2016年2月3日水曜日

『奇術を始める人のための演出論』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その6 書籍④

前回の記事に引き続き、『奇術を始める人のための演出論』の紹介となります。


vol.32:演出とは/見せ方のポイント(2つのことを同時にしない)
本巻ではvol28~30までの内的要素、外的要素等のまとめを前半で行っています。
そして、この回から具体的事例を挙げて、プレゼンテーション上の注意点として、同時に二つのことを行い、観客に現象が分かりやすくすることについて説明がなされています。

vol.33:見せ方のポイント(2つのことを同時にしない)
ここでも全巻に引き続き、同時に二つのことを行わず、一つの動作に見えるよう、秘密の動作を感じさせないようすることが、二十世紀シルクや四つ玉、等々の演技を例に挙げ、説明されています。

vol.34:見せ方のポイント(「出現」の表現方法)
マジックで多くある、物が突然出現するマジックについて、間合いの取り方のコツが、ミルクシリンダーや花の出現等の具体的事例にて説明されています。

vol.35:見せ方のポイント(「出現」の表現方法
空中からトランプが出現するミリオンカードを素材として、間合いの取り方、アピールの仕方が説明されております。

vol.38:見せ方のポイント(「出現」の表現方法/現象・動作を強調する
マジックは不思議さを表現するうえで、種の存在を感じさせないようするため、不自然さをできるだけ排除する必要があります。
実例として、ゾンビボール、ロープ切りが挙げられています。
種が分からなくても現象も良く分からない演技になってしまうことがあります。そういった場合に、素材の特性を頭に入れて演出する必要があることが説明されています。
また、おしゃべりしながら行うマジックにおいて、客を適切にコントロールするかの重要性が説明されています。



具体的例についてはある程度ステージ・サロン系のマジックを嗜んだ人でないと言っている意味が分かりにくい部分もありますが、こういった基本的な部分を文章で表現するのは難しく、大体口頭で伝えられる場面が多いため、本シリーズのコラムは貴重な文献となっています。

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