2016年2月29日月曜日

Mr.YU 大阪鶴見三井アウトレットパーク 大道芸ショー

マジックを演じようという方はマジックのことだけを考えていればいいということではいけません。当然、マジックというエンタテイメントのセグメントをどういう風に考えるかにより、同業他社は変わってきます。
マジックも屋外ステージで行うエンタテイメントの一種としてとらえれば、屋外ステージで行われる大道芸やミュージシャンによるコンサート、パントマイムなどのパフォーマンスもマジックの同業他社と言えます

そういうわけで、2月28日(日)門真南駅から行ける大阪鶴見アウトレットパークの3F屋外ステージにて開催されたMr.YUによる大道芸ショーを鑑賞しました。(本当は別件で現地に行ったついでですが)。 
 
名古屋でご活躍されているジャグリングの大道芸人さんでディアボロを得意とされています。体型はご本人もおっしゃっている通りとてもジャグラーには見えないご立派な体型(体重100㎏オーバー)ですが、動きはめちゃめちゃ良いです。
本職の方がこういったところで稼ぐためのショーなので、構成や客を引き付けるための工夫などを中心に見させていただきました。
ご本人もネット拡散ご希望だったので、ご要望に応え、拡散させていただきます。

まずはバルーンアートでスタートさせます。最初は客の入りが良くないので、カラフルな風船を使い、トークでつなぎながら徐々に客を増やしていきます。この辺の行動は中々巧みです。そうこうしているとお客さんも結構入ってきたので、 バルーンアートを完成させます。ミッキーマウス・ミニーマウスのペアバルーンアートが出来上がりました。大きな拍手が来ます。

 
小さめの台を取り出してダイススタッキングを行います。
マジシャン目線で言わせてもらうと、この大舞台でも結構小さめのダイススタッキングで観客の興味を引き付けることができていたので、参考になります。
  
最初から大量に積まれていたシガーボックスは何に使うのだろうと思っていましたが、一つづつ飛ばしていって両手で大量に挟んでいき、最後は片手で積み上げ、ホログラムカラーのシガーボックスだけを飛ばして箱の中に入れます。

そして大会でも優勝したというディアボロの演技。観客の喜ぶ空中へ高く上げる技も交えて何度高い物を色々やってくれます。見事なものです。ただ、こちらも素人なので、すごいことは分かるのですが、どれが難易度高いのかまでは正確に分かっていません。

芸に入る前にカメラ構えていたら、『そこのお兄さん、シャッターチャンスですよ』とギャグでポーズを決めてくれます。せっかくですので決めポーズも撮影させていただきました。

途中でジャグリングではなく、ルービックキューブが入ります。
観客に端だと小さいので見にくいですよ、と中央の方まで集めていきます。この辺りのオーディエンスマネージメントは見事な物です。


目隠ししてやろうかとして、結局目隠しはせず、背中に回して揃えます。最初に図柄を頭に焼き付けてから、ずっと背中で動かしていき、六面揃えます。見事に完成、大拍手となります。

大道芸で中央にある台から何となくバランス芸をしそうな感じはしていましたが、トリは予想通りのバランス芸です。しかし、さらに大量のシガーボックスで踏み台を追加して行います。こわごわといった感じで乗っていき、成功です。

これだけでもすごいのですが、さらに3本ナイフを取り出し、台の上でジャグリングを行います。


ここでフィナーレと思っていると、反応が良いのでやるかどうか迷っていたというけん玉を取り出します。めちゃめちゃ紐が長いです。


見事大成功です。

当然大道芸で生活されている方なのでチップのお話し入りますが、これも、『神社のお賽銭ではないので、5円とか10円、100円玉でなく、細長い四角いやつ』『細長く四角いやつ、と言ったら、小さな女の子がレシート持ってきてくれました』とかギャグトークを交えながら、チップ、それも1000円以上のものを促し、この辺りも長年大道芸やってきた手際が感じられました。
長い竿付きのチップ回収袋などもユーモラスで、次から次へと皆さんチップを入れて行ってました。(もちろん私も入れましたよ)。

最後にミッキーマウス・ミニーマウスの風船争奪戦で、Mr.YUとじゃんけんして勝った人にプレゼントされました。

結構子供たちもいっぱい来て、終盤は相当観客も多くなり、集客や盛り上げ方が参考になりました。マジックの場合、大道芸と全く同じような集客方法をそのまま取れない点もあるのですが、こういった経験を何らかの形で生かしていきたいと思います。

