールやコインの握り方で説明されています。
後は、不思議な現象が起こる際の観客の抵抗感を減じるための、マジカルジェスチャーやセリフの工夫が実際のマジックを例に挙げ、説明されています。

vol.42:私の考え方
この巻では作品がどのような特徴を持って演じられてきたかの背景を知ることの重要性が、リンキングリング、ゾンビボール、中華蒸籠を例に説明されています。
また、取り出し用の道具の扱い方や出現させた後の始末等について、説明されております。
そして、マジックの演技を行った際の失敗の予防と対処方法について記されています。
さすがに長年にわたりマジックを実演された方だけに、実戦経験に基づいた細かいアドバイスが多数含まれています。

vol.43:私の考え方 
リンキングリングでの失敗例を挙げ、どのように対処したか説明されています。
その他、情報収集と整理の重要性、失敗の予防対策、練習していく上のアドバイス、演者と観客で勝負の場のような敵対関係にならないよう意識することの大切さが述べられています。


連載記事ではありますが、ある程度内容的に近い部分で本ブログの記事もまとめさせていただいております。 vol.41~43については筆者である植木氏の見識が述べられていきます。実際にステージ系マジックを演じる上でのノウハウが満載されており、何度も読み返すと自分が人前でマジックする上でも大変役に立ちます。

2016年2月3日水曜日

『奇術を始める人のための演出論』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その6 書籍④

前回の記事に引き続き、『奇術を始める人のための演出論』の紹介となります。


vol.32:演出とは/見せ方のポイント(2つのことを同時にしない)
本巻ではvol28~30までの内的要素、外的要素等のまとめを前半で行っています。
そして、この回から具体的事例を挙げて、プレゼンテーション上の注意点として、同時に二つのことを行い、観客に現象が分かりやすくすることについて説明がなされています。

vol.33:見せ方のポイント(2つのことを同時にしない)
ここでも全巻に引き続き、同時に二つのことを行わず、一つの動作に見えるよう、秘密の動作を感じさせないようすることが、二十世紀シルクや四つ玉、等々の演技を例に挙げ、説明されています。

vol.34:見せ方のポイント(「出現」の表現方法)
マジックで多くある、物が突然出現するマジックについて、間合いの取り方のコツが、ミルクシリンダーや花の出現等の具体的事例にて説明されています。

vol.35:見せ方のポイント(「出現」の表現方法)
空中からトランプが出現するミリオンカードを素材として、間合いの取り方、アピールの仕方が説明されております。

vol.38:見せ方のポイント(「出現」の表現方法/現象・動作を強調する)
マジックは不思議さを表現するうえで、種の存在を感じさせないようするため、不自然さをできるだけ排除する必要があります。
実例として、ゾンビボール、ロープ切りが挙げられています。
種が分からなくても現象も良く分からない演技になってしまうことがあります。そういった場合に、素材の特性を頭に入れて演出する必要があることが説明されています。
また、おしゃべりしながら行うマジックにおいて、客を適切にコントロールするかの重要性が説明されています。



具体的例についてはある程度ステージ・サロン系のマジックを嗜んだ人でないと言っている意味が分かりにくい部分もありますが、こういった基本的な部分を文章で表現するのは難しく、大体口頭で伝えられる場面が多いため、本シリーズのコラムは貴重な文献となっています。

2016年2月2日火曜日

『奇術を始める人のための演出論』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その5 書籍③

ステージ・サロン系マジックについての全体像について記載した書籍について、私も色々探した時期がありましたが、アマチュアマジシャンの視点で、そういった内容を記載した方がおられました。

