2016年9月29日木曜日

大人数にマジックを見せる⑥‐1(気楽に練習・披露ができないこと)

大人数に見せるようなサロン・ステージ系マジックを練習するのは、⑤で示したような全身見られて練習するような機会を持ちにくいということを上げました。要するに、練習してそれをフィードバックするための場が持ちにくいのがアマチュアマジシャンの実態です。
さらに、困難なのは、こういったサロン・ステージ系マジックを見せる場が少ないことです。もちろん、マジックしていて、マジック見せて、という人は出てきますが、いつも同じ人にマジックを見せるとなると、クロースアップマジックなら、カードマジックとかであれば、いくらでも新ネタ披露できますが(とはいっても限度はありますが・・・)、サロン・ステージ系マジックの場合、特に音楽に合わせたような内容は簡単には作り上げることが出来ません。(これは別にステージ系マジックがクロースアップマジックより上、と言っているのではなく、クロースアップマジック自体が即席性を重視したエンタテイメントであるためです)。

よって、サロン・ステージ系アマチュアマジシャンとしてやっていくには、違う人から次々と依頼を受けないと、同じ演目を見せられないため、上達できないのですが、違う人からそんなに次々依頼を受ける環境にありません。
その点、プロマジシャンは違うクライアントから大量のオファーを受けるため、同じネタの練度を高めることができ、クオリティーが良くなり、さらに追加依頼を受ける、という好循環が起こります。

なので、アマチュアマジシャンがステージ・サロン系マジックを披露する場がないという点を解決する必要があります。
これは
①どこかのステージ・サロン系マジックに所属して、依頼を受けた先でマジックを披露させてもらう
②自分で営業してマジックショーの出演依頼をもらう
ということが必要になります。

①については、同様のことを考えて、実行に移した人がいて、 
『マジックでボランティア活動をするには
参考:http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n374996
というYahoo知恵袋のノートを記載されています。執筆者は名古屋の方のようで、おそらく、名古屋のあのサークルではないか、という目星はついておりますが、結構同意できる点が多いし、役に立つ記事だと思います。
こちらのノートの作者のサークルについての部分はマジックサークル選択する際にも役に立つと思うため、急きょ予定を変更して、私の所属サークルの場合も真似して書いてみることにします(人のふんどしで相撲を取る記事です)。

サークルの入会費・継続費は必要?
これもサークルそれぞれのようです。マジック教室やレクチャーするサークルでは月謝必要ですが、私の所属サークルでは会費ゼロで、集会の会場費用を参加人数割で徴収しています。会費制にすると金管理が面倒なため、いつもニコニコ現金払いで、宵越しの金はサークルとしては持っていません。

サークルにはどんな人がいるの?
これもクロースアップ系メインか、サロン系メインかで人口分布が相当変わります。サロン系メインだと、ほぼ定年退職後の方メインのようになります。クロースアップ系メインのサークルは存在しているのでしょうが、そんな大規模では無いようです。比較的年齢層が若く、学生さんも多数いたりします。
ちなみに私の所は20代~50代サラリーマン、自営業の方、定年退職された方と年齢層は広めですが、学生さんはめったに来ません。

マジックは沢山出来ないと駄目?
もちろんたくさん出来るに越したことはありませんが、トークが得意人なら喋りだけでも十分ですし、タレント級のルックスに自信のある方なら、マジックせずに、もはや最後に決めポーズ決めるだけでも受けます。
そうでない方はある程度マジックも練習された方が良いでしょう。
サロン系マジックの依頼を受けた場合なら5~10分(1~3ネタ位かな?)くらいこなしてもらえれば、他の人が穴埋めしてくれます。

お金は貰えるの?
これも調べると、ボランティアと言っても交通費は別途、とか、交通費も自腹で行く、とか色々定義があるようですが、交通費辺りまで支給いただく分にはボランティアの許容範囲のようです。
所属サークルでは交通費は必要と明言してあるので、もらう費用は行き先の距離にほぼ比例します(プラスαある場合もまれに存在しますが)。一応300円から15000円くらいまではもらったことがあります。他の人ではもっともらったことのある方もおられるようです。お茶、お菓子は結構いただくことが多いですし、お土産をいただいてしまうことも割とあります。