30分以上のショーでしたが、時間を感じさせない楽しいエンタテイメントでした。

2016年2月24日水曜日

『シルクマジック大事典6』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その16 書籍

地味な更新を続けてきた本ブログですが、おかげさまで、1万PVに到達しました。1年2か月ほど掛かっていますので、やはりマイナーではありますが。

今まで連載を続けていました 

シルクマジック大事典6、マーク・E・トリンブル著、二川滋夫訳、東京堂出版、1997
 
ということで最終巻の紹介となります。
第6巻だけは他の巻と異なり、著者がハロルド・R・ライスからマーク・E・トリンブルに変更となっています。これは、1~5巻までの内容で不十分なものや新たな知見が加わったものの補足をハロルド・R・ライスの死後、行ったためです。1993年にこの内容の原著が発行され全6巻完結となりました。

内容は
・ハロルド・ライス、大事典と生涯
・第1・2巻再訪
・第2・3・4巻再訪
・第4・5巻再訪
と前半部分は以前に出版されたものの見直し及び追加が主となっています。

・ロードとスティール
ここではありとあらゆるシルクの隠し方や取りやすくする工夫が記載されています。助手を用いたスティールについても言及されているので、派手なステージ系マジックを行い方にも役立つ章となっています。

・子供向けのシルク・マジック
こちらではモンキーバーのシルクバージョンやマーチン・ルイスのスナックアライブの原型のような内容等が紹介されています。ユーモラスなコメディータッチのものが多いです。

・ウォーレン・スティーブンスのシルクマジック
本章ではウォーレン・スティーブンスのユニークな仕掛けを用いたビジュアルな現象を多数紹介しています。結構凝った、今まであまり見たことのないような構造が色々紹介されています。ちょっと道具を作るのが大変で、実際にこれを他の人が演じることは少ないかもしれません。

・シルクについて(再訪)
第1巻でも取り上げられた内容ですが、1990年代までの新しい知見がこちらで記載されています。
シルクマジックの歴史やシルクの入手方法、手入れ方法等について言及されています。

・シルクの染色
こちらも第1巻でも取り上げられた内容の最新情報が取り上げられています。
今ではマジックショップでシルクも多数取り扱われていますが、自ら染色したい方には参考になる章です。

・章索引
その名の通り全巻の索引が掲載されています。

以上全6巻の紹介を今回で終わりますが、このページ数の物をよく約2年の短期間で日本語に翻訳したな、と思います。編者、訳者達の熱意には驚嘆するしかありません。

マジックの世界は種や仕掛けの秘密性がある程度保たれなければ成り立たないので、マジックを演じようとすると良い資料が見つかりにくい現状があります。しかし、探せば、日本語だけでも相当な資料が存在しますので、諦めずに良いマジックの書籍を入手してください。
またDVDと違い、絵と文章で現象を理解し、練習していくこととなるので、書籍で勉強するほうが独自の演技を構築しやすいと思います。なので、書籍も毛嫌いせず読むことをお勧めします。

2016年2月21日日曜日

『シルクマジック大事典5』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その15 書籍

資料が少ないこと、と書いておきながら、延々と書籍の紹介が続いてしまうのが非常識なマジック入門講座と言ったところです。もはや全然入門講座ではないような書籍の紹介となっております。ここまで来たら、今回も全く懲りることなく

シルクマジック大事典5、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫訳、東京堂出版、1996

の紹介となります。
章立てとしては
・ノーティーシルク
・シルクと卵
・スープ皿とシルク
・シルクとキャンドル
・オープナー
・ジャップ・ハンク・ボックス

となっています。詳細は自分で買って読め、と言いたくなるくらいいっぱい手品が載っていますので、一言で説明するのは不可能です。

ノーティーシルクというのはシルクを対角線上に巻いて、ロープのように結び目を作っても解ける類のマジックのことです。もはやシルクでなくてもいいんじゃないの、というような、ロープでもよく見かける現象とかもありますが、シルクでないと感じの出ないマジックも紹介されています。

シルクと卵というのはシルクがおもちゃの卵の中に入っていったはずが最後には本物の卵になってしまうという、サッカートリックです。良いマジックなんですが、どうしても準備と後片付けと消耗品の扱いが面倒なので、私自身はやったことがありません。でも、見ている分には楽しいマジックです。