現在は休刊となっている、季刊ザ・マジック(東京堂出版)に(雑誌発行時点において)横浜マジカルグループ所属の植木將一氏が『奇術を始める人のための演出論』というコラムを14回に亘り連載しておりました。
バックナンバーVol.28、29、30、32、33、34、35、38、41、42、43、46、47、48 に掲載されております。探せばまだバックナンバーあるかもしれませんが、中々ピンポイントでこれだけ集めるのは大変だと思います。この『奇術を始める人のための演出論』だけでもレクチャーノート形式でもいいからまとめて出版していただけると、アマチュアのステージ・サロン系マジック愛好家に役に立つ内容だと思います。是非pdf版でいいから出版してほしいものです。
まあ、あんまり売れないとは思いますが、ぜひ欲しいという人も少数ながらいるということです。

内容はあまり記載すると大体1回4ページですから、ネタバレになってしまうのも著者に悪いため、大雑把に記します。


vol.28:マジックを構成する要素
・内的要素(ハンドリング、手順、視線や角度等)
に関する説明

vol.29:マジックを構成する要素
・内的要素(重心、セリフ、プレゼンテーション等)
に関する説明

vol.30:マジックを構成する要素
・外的要素(テーブル等の道具、衣装、助手、BGM、メーキャップ等) 
に関する説明

といった、ステージ・サロン系マジックを行う上で必要となるマジシャン自身の体の動きや視線の取り方、マジシャン自身を魅力的な物にするための道具や音楽、助手等についての考え方が示されています。
項目だけでも色々な事を考えながらマジックを行わないといけないんだな、ということを再認識させてくれるとともに、考えないといけない項目の整理が付きやすくなります。 
残りの巻については次回以降に続きます。

2015年9月20日日曜日

リフレクションズ by ヘルダー・ギマレス 

久しぶりに書籍のレビューとなります。
ヘルダー・ギマレス(Hélder Guimarães)はFISM2006で、ポルトガル人初となるカード部門第1位入賞を果たします。

DVDではSmall Miracles、Red Mirrorといったものが既に発行されています。
他に彼はTEDに『マジックでたどる「偶然」を探す旅』と題して出演しております。リンク先で、日本語字幕付きの動画を見ることができます。

リフレクションズ(REFLECTIONS)は彼の作品を作る時の発想する術と、実際のサトルティの工夫、いかに現象が起こるのと、ダーティーワークを行うタイミングをずらすかの戦略について、彼の持ちネタにおいて説明していくという、クロースアップマジックの理論書となっております。

端的に言いますと、入門者が買ってもさっぱりわからないので、後回しにした方が良いと思います。

そうでない方でも結構本書を読みこなすのは大変だと思われます。
まず、現象は相当不思議なことが何の手がかりもなく起こるようなものなのですが、これを書籍の文章だけ読んでイメージすることは相当難しいです。
次に、収録されているマジックは、『カード、サイン、グラス』『スリーカード&ボックス』『スリー・プログレッシブ・チョイス』『エース&グラス』『カード、数字、マッチ』の5つだけなのですが、いずれも結構セッティングが面倒なものとなっております。そのため、実際に手に取ってセッティングしないと中々何のことか理解しにくくなっています。
おそらく、これを読んでも、実際に自分のレパートリーにしようと思う人は少ないと思います。

『カード、サイン、グラス』は2つのグラスに入れた青い10枚のパケットと赤い10枚のパケットのうち、赤いパケット2枚に客にサインさせて、何の痕跡も残さず、青いパケットにサイン付赤カードを2枚とも移動させるという、カードアクロスの手順です。
 ワイングラスを使いながら、客との距離を生かして、巧みにカードを入れ替えるのですが、最終段階では何もしていないのに、サインカードが飛び移ったかのように見えます。

『スリーカード&ボックス』:3人の客にカードを1枚ずつ選んでもらいます。そのうち1枚だけ(この場合ハートのAとします)に表側にサインをしてもらいます。空のカードケースにデック1組をぱらぱらと弾いて風を起こすと、箱が動き、ケースの下から1人目の客の選んだカードが出てきます。もう一度デックを同じように弾いてみると今度はカードケースとそれを覆うセロファンの間に2人目の客の選んだカードが挟まっています。デックをリボン状に広げると3人目の客の選んだハートのAが 入っているのが見えます。デックを閉じて揃えて、もう一度デックを弾いて風を起こします。すると、またセロファンの間に3人目の客のカードが入ったかと思うと、今度は箱にマジシャンが手も触れないのに、箱の中からサインされたカードが折りたたまれて出てきます。