どんな所で披露しているの?
これも知恵袋の作者のサークルと同様です。所属サークル実績を書きますと、
保育園⇒ありました。
小学生低学年~高学年が集まる子供会(小さな公民館や広い体育館だったりします)⇒ありました。
婦人会⇒ありました。
デイサービス(老人ホーム)⇒ありました。
中古車ショップでのイベント⇒ありました。
イオン(大型スーパー)のイベント等⇒イオンではありませんがありました。
これ以外に、学祭、企業イベント、結婚式(もちろん全然無関係の方のです)といった依頼がありました。
一番多いのはデイサービス等の高齢者向けイベントでした。 


何分ぐらい演技するの?
もちろん依頼者により異なりますが、所属サークルでは15分から、マジックレクチャー込で2時間といったものまでありました。
多いのは30分までのものですが、1人当たり15~30分くらいの演技で行っています。30分くらいだと1人か2人か出演者の都合と必要交通費考慮して決めています。
慣れないうちは5分くらいで体験してもらうような形をとっています。


何か脱線部分が想像以上に長くなったので、さらに次回以降に続けます。


2016年9月28日水曜日

大人数にマジックを見せる⑤(全身を見られるということの練習が難しいこと)

クロースアップマジックでは、どちらかというと、見破ってやろう感満載の、目と鼻の先で奇跡を起こすので、結構技術面が上手くないと、マジックになりません。そういう意味では非常に厳しい環境にあります。
しかし、どちらかというと、手先の器用さ、ミスディレクションのタイミング的なもの、トークしながらの動きをマスターしてしまえば、多少挙動不審な動きをしていても、皆が手先に集中しているため、あまり問題になりません。

サロン系マジックとか大人数の前でマジックを行う場合、マニピュレーション系のバリバリ技術力が必要な演目以外では、どちらかというと、技術的難しさは低いです。その代り、大人数に見せる場合に、観客に指示したいことや、見てもらいたい現象を身体だけで表現することは非常に困難です。もちろん、市販のDVDを真似て練習すれば、不思議と思われる現象を再現することはできますが、それだけで素晴らしいマジックになるかというと、なりません。
対象となるものを指し示し、今から現象が起こるよ、というところで体を止め、体の体重移動をするときも、滑らかに動いているように見せながら、なおかつ、ちょっとオーバー目にアクションを止めてから注目を集め、現象を起こす、ということをしないといけません。これを適当に現象だけ素早い動きをしてしまうと、観客からは早すぎて何が起こったか現象を消化しきるまえに終わってしまうことになりかねません。

こういった全身の動きを一人でマスターすることは非常に難しいです。 なので、全身を見てもらって練習するには
①他のマジシャンに見てもらって練習する
②全身鏡のあるダンススタジオ等で練習する
③動画に撮影して自分で反省しながら練習する
という方法を取る必要があります。

言うのは簡単ですが、実際に①~③の環境を用意して練習することは困難を伴いますので、サロン・ステージ系マジックを行う人がクロースアップ系マジシャンに比べて、アマチュアの分野では少ない理由となっています。

2016年9月27日火曜日

大人数にマジックを見せる難しさ④(持っていくのが大変なこと)

あなたはマジックの道具を購入するときどうしているでしょうか? 実店舗の実演を観てから購入しているでしょうか、それとも、ネットショップで演技動画を観て購入しているでしょうか。ステージ系マジックの場合、ショップで実演するには距離が足りなかったり、消耗品を使ったりするため、してもらえないことがほとんどです。よって、ネットショップで動画だけ見て購入すると、色々問題が出てきます。角度的制約が大きく、自分が演技する場所では使えない、とか、準備が大変すぎて使えないとか出てきます。