スープ皿とシルクというのはスープ皿の下や間からシルクが出てくるマジックです。正直言うと見たことないのは私だけでしょうか? 皿に仕掛けのあるもの無い物と色々紹介されています。よく知らないので、あんまりコメントできません。

シルクとキャンドルは炎がシルクになったりキャンドルからシルクが出たりするようなマジック等が紹介されています。結構幻想的な演目で、良い雰囲気になると思います。ただし、火気を使うマジックは現在消防関係の規制がうるさく、意外と演じるのが大変だったりします。

オープナーとはその名の通り、オープニングで行うのにふさわしいマジックです。まあ、ふさわしいというより、仕掛けや準備が面倒すぎて、マジックの最初でないとできないものが多かったりします。現在のアマチュアがマジックを行う環境としては、さほど条件の良くない場合も多く、あまりに仕込みが多いマジックは身動きが取れず、マジック開始まで落ち着かないので、私としてはそんなにお勧めできません。ただ、準備大変でも、派手なアクトを行いたいという場合には良いでしょう。また、仕掛けの方法は他のマジックでも役に立ちます。

ジャップ・ハンク・ボックスというのは日本製路と呼ばれるシルクが大量に出現する箱のマジックです。どちらかと言えばギミックにて秘密の動作が行えるものがほとんどとなっています。派手なプロダクションで、大人数の前で行うのに適したマジックと言えます。


シルクマジックも種類がこんなにあり、奥が深いです。 全てをマスターなどできないので、自分の気に入ったものを見つけ出す、くらいの感じで本書に触れると良いのではないかと思います。

2016年2月19日金曜日

『シルクマジック大事典4』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その14 書籍

今回は

シルクマジック大事典4、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫訳、東京堂出版、1996

の紹介となります。

第4巻で紹介されているマジックは全289ページもあるにもかかわらず、20世紀シルク、シンパセティック・シルク、ブレンドウ・シルクの3種類だけです。当然のことながら、その3種類のありとあらゆる方法が紹介されています。

20世紀シルクとは結んだ2つのシルクの間に3つ目のシルクが現れる現象を言います。
この現象を行う方法として1900年頃、フランク・デュクロの名前が挙げられているとのことです。
ありとあらゆる20世紀シルクが紹介され、さらには、1900年代前半の出版にも関わらず、22世紀シルクというものまで紹介されています。この原理は今でも有名な透明筒を使うシルクマジック(クリスタルチューブ)で使われている物です。

シンパセティック・シルクというのは、左右両側に置いたシルクの内、片方を結ぶともう片方も結ばれ、片方を解くともう片方も解かれる、といった内容のマジックです。
1910年にハットンとブレイトにより書かれた『マジシャンズ・トリックス:ハウ・ゼイ・アー・ダン』の中で『ミステリアス・ノッツ』という名前で紹介されたのが最初ですが、考案者は明記されていないようです。 
オーソドックスな6枚のシルクを椅子に置くハーラン・ターベル(あのターベルコースで有名な方です)の方法から始まり、4枚しか使わない方法や幻想的な、助手を使うシンパセティック・ローズ、カードを使った手順等多数紹介されています。

ブレンドウ・シルクは通常ブレンド(Blendo)シルクと言われることが日本では多いですが、訳者の発音へのこだわりか、ブレンドウと表現されています。オリジナルはフランク・デュクロの『パーフェクション・フラッグ・トリック』とのことです。
現象としてはバラバラのシルクが溶け合わさって一つのシルクになるマジックです。目の前で本当に溶け合わさる感じに大きく現れるので、トリのマジックに使われることも多いです。
基本原理は似たようなものが多いですが、細かいギミックや取扱い方に各人の工夫が見られます。実演してみると分かりますが、ギミックの具合によって、途中のマジックとして演技するのが難しかったり、上手くギミックが作動しなかったりすることもあるので、自分に合った方法でギミックを調整した方が良いと思います。 