『スリーカード&ボックス』:3人の客に3枚のカードを覚えてもらいます。1人目の客に覚えたカードの名前を言ってもらいます。すると、マジシャンは客のカードは22枚目にある、と言って、人差し指でデックの半分を跳ね上げて上半分を表替えします。22枚目を数えると、1人目の客のカードが出てきます。
次の客に覚えたカードを言ってもらい、『スペードの7』と答えたら『SEVEN OF SPADE』という文字の数“5+2+5=12枚目”から客の選んだスペードの7が出てきます。
デック全体をスプレッドしていくとすべて白いカードになっています。 そして中央に1枚裏向きのカードがあります。3人目の客に選んだカードを言ってもらうと、1枚裏向きのカードが3人目の客のカードとなっています。

 『エース&グラス』:2枚の赤いエースと2枚の黒いエースを取り出します。黒いエース2枚を机の上に裏返しに置きます。赤いエース2枚はグラスにエースの側が客に見えるように置きます。ハンカチを掛けておまじないを唱えると、一瞬でグラスの中のカードが2枚の黒いエースに変わります。机の上の2枚は赤いエースに変わっています。

 『カード、数字、マッチ』:エニーカード・アット・エニーナンバーの現象です。客にデックの表がバラバラなことを示します。シャッフルした後、リボンスプレッドします。客に1枚選んでもらい、カードを覚えてもらいます。覚えたら再びデックにカードを戻し混ぜます。続いて客にマッチ箱を持ってもらい、1~52までのカードで好きな数字を言ってもらいます。『18』と言われると、18枚目から客のカードが出てきます。そして、マッチ箱の中からは客の選んだカードと同じカードが折りたたんで予言されています。

ギマレスはこれらのマジックを3段階の手順を踏んで、一足先にセッティングを済ませてしまい、種の手がかりさえつかませない巧妙さで現象を実現させます。それもあまり高度な技法に頼らず行ってしまうため、非常にクリアーな現象となっています。
ただし、前にも書いたようにセットアップが相当必要なものが多いので、デックスイッチが必要と一見思わせますが、セッティングされていないカードで他のカードマジックを行うなどして、仕掛けの影さえ見せぬなど、どうやって不思議さを構築していくかの詳細を解説しています。
自分がやってみたい現象を実現するためにどうすべきか、ということに対し、何らかの指針にはなると思いますが、大変高度な内容です。

 

2015年8月9日日曜日

クロースアップマジック習得の手順⑩(実戦でマジックを行う)

クロースアップマジック習得の手順⑨まで行って準備完了すれば、いつでもマジック演技しても大丈夫な体制となっております。
ただし、意外と難しいのは、どこでマジックを披露するか、ということだったりします。
日常でマジックを見せられることなど普通の人にとっては無いことなので、唐突に『マジックを見せてあげる』とか言われても戸惑ってしまうし、変な奴に思われる可能性も高いです。ですので、マジックの実戦を披露するにはそれなりの戦略を持ってデビューする必要があります。プロマジシャンの方にとっては、普通の人がマジックを披露することにそんな高い壁があることをすっかり忘れてしまっているので、ネタさえ教えておけば、アマチュアでもマジックが簡単に披露できるものと思っています。そのため、どうやって人にマジックを見せるきっかけを作るかについては市販の書籍等にはほとんど記載がありません。

その内容について言及していたものにA store in secretsから販売されていた『The magician's Secrets Lv.1』(舞那遊著)という情報商材がありました。今も販売されていたら、ガンガン宣伝してアフィリエイトして売りまくるのですが、残念ながら販売中止しています。Googleさんで検索すると商材のペラページが怪しげな外人女性の写真があり、恋愛商材のごとく宣伝されているので、購入するのは確実に躊躇しますが、中身は至ってまともなマジック専門商材でした。