あと、実際に人前でマジックする経験のない方には分からないでしょうが、道具のサイズは
①家から現地への移動
②現地の控室から演技場所への移動
③保管スペースの確保
④練習する際のサイズ感の確認
等を気にする必要があります。

①について、自動車で移動する人なら、多少荷物の数が増えても問題ないでしょうが、電車やバスで移動する場合、持っていける荷物に限度があります。なので、道具を購入する場合には自分のカバンサイズと道具の縦横高さ寸法を確認しておかないと、良い道具なんだけど、カバンに入らない、ということが起こります。
またサイズは入っても、重い道具だと、キャリーバック転がすだけでも結構大変です。
たいてい大人数にマジックを見せる場合は複数のマジックを行う必要があるので、パックスモールプレイビック、という荷物少なく、大きく見える演目を行うよう心がける必要があります。
とはいえ、そういった演目は他のマジシャンもレパートリーにしている場合も多いため、小さくなるけど、技術的に難しいとか、お金がかかるとか、道具自作しないといけないとか、技術は不要だが結構色々手順覚えることがあるとか、人の選ばなさそうなものを選択肢に入れる必要があります。

②については実際にやってみないと分からないことですが、控室から会場が遠いことや、階段上り降りしないといけない場合があります。特に屋外会場の場合、控室は室内の会議室とかなので、ひどいときは100mくらい道具を持って移動しなければなりません。テーブル2つくらいなら気合いで持っていけないこともないですが、それ以上道具が増えると、一回で会場まで持っていくのは難しいです。なので、マジックテーブルでもキャスター付きのものにしたり、市販のワゴンを利用したり、と機動力のあるテーブルを準備した方が良いです。どうしても余分にテーブル必要な場合は、折りたたみできるフォールディングテーブルという物を使ったりしますが、結構ふにゃふにゃなので、バランスは悪いです。

③ですが、これは普通にキャリーバックで持っていけるようなものならまず問題はありませんが、イリュージョン道具を勢いで買ってしまった、というような場合は、相当場所を取ります。
普通のサロンマジック用の道具も本能の赴くままに購入してしまうと、そのうち、他のマジック道具に埋もれてしまい、日の目を見ることのなくなってしまう道具も多数です。最終的には既に購入していることすら忘れてしまい、もう一度同じ道具を購入してしまったりすることさえあります。

④も、普段は折りたたんだりしてコンパクトでも、広げると結構場所を取るものも存在します。そういう道具を使ったマジックを練習する場合、スペースが少ないと、広げて通し練習することも一苦労です。
まあ大きなおうちやダンススタジオみたいな全面鏡張りの部屋をお持ちであれば、問題はありませんが。


こういうことを気にしながらサロン・ステージ系マジシャンは荷物を準備しているので、表現できるマジックの現象と物理的移動困難さのバランスを取りながら、現象面を犠牲にしてマジックショーを行っています。
アマチュアマジシャンでもそういった制約が無ければ、鳩でも九官鳥でも出しまくり、美女を浮遊させたり、かごから美女を出現させたりとか何でもできるのですが、理想は半値八掛け以上のディスカウントで人前にてマジックを見せていくこととなります。


もはや何の話か分からないですが、コンパクトで、テーブル一つに載せられる範囲の道具でマジックをしないと、ステージ・サロン系マジックで人前にて見せるのは一人の力では困難だ、ということです。

2016年9月26日月曜日

大人数にマジックを見せる難しさ③お金がかかること

多かれ少なかれ、どんな趣味でもお金はかかるものです。楽器でもピアノも最初は電子ピアノとかでもいいでしょうが、本格的に演奏家への道を歩むなら、超高価なグランドピアノを購入し、著名な先生に高い謝礼を払い教わったりするので、とてつもないお金がかかります。
フィギアスケートなど、日本にスケートリンク自体ほとんどないため、施設費だけでも馬鹿にならず、金持ちのスポーツとなっています。
しかし、マラソンやジョギングのようにシューズ代にせいぜい大会参加費さえあれば、後は個人の練習努力のみ、といった分野も存在します。