本巻で紹介された3種のマジックについては自分の気に入った方法を探し、自分らしい演技で演じられると良いと思います。
ただし、本書も絶版なのが残念なところです。 

2016年2月17日水曜日

『シルクマジック大事典3』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その13 書籍

引き続き、シルクマジック大事典シリーズの記事を書きます。

シルクマジック大事典3、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫訳、東京堂出版、1996

第3巻では、大まかに分けて、シルクの色や模様が変化するマジック、糸を使うマジックが掲載されています。

シルクの色や模様が変化するマジックもメカニカルな方法、小型ギミックを用いる方法、大型ギミックを用いる方法の3つに分けて解説されています。

メカニカルな方法と言っても、ハイテクを用いたものではなく、シルクに加工したり、自分で作ったりできる物で変化方法が多数掲載されています。

小型ギミック編ではマジシャンなら良く見慣れた○○チップや○○チューブ等を用いたものが紹介されています。当然時代が古い書籍であるだけに、○○○ギミックとか最近の物は含まれておりません。
大型ギミック編では紙筒等の中でシルクの色が変わるマジックを主に説明しています。
紙筒を通り抜けるとシルクの色が変わっていくのは、デイビッド・デバントの原案ということで、その有名なハンカチーフ・トリックの解説から行われています。
その他有名なマジックでは、赤、白、青のシルクを紙筒に入れてアメリカ国旗にするミスメード・フラッグも解説されています。

糸を使うマジックではリールを使う物、使わない物の2つに大別されて説明されています。
当然物を浮かすだけでなく、結び目を上手く解いたりすることもできます。糸を使うことで移動現象や浮遊現象など大きな現象も表現することができるので、そういった内容の解説も多数なされています。


プロのマジシャンがレパートリーにしているような内容も含まれており盛り沢山な内容となっております。
ムッシュ・ピエール氏がよく行っている縦縞のハンカチが横縞になるマジック(マギー司郎氏のギャグではないバージョン)の原作は『ゼブラ・シルク』(トム・デスレフセン)ということも本書で初めて知りました。

これでやっと半分まで来ました。残り3巻についても後日記事にしたいと思います。

2016年2月15日月曜日

『シルクマジック大事典2』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その12 書籍

シルクマジック大事典2、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫著、東京堂出版、1995

の紹介になります。シルクマジック大事典ということで、メインはシルクなのですが、それ以外の道具も使ったりしますので、バリエーションは豊富です。

・変化:シルクがボールやケーンに変化するマジックが多数紹介されています。中々他の書籍ではお目に掛かれないようなギミックの構造がて解説されたりしております。
・移動:シルクが別のグラスや封筒に移動したりするマジックが紹介されています。演目によってはメンタルマジック風にも演じられそうなものや、変わった構造の道具を使う物が紹介されており、イマジネーションを鍛えるためには参考になります。まあ作るのが面倒くさそうなものも多いですが。
・貫通:ロープからシルクが貫通したりする現象が多数紹介されています。人を使って、ロープとシルクを結んで、両端を引っ張ると、人が脱出できてしまうようなマジックも数種類紹介されています。観客に手伝ってもらって大人数の前で行うには良いと思いますが、結構適切に指示するのが苦労するかもしれません。
また『お婆さんの首飾り』という内容は結構有名で、クロースアップでもできる内容となっています。

内容多岐に亘り、一口では説明しきれませんし、私も個々のマジックをそこまで細かくは見れておりませんが、大抵のシルクマジックなら、基本原理が本シリーズを読めば理解できるようになると思わせる、それくらい豊富な内容となっています。
でもやっぱりにマジック入門者にはいらないでしょうね、きっと。

2016年2月13日土曜日

『シルクマジック大事典1』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その11 書籍

ステージ・サロン系マジックに関し、日本語の一般書店に並んでいた書籍は限られます。シルクマジック大事典シリーズ(全6巻)はかつて本当に一般書店で販売されていたのが信じられないようなシリーズです。当然のことながら、再販されることもなく、絶版となっております。
 6冊並べると約18㎝の厚さとなり圧倒されます。正直言うと、マジック入門者が見るようなものではないと思いますが、あまり本書について言及したブログ等を見たことがないので、細々と述べていきます。


シルクマジック大事典1、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫訳、東京堂出版、1995


英語の原著では4分冊で、最初の巻は1948年に出版され、最後の4巻目は1993年に出版されたものです。 ということで、最初の方の内容はもはや約70年前の内容となり、日本語訳が出版されてからでさえ20年近く経過しているので、内容が現代に合っていないところも存在します。
原著の4巻目はハロルド・R・ライス氏の死後、マーク・トリンブル氏が原著1~3巻で書き漏らした内容や補足を加え、全内容の索引を付けた巻となっております。

まずは日本語翻訳版1巻について説明します。
さすがに翻訳も複数で分担して、二川氏が最後に調整するという形をとっております。なんとわずか2年で日本語訳を全巻完成させてしまうという突貫工事ぶりです。