絶版なので、さらっと内容ネタバレしすぎないようにレビューします。
・マジックを始める前に期待度を上げないこと
ある程度マジックをやっていれば、疑り深い人に対してはノーギミックのレギュラーデックで準備なしのカードマジックとかをできるので、臨機応変に対応できますが、初心者の場合、出来るネタが限られているため、人によってマジックを変えるということができません。そこで、観客に比較的暖かくマジックを見てもらえる雰囲気にする必要があります。そのためには、観客に『マジックやってやるから下々の者よく見給え』みたいな挑発的態度は禁物です。緊張してグダグダになるのは間違いないです。また、たとえ上手くなっても、挑発的態度は観客に嫌な後味を残してしまう可能性大なので、できるだけ止めましょう。

ネイト・ライプチヒとダイ・バーノンというマジック界のレジェンドも言っている通り

「ダイ、私は約50年マジックをやっているが、観客は紳士にだまされるのであれば悪い気はしないものだ。もし彼らが君をひとりの人間として気に入ってくれたら、君の演じるマジックも気に入ってくれるよ」
参考:マジェイアの魔法都市
http://plaza.harmonix.ne.jp/~k-miwa/magic/singen/si_leipzig.html 

ということで、あくまで紳士な態度の方がマジックを見せているので、観客も楽しめるということを認識しておきましょう。

・唐突にマジックを始めない
例えば、合コンでマジック披露してモテようとか考えている人がいれば、正直モテることとマジックが上手いことは全く比例しておりません。何もしないでモテる人がマジックすればますます人気になるのですが、モテない人がマジックしてもモテることはなく、ただのオタク扱いされるのが落ちです。それでも、何のとりえもなく、外見等自信はないけど、話題に多少なりともなりたい、と考える場合には最初からマジック見せる気満々で見せてしまわないことです。
前ふりや自己紹介で、ちょっとマジック習い始めました、とか、マジックバーに行くのが趣味です、とか、多少手品関連の話題のエサをまいておいて、 演技機会をじっくり待ちます。演技機会がなければ無理やりやらない、くらいの余裕が必要です。
大体、合コンや宴会などで、後半になると話題も尽きて、疲れてきて静かになる時があります。ここで、ちょっと話題提供する、くらいのイメージで、マジックを始めるようにします。

・マジックを誰かに教えてもらったので見てね
初心者にとって、マジックをする、ということは、どうやって学んだかを観客に確実に値踏みされます。独学で学んだ、というと、やはり観客からすれば大したことない、まあどんなネタばれするか見てやろう、と上から目線となり、やりにくいこと間違いなしです。
『The magician's Secrets Lv.1』にも記載されているのですが、人から教えてもらった、というのが最も観客に安心感を与えます。なので、知り合いにマジシャンの人がいる場合はそのマジシャンの名前を利用して、学んだことにしてしまうのがポイント、ということです。マジックバーへ見に行くのが好きな方なら、そこのマジシャンの名前を貸してもらってもいいでしょう。
日本人は特に権威や学歴、肩書に弱いので、専門家に学んだ、ということを主張すれば、マジックをされても、暖かい目で見てくれやすいです。また、人に習ったことにすれば、たとえ失敗しても、教えた先生の教え方が悪かったことにできるので、一石二鳥です。

こういった感じでマジックを披露していってください。


 

2015年4月16日木曜日

図解カードマジック大事典

誰が読むのか、と思いながらブログを書いている一方で、多少なりともPV(ページビュー)が増えてくれるといいな、という虫のいいことを考えている自分がいます。
正直、PV増やすには種明かしすればいいのですが、さすがにそんなことは私にはできません。大体なんで自分が苦労して集めたり、練習したりした種や工夫をそんな安売りしないといけないのだ、というのが本当の所です。種明かしブログにしないのは、表向きはマジックのマナーや常識云々とか、他の人が楽しめなくなるから、とかみたいな高尚なことを言いながらも、本音ベースでは苦労して得たものを独占したいという多少自己中心的な理由が大きいです。こう思うのは私だけでしょうか?