マジックの場合、クロースアップマジックにするかステージマジックをメインにするか、サロンマジックを選ぶかでかかる費用も変わってきます。

クロースアップ
コインマジックなら、最初にシルバーハーフダラー数枚購入しておけば、それ以外ギミックコインに走らなければかかりません。(もちろんDVDや書籍は必要に応じて購入必要ですが)。
カードマジックの場合、バイシクルトランプを用いると、1デック400円~600円程度はかかるので、カードの傷みやすい技法やフラリッシュを行いたい場合、毎日練習すると2~3日に1デック消費する人もいるでしょうが、そんなハードなことをしなければもう少し長持ちします。
ということで、クロースアップマジックは比較的お金がかからず、若い人の愛好家も多いです。

ステージマジック
ピンキリですが、大舞台でのステージとなると、それなりの見栄えのする道具と衣装が必要になります。
マジック用のテーブルでも市販品で3万円以上したりします。シルクのハンカチとかも60㎝角や90㎝角の大きなものだと1枚1000円程度したりするので、大量に使うと、消耗品なので、結構財布に厳しくなります。ちょっとした取り出し道具やプロダクション手順物を購入するとすぐに万札が飛んでいきます。
イリュージョンになると頭に剣を刺すヘッドレスクィーンやフローティングテーブルとかが安くて3万程度、チェアーサスペンションやヒンズーバスケット、リングイリュージョンといった物が比較的大き目のイリュージョンとしては安く、10~20万程度、プロの使うようなファイヤーケージ、人体浮遊、その他本格的イリュージョンだと、50万くらいから数百万、1千万を超える物も存在します。もちろんイリュージョンの場合、移動がトラックとなりますので、輸送費も馬鹿になりません。
この辺りのことについては私も大雑把なことしかわかりませんが、 アシスタントも雇う必要が出てきて、いくらお金があっても足りません。よって、イリュージョンはほぼプロマジシャンしか行わないのが実態です。

サロンマジック
こちらもステージマジックでイリュージョンや照明等を使わない程度の大き目のマジックが対象となります。
やはり道具は大きめなので、クロースアップで使用するものよりは高めとなります。
マジックテーブルを自前で用意して、それなりのマジシャン風スタイルで演技する場合は、テーブル、トップハット、それなりの見栄えのする道具数点揃えて30分くらい演技しようとすれば、10万近くは覚悟しておかないといけないでしょう。
しかし、お金があまりなくても、ロープ、新聞紙、カメレオンシルク、ポケットリングくらいで立ってマジックすれば、サロンでも十分通用し、テーブルも会場で長テーブル用意してもらえば、3000~4000円くらいで30分くらい演技することも可能です。


結論的な内容はありませんが、いかにもマジシャンらしく、しかもよくTVで見るような派手な内容でマジックを大人数の前で見せる場合には非常にお金がかかりますが、工夫すれば、安くで大人数にマジックを見せることは可能です。ただし、その分、あなたがイメージしている格好いいマジシャンとして、周りから注目を浴び、モテまくる、というスタイルからはほど遠くなるでしょう。
お金が無ければ、やるマジックを色々工夫するなり、同等品を100均にて購入して自作するなり、自助努力を行ってください。

2016年9月25日日曜日

大人数にマジックを見せる難しさ②趣味人口が少ないこと

手品が趣味という人は実際どれくらいいるのでしょうか。手品を多少なりともなんかできる、という人は意外といるような気もしますが、どっぷりとマジックに入り浸って、人前でも堂々とマジックを見せています、という人になると激減してしまうような気がします。
政府の趣味調査等があればいいのですが、実際には手品、という項目は存在しておらず、不明です。
カードゲームという分類で推定9万8千人とのことのようです。
参考:http://h.magician.tokyo/2014/01/hobby-is-magic.html

他に、マジック人口の推定をしているサイトで、147,000人という数値を出している所があります。
参考:http://ishiken55.exblog.jp/24846758/