内容的には最初にシルクに関する知識、シルクの染色、シルクの折り方といった基本的内容が記載されております。当時でもショップでシルクも各種サイズ・色の物を購入できたようですが、自分で染めるための方法とか、どんだけマニアックなんだ、という内容が含まれております。

そして、実際のマジック紹介では、シルクを1枚から複数枚まで道具を使う・使わない方法にて出現させる方法を大量に解説してあります。絵は相当数使われているので、イメージはしやすいと思いますが、DVD動画に慣れている現在の方にはまどろっこしいかもしれません。

道具を使って大量にシルクを出す項目では、シルク以外にも使えそうな道具が多数紹介されていますので、本書を参考に道具を作ってみると、独自のマジックが構成できるかもしれません。

1巻最後はシルクの消失方法が各種ギミックとともに紹介されています。よくもこんなに色々な道具があるものだと感心します。


ということで、既にマジック入門の領域を逸脱しているので、入門者の方は購入必要ありませんが(というより、既に入手が困難です)、興味を持った方は根性で探し出して、マニアの道へ突き進んでいってください。
某元マジックショップオーナーのように『女房を質に入れてでも買ってください・・・なんてことは絶対ないです。

2016年2月11日木曜日

『カズ・カタヤマのシルクマジック大全』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その10 書籍

ステージ・サロン系マジックの書籍を紹介してきましたが、だいぶ連載長そうになるので、今回から一部表題の連番を省略させていただきます。

今回紹介させていただくのは既にステージマジック入門3部作でも紹介したカズ・カタヤマ氏のシルクマジックに関する書籍

カズ・カタヤマのシルクマジック大全 カズ・カタヤマ著、東京堂出版、2011

です。本書はその名の通り、カズ・カタヤマ氏がレパートリーとしているシルクマジックについてふんだんに紹介されています。

シルクマジックでよく使われるギミック(ハンカチーフ○○○、第○の○、○○チューブ:ネタバレ防止のため伏字とさせていただいております)の使い方の説明、オープニングに使えるシルクマジック、トリに使えるルーチンなど、実戦的なシルクマジックやその他道具も用いるシルク関連マジック等が豊富に紹介されています。
これらのマジックには私も参考にさせていただきレパートリーの一部となっているものもあるのですが、 それよりも特徴的なのは、本格的にステージマジックを行っていく上の知識もまとめられている点です。

有名マジシャンのステージアクトの演技構成や、演技時間ごとにどのような構成で実際カズ・カタヤマ氏が演技をおこなっているかなど、自らのマジックショーを構成するための参考になります。

また、舞台公演で必要な内容が舞台施設の解説から、照明、火気使用許可やJASRAC許諾のことや、舞台進行や練習、さらにはメーキャップについてまで記載されております。


サロンや大舞台まで大人数へマジックを見せるための知識を獲得できる貴重な書籍となっております。
その手の知識が全くない方は購入されると良いと思います。

2016年2月9日火曜日

『松旭斎すみえのマジックの世界』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その9 書籍⑦

『奇術を始める人のための演出論』はマジック専門誌に連載されていたコラムであり、入手が難しいので、一般書店で(とは言っても大きい所でないと見つかりませんが)取扱いのある書籍を挙げます。

松旭斎すみえのマジックの世界 松旭斎すみえ著、東京堂出版、2003
こちらも東京堂出版から出版されたマジック関係の書籍です。 題名から松旭斎すみえ氏の伝記と思われる内容ですが、後半は確かにそういった内容となっております。中々波乱盤上な生誕から養子へ出され、不思議な縁からマジック人生を歩むこととなったようですが、読んでいて面白いです。

しかし、ステージ・サロンマジックを始めたい方にとっては前半部分が大変参考になります。
マジックの練習方法から入り、どのように見せると観客から良く見え、綺麗に上手く見せることが出来るのかといったことが図解入りで解説されています。
具体的な細かい動きについては揉み出しシルク、六枚シルク、ファンテンシルクの3種類にて解説されております。実際のマジックのネタだけが知りたい方の場合、他の書籍やDVDを選んだ方が宜しいと思いますが、具体的なマジシャン的動きや見せ方をマスターしたい方にとっては本書が入手性も考え良いと思います。

プロマジシャンの視点から書かれたこういった内容の物は他であまり見ないので、非常に役立つ文献となっています。
是非本書を基に練習を行い、素敵なステージ・サロンマジックを披露できるようになってください。 