なので、他人の種は明かせないので、自分がなぜ『図解カードマジック大事典』の記事を唐突に書こうとしているかというと、まだ比較的出版されて新しいし、あまり書評も出ていないので、多少なりとも注目されたいからです(あっ、本音を言ってしまった。こういう種は明かしてもいいよね、たぶん)。

東京堂出版からは『カードマジック事典』という高木重朗編の昭和58年(1983年)初版の有名な書籍があります。これ以前にはさほど詳しいカードマジックの本はマニア向け以外にほとんどありませんでしたが、海外の最新マジックを紹介しまくっている名著です。しかし、あくまで事典ということで、技法の解説はあるものの、奇術の紹介の部分はほぼ箇条書きで、これだけ見てまともに演じられる人は少なくとも中級以上の人でなければなりませんでした。
 また、本書は出版されてから30年以上経過し、編者も既に故人ということで、新たな事典である『図解カードマジック大事典』宮中桂煥著 として全く新しい本として生まれ変わったものです。

 『図解カードマジック大事典』の特徴として、カードマジック事典より、でかく、分厚いです。とても普通に持ち歩くのには適していないので、お家で一人静かに少しずつ読んでいくような本となっています。
 内容的にはカードマジック事典と同様に技法編、奇術編があり、さらに学習編という章が加わり、海外の洋書の紹介や実際に奇術を行うときのヒント的が示されており、パフォーマーとしてやりたい人には参考になります。

技法編は絵で説明されており、ほぼカードマジック事典と同じ内容は含まれておりますが、一部変更があります。以前は独立した章であったグライドがフォールスディールの中に入れられてしまっているのは時代を感じます。確かにグライドを行うマジックも最近ではほとんどないような気がします。
また、新しい技法ではレナート・グリーンのスナップ・ディールとかが加えられています。スナップ・ディールの冊子を単体で購入した身としては、若干悲しいですが、まあ、そんなに詳しく載っていないので良しとします。
ただ、技法的には比較的クラシックなマジックを演じるためのものがほとんどで、もっと新しくマニアックな技法(アッシャーツイストやロードランナーカル、レイズライズ等)は記載されていないので、個々の技法のDVD等を購入して学習してください。

 奇術編については、こちらの説明は写真となっています。カードマジック事典、カードマジック入門事典との内容重複は相当数あります。原題と考案者について全てに記載されております(一部はっきりしないものは不明となっています)。内容的にはクラシックなマジックが網羅され、今まで日本の書籍で解説されたものが存在していなかったポール・ハリスの『リセット』原案の解説もされています。また片倉雄一『ダブルショック』や初出の『片倉のラスト・トリック』など日本人の作品も取り上げています。
クラシックなカードマジックの原案者や手順を学ぶのには非常に役に立つ書籍です。
ただし、現在のようにDVDで動画見てマジックを学ぶことに慣れた人たちにとっては、この書籍の説明では不親切、とかいうコメントをつけてしまうかもしれません。本で学ぶことに慣れている人であれば、相当数のクラシックなマジックを習うことができお得だとおもいます。


現在はマジック関係含め書籍が売れなくなっていますので、早めに購入しておかないと、再販されずに絶版になってしまい、購入機会を永遠に失ってしまうかもしれません。
マジックにだいぶどっぷりつかっているので感覚狂っているかもしれませんが、6400円+消費税の価格が高いと思う方も今だと多いでしょうね。これより遥かに薄いレクチャーノートが3000円とか5000円とかだったりするのを知っていると、この厚さでなんと格安なのだろう、というのが本音の所です。

ただ、初心者の方はこの本を買って最初から読んで学ぼうとすると、挫折する可能性大なので、もっと簡単な取り組みやすいものからスタートした方が良いと思います。