非常識なマジック入門講座としてもフェルミ推計を行い、マジック人口を予想してみたいと思います。

①マジックショップ生存状態からのマジシャン人口推計
本ブログにて紹介しているネットショップは24ありますが、実際にはこれ以外のマジックショップもあるし、休止中のマジックショップもあります。現在、マジックショップ専業で成り立っていると予想されるショップは約30程度と予想されます。
売り上げの大きなショップも存在していますが、ほとんどが個人経営に近い状況と考え、年間粗利800万円と想定します(家賃、アルバイト代、光熱費込み)。マジック商品をメーカーからの卸販売メインと想定すると、せいぜい粗利率30%程度と想定し、平均ネットショップ売り上げは 800万円÷0.3≒2667万円
これが30ショップあるので、ネットショップ業界年間売り上げは
2667万円×30≒8億円
クロースアップ含め、趣味としてマジック道具購入に掛ける金額を年間1万円と仮定しても(トランプ購入やコインマンのように一度買うとあまり物を買わなくて済む人も含んでいると仮定)
8億円÷1万円/人=8万人 
ということで、活動しているマジシャン数は10万人切るレベルだと予想されます。金のかかるステージ系マジシャンの数はさらに少数派だと予想されます。

②マジックサークル数からのステージ・サロン系マジシャン人口推定
関西奇術連合会という、ステージ・サロン系マジックを行う団体があります。
参考:http://www.kankiren.jp/dantai/dantai.html
こちらの正会員で、 近畿二府四県に存在すると思われるサークルは42個あります。もちろん、未所属でステージ・サロン系マジックを行っている所も私の所属しているサークル等存在していますが、仮に42個のサークル平均20人在籍と仮定し、
42×20=840人
となり、まあおおざっぱに1000人くらいステージ・サロンマジシャンがいると推定できます。
2015年国勢調査で近畿二府四県人口は 約2073万人
2016年日本の人口は約12700万人ですので
参考http://www.stat.go.jp/data/jinsui/
参考:http://blog.livedoor.jp/veritedesu/archives/1911292.html

近畿二府四県の約6倍の人口が日本の総人口となります。
これより、ステージ・サロンマジシャン人口は
1000×6=6000人 
程度いるのではないかという推定となりました。

①②より、ステージ・サロン系マジシャンは
6000÷80000×100=7.5(%)
ということで1割を切る程度の少数派ということが予想されます。



このようにステージ・サロン系マジシャンの人口と割合を推計してきましたが、これだけ人口が少なそうだと、ステージマジックのサークルや趣味でやっている知り合いを見つけるのは相当困難だということです。
しかも、上記に挙げた関西奇術連合会に所属しているサークルでもHP持っていないところも多く、連絡先が良く分からないところさえあります。
なので、適切なHPを作りさえすれば、それなりに参加したいという人から連絡来る可能性が高いですが、ステージ系マジックサークルは平均年齢が高いようで、HP作成の敷居が高いようです。よって、大人数に見せるための依頼を受けるサークルを作りたい場合はHP作成し、活動をまめに記事にアップしてSEO対策すれば、それだけで地域No.1の目立つマジックサークルが出来上がります。

興味があったり、人気記事になるようでしたら、その具体的方法についても秘密を明かしたいと思います(人気無いようなら、書くモチベーションも上がりませんので作成しませんが)。

2016年9月24日土曜日

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第12巻) 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)DVD

さぼりにサボりまくった人前で見せるための資料が少ないことDVD記事シリーズもやっと『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第12巻) 本格カードマニピュレーション編 ということで最終巻に辿り着きました。
いわゆるミリオンカードと呼ばれる、手からトランプがいっぱい出てくる本格的なステージカードマジックの解説となります。実際に解説されても、手が慣れるまで時間がかかるため、すぐに実演できるわけではありませんが、マスターすれば、マジックショーで引っ張りだことなるでしょう。 
技法の説明が種そのもののようになってしまうので、ちょっと言いにくいのですが、実際に動きを見ないとできないからネタバレではないということで、良しとしておきましょう。