2016年2月7日日曜日

『奇術を始める人のための演出論』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その8 書籍⑥

『奇術を始める人のための演出論』の紹介最後の4回目となります。



vol.46:手順の作り方
今回からは具体的に出演依頼されたときに考慮しないといけないマジックの手順について記載されています。
自分が主体的にマジックの演技をする場合、割と好きなようにやりたいようにマジックを行っていけばいいのですが、出演依頼を受けた場合にはあらかじめ演目を決めて置き、依頼時間通りに終わらせる必要があります。道具をいっぱい持っていき、当日に適当にマジックをやっていったのでは観客に満足して楽しんでもらうことが出来ません。
出演時間や場所、人数や自分のできるマジックを考慮して、その場に合った一連のマジックとして、ショーを構成する必要が生じます。その場合、最初にやるマジック、中程のマジック、終わりのマジックといった大くくりでマジックの構成を考え、演じていく方法が具体例を挙げて説明されています。

vol.47:出演依頼されたとき
ここでは実際に出演依頼を受けた際に、何もマジックについて知らない顧客に対し事前確認しておくべきことの具体例が説明されています。この辺については実際にマジックショーで出演されている方なら事前確認の重要性はご存知だと思いますが、これから依頼を受けて行こうという方には色々参考になると思います。
当日までの練習方法や当日のセッティング、現場での最終チェックや演技時間等の最終確認について説明されています。

vol.48:出演依頼されたとき/今までの内容の目次 
本番での心構えや、演技後の家での復習と記録、道具の収納について記されています。
最後に今までのコラム連載されてきた全内容の目次がまとめて記載されております。
本vol.48で最終回となります。


ステージマジックの道具立てから角度や不自然さを無くすこと、失敗への対処、出演を受けてからの流れから出演後の反省など、実際にマジックショーを人前で行う上の基本的な内容から心構えまで、実際の体験を基に記された貴重なコラムとなっています。
こういった内容は中々どこかのマジックサークルとかで習わないと学ぶ機会もないと思うので、非常に参考となる文献です。
惜しむらくは今となってはこれらのコラムの入手も難しいことが残念です。 

2016年2月5日金曜日

『奇術を始める人のための演出論』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その7 書籍⑤

『奇術を始める人のための演出論』の紹介3回目となります。



vol.41:私の考え方

当然マジックなので、実際の動作と偽の動作の差をなくすことにより、普通に何かをしたのに不思議なことが起きたように見えます。そのような実例を水と新聞紙のマジック、ボールやコインの握り方で説明されています。
後は、不思議な現象が起こる際の観客の抵抗感を減じるための、マジカルジェスチャーやセリフの工夫が実際のマジックを例に挙げ、説明されています。

vol.42:私の考え方
この巻では作品がどのような特徴を持って演じられてきたかの背景を知ることの重要性が、リンキングリング、ゾンビボール、中華蒸籠を例に説明されています。
また、取り出し用の道具の扱い方や出現させた後の始末等について、説明されております。
そして、マジックの演技を行った際の失敗の予防と対処方法について記されています。
さすがに長年にわたりマジックを実演された方だけに、実戦経験に基づいた細かいアドバイスが多数含まれています。

vol.43:私の考え方 
リンキングリングでの失敗例を挙げ、どのように対処したか説明されています。
その他、情報収集と整理の重要性、失敗の予防対策、練習していく上のアドバイス、演者と観客で勝負の場のような敵対関係にならないよう意識することの大切さが述べられています。


連載記事ではありますが、ある程度内容的に近い部分で本ブログの記事もまとめさせていただいております。 vol.41~43については筆者である植木氏の見識が述べられていきます。実際にステージ系マジックを演じる上でのノウハウが満載されており、何度も読み返すと自分が人前でマジックする上でも大変役に立ちます。

