前回の記事で紹介した物だけでは時間が短すぎる、という方のために、追加のアイテムを紹介します。
その名はずばり『ハンカチーフになる魔法のひも』 です。
前回の『色が変わる魔法のハンカチ』と同じくハンカチを扱ったマジックで、しかもお手軽ということで、2つマジックを行うと相性もいいと思います。
内容は
普通の白い紐があります。
この紐が曲芸技のようにまっすぐ立ち上がっても倒れません。
最後にこの白い紐が
赤いハンカチに変化してしまいます。
こちらのマジックも前回同様、練習は一般の方目線で考えても少ないですが、紐の状態のときのハンドリングに少し練習がいると思います。
良いマジックですので、時間の無い方はこちらを演じてみてはいかがでしょうか。
ちょっとサボりながらも何とか再開した、サロン・ステージマジック編の記事ですが、『もうクリスマスや忘年会シーズンで、そんな悠長な記事は待ってられない。明日や3日後に人前で何かかくし芸をしないといけないけど、練習要らずで、すぐにできるマジックを教えてください。』というような都合のいいことを求める内容がその辺の相談サイトに連投される時期が来てしまいました。
そんな都合のいい手品があるのなら私が教えてほしい、と言いたいところですが、そんなわがままな方の要望にも応えてみよう、というのが本サイトの普通でないところです。そうは言っても、金・時間・根気もないという3拍子揃った方に対応するのはさすがに難しいので、多少のお金は使っても、時間・根気を省きたいという方のための道具を紹介します。
マジック・手品の道具は多数販売されておりますが、我々アマチュアのマジック愛好家の場合、簡単とか優しいとかすぐできるということが大抵の場合、手品をされない普通の方の基準からすると、相当ずれています。マジックのレクチャーしても大抵の人は簡単だとマジシャン目線で思っているものでも相当苦労します。
そんな中、お尻に火がついて藁をもつかみたいあなたのためにそういったマジックをご紹介します。
前回記事でも扱ったビリーズマジックショップで主に扱っているテンヨー製品から紹介します。
色が変わる魔法のハンカチ
結ばれた二つの色違いハンカチが手でこすると、全く違う二色のハンカチに一瞬で変化します。
これが (パッケージの箱も一緒に撮影しています)
これに
握りこぶしの中で一瞬で変化します。
数あるテンヨー製品の中でも、派手で、習得時間もほぼなく、自動的に道具が大部分を行ってくれる、理想的なマジックです。
マジック道具を使う欠点は、当然のことながら、専門のところで購入しないといけない点ですが、こちらの商品はテンヨー製ですので、おもちゃ屋さんでも販売されているので、入手性も高いです。
ただし、現象が一瞬で終わってしまうので、このまま単体で演技すると、本当の一発芸になるので、何らかの前ふりや、その他アイテムなどと組み合わせるのが本当は望ましいのですが、取りあえず時間の無い方は、このまま演じてみてください。
その人のキャラクターにも大いに依存しますが、多少場は和むと思います。
久しぶりに書籍のレビューとなります。
ヘルダー・ギマレス(Hélder Guimarães)はFISM2006で、ポルトガル人初となるカード部門第1位入賞を果たします。
DVDではSmall Miracles、Red Mirrorといったものが既に発行されています。
他に彼はTEDに『マジックでたどる「偶然」を探す旅』と題して出演しております。リンク先で、日本語字幕付きの動画を見ることができます。
リフレクションズ(REFLECTIONS)は彼の作品を作る時の発想する術と、実際のサトルティの工夫、いかに現象が起こるのと、ダーティーワークを行うタイミングをずらすかの戦略について、彼の持ちネタにおいて説明していくという、クロースアップマジックの理論書となっております。
端的に言いますと、入門者が買ってもさっぱりわからないので、後回しにした方が良いと思います。
そうでない方でも結構本書を読みこなすのは大変だと思われます。
まず、現象は相当不思議なことが何の手がかりもなく起こるようなものなのですが、これを書籍の文章だけ読んでイメージすることは相当難しいです。
次に、収録されているマジックは、『カード、サイン、グラス』『スリーカード&ボックス』『スリー・プログレッシブ・チョイス』『エース&グラス』『カード、数字、マッチ』の5つだけなのですが、いずれも結構セッティングが面倒なものとなっております。そのため、実際に手に取ってセッティングしないと中々何のことか理解しにくくなっています。