・カードマニピュレーションについて
・使用するカードについて
実演時にはろうを塗った専用の薄いカードを使いますが、練習時には手の筋肉を鍛えるため、普通のBicycleのカード等を用います。
・ファンカード技法のおさらい
第3巻で学んだファンカードの技法を復習します。

ステップ1 バック&フロントパーム
・バックパーム
ミリオンカードの基本中の基本となる技法です。読んで字のごとくの技法です。
・フロントパームへの移行
バックパームの状態からフロントパームへ移す練習を行います。
・小手返し
バックパームからフロントパームへの移行を利用することにより、手の裏表にカードが無いことを示す技法です。
・カードの出現方法
バックパームした状態から、カードが突然出現したように見える方法を3種類説明しています。
・1枚での練習方法

ステップ2 複数枚のバック&フロントパーム
・1枚ずつのバックパーム
カードを次々にバックパームしていく技法の説明です。
・1枚ずつの出現
複数枚バックパームしたカードを1枚ずつ取り出していく技法の説明です。
・ファンの消失・出現
片手正ファンに開いた数枚のカードをバックパームし、またファン状へ広げて出現させる技法の説明です。
・複数枚の小手返し
複数枚のカードをバック・フロントパームすることにより小手返しするとカードがずれてきます。それを防止するための説明が行われています。 
・複数枚での練習方法

ステップ3 様々な技法
・クラシックパーム
カードを1枚デックからクラシックパームする方法が説明されています。
・テンカイパーム
ジャンボコインを隠すのに良く用いられますが、カードでも展開パームを用いることがあります。
指先から1枚テンカイパームの位置へ持ってくることもできます。
・プレッシャーパーム
3本の指と親指で圧力掛けながらパームする方法です。展開パームの位置への移動が可能です。手の甲からは見えなくなっています。
・フィンガーホールド
テンカイパームから逆の手に渡す時に持つ持ち方として使われます。
・ピポット・カード・バニッシュ
左手の中にカードを入れて行きますが、左手からカードが消えて、別の場所から右手よりカードが出現するという、一種のフェイクパスです。
・バードケージバニッシュ
鳥かごの消失のような形で両手でカードを持ちながら、カードを消す技法です。
※技法関係はネタバレ防止のため、わざと分かりにくい説明のままにしておりますので、ご了承ください。 
・技法の練習
基本はバック&フロントパームからの流れで練習します。

ステップ4 手順の実際
・空手カード
選んでもらったトランプを元のデックに戻してもらいます。トランプを空中に投げて一枚カードをマジシャンがつかみます。そのカードが観客の選んだトランプです。トップパーム、フロントパーム、バックパームから、1枚出しの技法を利用して客のカードを出現させます。
・6枚カードの手順
6枚のカードを一枚ずつ消していきます。全部消した後、1枚出現させると、残り5枚は反対の手から出現します。
6枚のトランプをピポットバニッシュした後、ファンにします。だんだんファンが小さくなってきますが、最後はファンがシルクに変化してしまいます。 
昔からある手順は5枚カードと呼ばれるものですが、カズ・カタヤマ氏が新たに手順を構築した物です。準備も少なく、コンパクトですが、サロンマジックで演じられる手順となっています。

ステップ5 ミリオンカードの基礎
・スプリットファン
 ミリオンカード用の薄いカード20枚くらい使って行います。ファンに広げたカードが次から次へと捨てても出現する技法です。ミリオンカードの基本的技法となります。相当練習が必要です。
・シルクからのファンの出現
ポケットから取り出したシルクよりカードがファン状に出てきます。ファンを捨てても捨ててもファンが出てきます。 
スプリットファンを使ったミリオンカードの原型的演技です。
・左手からの1枚出し
カードを両手から出そうとするのに、左手から素早く出すための技法が説明されています。
・ワンデックでのミリオンカード
前半は第3巻で解説されていたファンカードの手順を基に組み立てたルーチンで、後半は両手から1枚ずつカードを取り出した後、ファン状で両手にカードを出現させて終わります。
ミリオンカードの練習用手順ですが、本格的なミリオンカードとなっています。
実際にショーやコンテストで手順を組む場合、もう少し色々な技法やカードの補充を行う必要出てきますが、本ルーチンをマスターすることが入門者にとってミリオンカードをマスターするための目標とすればよいでしょう。