2016年2月3日水曜日

『奇術を始める人のための演出論』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その6 書籍④

前回の記事に引き続き、『奇術を始める人のための演出論』の紹介となります。


vol.32:演出とは/見せ方のポイント(2つのことを同時にしない)
本巻ではvol28~30までの内的要素、外的要素等のまとめを前半で行っています。
そして、この回から具体的事例を挙げて、プレゼンテーション上の注意点として、同時に二つのことを行い、観客に現象が分かりやすくすることについて説明がなされています。

vol.33:見せ方のポイント(2つのことを同時にしない)
ここでも全巻に引き続き、同時に二つのことを行わず、一つの動作に見えるよう、秘密の動作を感じさせないようすることが、二十世紀シルクや四つ玉、等々の演技を例に挙げ、説明されています。

vol.34:見せ方のポイント(「出現」の表現方法)
マジックで多くある、物が突然出現するマジックについて、間合いの取り方のコツが、ミルクシリンダーや花の出現等の具体的事例にて説明されています。

vol.35:見せ方のポイント(「出現」の表現方法
空中からトランプが出現するミリオンカードを素材として、間合いの取り方、アピールの仕方が説明されております。

vol.38:見せ方のポイント(「出現」の表現方法/現象・動作を強調する
マジックは不思議さを表現するうえで、種の存在を感じさせないようするため、不自然さをできるだけ排除する必要があります。
実例として、ゾンビボール、ロープ切りが挙げられています。
種が分からなくても現象も良く分からない演技になってしまうことがあります。そういった場合に、素材の特性を頭に入れて演出する必要があることが説明されています。
また、おしゃべりしながら行うマジックにおいて、客を適切にコントロールするかの重要性が説明されています。



具体的例についてはある程度ステージ・サロン系のマジックを嗜んだ人でないと言っている意味が分かりにくい部分もありますが、こういった基本的な部分を文章で表現するのは難しく、大体口頭で伝えられる場面が多いため、本シリーズのコラムは貴重な文献となっています。

2016年2月2日火曜日

『奇術を始める人のための演出論』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その5 書籍③

ステージ・サロン系マジックについての全体像について記載した書籍について、私も色々探した時期がありましたが、アマチュアマジシャンの視点で、そういった内容を記載した方がおられました。

現在は休刊となっている、季刊ザ・マジック(東京堂出版)(雑誌発行時点において)横浜マジカルグループ所属の植木將一氏が『奇術を始める人のための演出論』というコラムを14回に亘り連載しておりました。
バックナンバーVol.28、29、30、32、33、34、35、38、41、42、43、46、47、48 に掲載されております。探せばまだバックナンバーあるかもしれませんが、中々ピンポイントでこれだけ集めるのは大変だと思います。この『奇術を始める人のための演出論』だけでもレクチャーノート形式でもいいからまとめて出版していただけると、アマチュアのステージ・サロン系マジック愛好家に役に立つ内容だと思います。是非pdf版でいいから出版してほしいものです。
まあ、あんまり売れないとは思いますが、ぜひ欲しいという人も少数ながらいるということです。

内容はあまり記載すると大体1回4ページですから、ネタバレになってしまうのも著者に悪いため、大雑把に記します。


vol.28:マジックを構成する要素
・内的要素(ハンドリング、手順、視線や角度等)
に関する説明

vol.29:マジックを構成する要素
・内的要素(重心、セリフ、プレゼンテーション等)
に関する説明

vol.30:マジックを構成する要素
・外的要素(テーブル等の道具、衣装、助手、BGM、メーキャップ等) 
に関する説明

といった、ステージ・サロン系マジックを行う上で必要となるマジシャン自身の体の動きや視線の取り方、マジシャン自身を魅力的な物にするための道具や音楽、助手等についての考え方が示されています。
項目だけでも色々な事を考えながらマジックを行わないといけないんだな、ということを再認識させてくれるとともに、考えないといけない項目の整理が付きやすくなります。 
残りの巻については次回以降に続きます。

2016年2月1日月曜日

大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その4 書籍②

ステージ・サロン系マジックを始めるにあたって、本当は基本的な所から学んでステップバイステップで習熟していくのが良いのでしょうが、独学の場合は人に見せるという目的があるので、そんな悠長な方法はとっていられないでしょう。
それにいきなり書籍にお金をかけるのに躊躇するかもしれません。なので、本サイトの記事

大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その2 ネット上の資料

にあるサイトを舐めるように見まくった後に書籍を買ってみましょう。おそらく、ネット上の資料をある程度見ていれば、自分に必要な情報は整理されてると思います。

まずは何はともあれ、ステージ・サロン系のマジックにどんな系統のネタがあるのかを知る必要があります。そのための書籍としては、 カズ・カタヤマ氏によるステージマジック3部作です。出版された年代順に

図解マジックテクニック入門

図解ステージマジック入門

図解マジックパフォーマンス入門
(いずれも東京堂出版) 