おそらく、これを読んでも、実際に自分のレパートリーにしようと思う人は少ないと思います。
『カード、サイン、グラス』は2つのグラスに入れた青い10枚のパケットと赤い10枚のパケットのうち、赤いパケット2枚に客にサインさせて、何の痕跡も残さず、青いパケットにサイン付赤カードを2枚とも移動させるという、カードアクロスの手順です。
ワイングラスを使いながら、客との距離を生かして、巧みにカードを入れ替えるのですが、最終段階では何もしていないのに、サインカードが飛び移ったかのように見えます。
『スリーカード&ボックス』:3人の客にカードを1枚ずつ選んでもらいます。そのうち1枚だけ(この場合ハートのAとします)に表側にサインをしてもらいます。空のカードケースにデック1組をぱらぱらと弾いて風を起こすと、箱が動き、ケースの下から1人目の客の選んだカードが出てきます。もう一度デックを同じように弾いてみると今度はカードケースとそれを覆うセロファンの間に2人目の客の選んだカードが挟まっています。デックをリボン状に広げると3人目の客の選んだハートのAが 入っているのが見えます。デックを閉じて揃えて、もう一度デックを弾いて風を起こします。すると、またセロファンの間に3人目の客のカードが入ったかと思うと、今度は箱にマジシャンが手も触れないのに、箱の中からサインされたカードが折りたたまれて出てきます。
『スリーカード&ボックス』:3人の客に3枚のカードを覚えてもらいます。1人目の客に覚えたカードの名前を言ってもらいます。すると、マジシャンは客のカードは22枚目にある、と言って、人差し指でデックの半分を跳ね上げて上半分を表替えします。22枚目を数えると、1人目の客のカードが出てきます。
次の客に覚えたカードを言ってもらい、『スペードの7』と答えたら『SEVEN OF SPADE』という文字の数“5+2+5=12枚目”から客の選んだスペードの7が出てきます。
デック全体をスプレッドしていくとすべて白いカードになっています。 そして中央に1枚裏向きのカードがあります。3人目の客に選んだカードを言ってもらうと、1枚裏向きのカードが3人目の客のカードとなっています。
『エース&グラス』:2枚の赤いエースと2枚の黒いエースを取り出します。黒いエース2枚を机の上に裏返しに置きます。赤いエース2枚はグラスにエースの側が客に見えるように置きます。ハンカチを掛けておまじないを唱えると、一瞬でグラスの中のカードが2枚の黒いエースに変わります。机の上の2枚は赤いエースに変わっています。
『カード、数字、マッチ』:エニーカード・アット・エニーナンバーの現象です。客にデックの表がバラバラなことを示します。シャッフルした後、リボンスプレッドします。客に1枚選んでもらい、カードを覚えてもらいます。覚えたら再びデックにカードを戻し混ぜます。続いて客にマッチ箱を持ってもらい、1~52までのカードで好きな数字を言ってもらいます。『18』と言われると、18枚目から客のカードが出てきます。そして、マッチ箱の中からは客の選んだカードと同じカードが折りたたんで予言されています。
ギマレスはこれらのマジックを3段階の手順を踏んで、一足先にセッティングを済ませてしまい、種の手がかりさえつかませない巧妙さで現象を実現させます。それもあまり高度な技法に頼らず行ってしまうため、非常にクリアーな現象となっています。
ただし、前にも書いたようにセットアップが相当必要なものが多いので、デックスイッチが必要と一見思わせますが、セッティングされていないカードで他のカードマジックを行うなどして、仕掛けの影さえ見せぬなど、どうやって不思議さを構築していくかの詳細を解説しています。
自分がやってみたい現象を実現するためにどうすべきか、ということに対し、何らかの指針にはなると思いますが、大変高度な内容です。
誰が読むのか、と思いながらブログを書いている一方で、多少なりともPV(ページビュー)が増えてくれるといいな、という虫のいいことを考えている自分がいます。
正直、PV増やすには種明かしすればいいのですが、さすがにそんなことは私にはできません。大体なんで自分が苦労して集めたり、練習したりした種や工夫をそんな安売りしないといけないのだ、というのが本当の所です。種明かしブログにしないのは、表向きはマジックのマナーや常識云々とか、他の人が楽しめなくなるから、とかみたいな高尚なことを言いながらも、本音ベースでは苦労して得たものを独占したいという多少自己中心的な理由が大きいです。こう思うのは私だけでしょうか?