がどのようなマジックがあるかを知るためには良いでしょう。もちろん、マジックのミスディレクションやトークの練り方、練習の仕方などが多岐に亘って紹介されています。
この3冊については図解マジックテクニック入門 にサーストンの3原則やミスディレクションについて記載されているので、この本から読み始めるのが良いのでしょうが、ある程度クロースアップで基礎知識のある方はこの3冊であれば興味のある内容どれから読んでも構わないような気がします。

カズ・カタヤマ氏はステージマジックのみならずクロースアップマジックにも精通されており、こういったプロ中のプロがここまで渾身の力を込めて書いた書籍は日本で今後中々出てこないでしょう。実際、マジックの書籍はあまり売れないらしくて、カズ・カタヤマ氏の本でさえ、出版社から『重版はありません』と言われているというのをYoutube動画で見ました。なので、ステージ・サロン系マジックをやろうと思っている方は絶版になる前に購入しておいた方が良いでしょう。

書籍の内容はマニピュレーション系の基礎演目や自作小道具を使ったものまで幅広く取り扱っているので、大雑把なステージマジックの全体像を演目的には把握できるようになると思います。
コラム欄もMr.マリック氏やボールやカードを花に見立てた演技でFISM2位入賞した、ゆみ氏、故人のマーカテンドー氏のインタビューなども掲載され、日本の有名マジシャンの詳細に触れることができる興味深い内容となっています。

カズ・カタヤマ氏の主張は色々ありますが、主として
・自分の演技の台本は挨拶も含めて作っておきましょう
・クロースアップマジック専門で演じるのは構わないが、ステージマジックもできるようにしておきましょう

といったものです。本を読むと何となくクロースアップマジックを下に見ているように感じられるかもしれません。しかし、そういうわけではなく、クロースアップマジックをする上でも、ネタ頼りではなく、ステージマジックのエンタテイメント性やショーマンシップを理解し、そういった内容を反映させて、エンタテイメントとしてクロースアップマジックを演じてください、といったメッセージとなっています。

奇術入門シリーズ ステージマジック 北見マキ著(東京堂出版)
マジック関係の専門書はどうしても質の高い物は東京堂出版に偏ってしまいます。こちらは2015年8月に亡くなられましたが、日本のトッププロであった北見マキ氏が若かりし頃に書いたステージマジックの入門書を基に改定した内容となっています。
なので、結構書籍中に挟んだコラムはプロとしての矜持や若手マジシャンに対する叱咤激励にあふれた強烈な内容となっています。
プロマジシャンになる心構えも記載されており、損得抜きにマジックに熱中して、孤独に耐え、チャンスを生かさないとプロにはなれない、といった、プロ志願の人へのメッセージとなっています。

マジックの選択も、ダンシングケーンやハト出し、マイザーズドリームやフローティング・ボール等、プロが今でも演技しているような内容の初歩的なものまで含まれております。
本内容を書籍だけで理解して演技するのは結構難しい点あるでしょうが、ステージ系演目を理解する上では非常に役立つ書籍となっています。ただし、この本も絶版となっていますので、古本屋かネットオークションで入手するかしてください。
マジックの書籍はあるうちに購入しないとすぐ絶版になってしまいます。

マジック演じ方45 長谷川ミチ著 (小学館)
こちらの書籍も小学校の頃に購入したので、昔は持っていたのですが今は手放してしまいました。 この本で紹介されている道具が作ったり購入できず、また、小学生にとって本だけ見てもあまり面白い内容とも思えなかったので、実演したことはありません。
数年後にはMr.マリックの超魔術が流行り、そちらへ興味が移り、ステージ系については本を持っている、という状態でした。
今であればシルクとかも普通に持っているので、結構できる内容でしたね。ということで元々小学生向けのマジック本となっていた割には本格的なサロン・ステージ系マジックが紹介されていました。こちらも1981年初版で、当然のことながら絶版です。

とまあ、こんな絶版や重版かからない状況で、一般アマチュアマジシャンがステージ・サロン系マジックを始めるには結構制約があります。ただ、逆に言えば、入手しにくい物を入手してしまえば、同じネタをするライバルのマジシャンは少ないので、独自性を出すチャンスでもあります。

ということで、本当にマジック入門者ならこんなサイト見つける根性もないでしょうから、結局はマニアな人しか記事を読まないのではないかというジレンマはありますが、自分の知識の整理用として本ブログを利用していけばいいかな、と思っています。