なので、他人の種は明かせないので、自分がなぜ『図解カードマジック大事典』の記事を唐突に書こうとしているかというと、まだ比較的出版されて新しいし、あまり書評も出ていないので、多少なりとも注目されたいからです(あっ、本音を言ってしまった。こういう種は明かしてもいいよね、たぶん)。
東京堂出版からは『カードマジック事典』という高木重朗編の昭和58年(1983年)初版の有名な書籍があります。これ以前にはさほど詳しいカードマジックの本はマニア向け以外にほとんどありませんでしたが、海外の最新マジックを紹介しまくっている名著です。しかし、あくまで事典ということで、技法の解説はあるものの、奇術の紹介の部分はほぼ箇条書きで、これだけ見てまともに演じられる人は少なくとも中級以上の人でなければなりませんでした。
また、本書は出版されてから30年以上経過し、編者も既に故人ということで、新たな事典である『図解カードマジック大事典』宮中桂煥著 として全く新しい本として生まれ変わったものです。
『図解カードマジック大事典』の特徴として、カードマジック事典より、でかく、分厚いです。とても普通に持ち歩くのには適していないので、お家で一人静かに少しずつ読んでいくような本となっています。
内容的にはカードマジック事典と同様に技法編、奇術編があり、さらに学習編という章が加わり、海外の洋書の紹介や実際に奇術を行うときのヒント的が示されており、パフォーマーとしてやりたい人には参考になります。
技法編は絵で説明されており、ほぼカードマジック事典と同じ内容は含まれておりますが、一部変更があります。以前は独立した章であったグライドがフォールスディールの中に入れられてしまっているのは時代を感じます。確かにグライドを行うマジックも最近ではほとんどないような気がします。
また、新しい技法ではレナート・グリーンのスナップ・ディールとかが加えられています。スナップ・ディールの冊子を単体で購入した身としては、若干悲しいですが、まあ、そんなに詳しく載っていないので良しとします。
ただ、技法的には比較的クラシックなマジックを演じるためのものがほとんどで、もっと新しくマニアックな技法(アッシャーツイストやロードランナーカル、レイズライズ等)は記載されていないので、個々の技法のDVD等を購入して学習してください。
奇術編については、こちらの説明は写真となっています。カードマジック事典、カードマジック入門事典との内容重複は相当数あります。原題と考案者について全てに記載されております(一部はっきりしないものは不明となっています)。内容的にはクラシックなマジックが網羅され、今まで日本の書籍で解説されたものが存在していなかったポール・ハリスの『リセット』原案の解説もされています。また片倉雄一『ダブルショック』や初出の『片倉のラスト・トリック』など日本人の作品も取り上げています。
クラシックなカードマジックの原案者や手順を学ぶのには非常に役に立つ書籍です。
ただし、現在のようにDVDで動画見てマジックを学ぶことに慣れた人たちにとっては、この書籍の説明では不親切、とかいうコメントをつけてしまうかもしれません。本で学ぶことに慣れている人であれば、相当数のクラシックなマジックを習うことができお得だとおもいます。
現在はマジック関係含め書籍が売れなくなっていますので、早めに購入しておかないと、再販されずに絶版になってしまい、購入機会を永遠に失ってしまうかもしれません。
マジックにだいぶどっぷりつかっているので感覚狂っているかもしれませんが、6400円+消費税の価格が高いと思う方も今だと多いでしょうね。これより遥かに薄いレクチャーノートが3000円とか5000円とかだったりするのを知っていると、この厚さでなんと格安なのだろう、というのが本音の所です。
ただ、初心者の方はこの本を買って最初から読んで学ぼうとすると、挫折する可能性大なので、もっと簡単な取り組みやすいものからスタートした方が良いと思います。