“ステージマジック基礎講座⑫”はステージマジック上達十ヶ条となります。
内容は色々説明されていますが、練習することはもちろん、舞台での見た目や印象を上げるための工夫が挙げられています。
人の真似やパクリは絶対やめましょう、と強調されています。本シリーズのマジックを参考にしながら自分なりの工夫を凝らすことの大切さが述べられています。
またマジック以外の芸能についても興味を持ち、幅を広げよう、ということも大事であると主張されています。

結局、マジックは既存の道具や動画、書籍を参考にすれば、何となく形にはなりますが、自分の頭を使って表現することをしないと、別にマジックする人があなたでなくても誰でもいい、ということになり、個性という物が無くなってしまうように思います。
受けるネタを買いあさり、それで演技するのも良いですが、人前で演技して、色々な良い反応や凹むくらい厳しい反応を受け、それを基に反省していき、自分だけのマジックを構築して、大人数にマジック見せることを楽しんでください。

そのための有力な資料が『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』シリーズ12巻であり、これをそのまま演じる必要はありません。
マジックは奥深くて人前で演じるのが嫌になることも出てきますが、くじけず、頑張ってみてください。 

2016年9月23日金曜日

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第11巻) 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)DVD

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第11巻)は本格スライハンド四つ玉編です。

四つ玉と言えば、19世紀末にフランスのボーディエ・ド・コルタというマジシャンが発明したジャンルですが、現在ではシェルと呼ばれるギミックを利用して様々な技法や演出方法が開発されてきました。様々な手先の使い方、角度の使い方、表現方法が学べるマジックのため、かつてはマジック入門用として四つ玉が用いられたりしました。

日本の大学生による、いわゆる学生マジックというステージマジックの分野では今でも見かけますが、その他アマチュア、プロマジシャンで演技する人は少なくなりました。理由は難易度が高く、練習量が膨大に必要なこともありますが、どちらかというと、角度の制約が大きく、演技場所の制約が大きいことが挙げられます。
難易度に関していえば、昔の木製の滑りやすいボールから、現在ではシリコン製の滑りにくい素材の物も開発されており、取り扱いやすくなっております。

本DVDでは四つ玉の基礎から学べるよう、基本技法から基本手順、応用手順、ケーンを用いた発展手順というように、カズ・カタヤマ氏が組んだルーチンが説明されています。メインは3ボール1シェルの内容となっています。ダブルシェルやトリプルシェルといった発展技法については説明されておりませんので、他の資料に当たる必要がありますが、実際にアマチュアが実演する場合は本内容をマスターすれば、十分本格的マジシャンとみなされるでしょう。

ステップ1 基本編
・基礎知識
四つ玉の色やサイズについて等、基本的な知識の説明をしています。 
・基本技法のおさらい
第4巻(パーム)、第7巻(フェイクパス)というのが説明されていましたが、ボールに関してそれらの技法のおさらいをします。
・シェルとその扱い方
四つ玉マジックの基本ギミックであるシェルを自然に見えるようにできる扱い方について説明しています。
・シェルによるボールの増減
シェルを利用してボールを1個から2個へ増やしたり2個のボールを1個に減らしたりする技法の説明です。
・シェルへのロードとスチール
 シェルにボールを送り込むための説明です。これができると、一つのボールが最終的に4つに増える四つ玉の基本手順となります。現象を起こす時も一方向だけでなく、正面でも行うようすると、演技に変化が出ます。
・見せ方と立ち方
四つ玉はボールを横に持ちますが、立つときは正面を向くようにする必要があります。
・(手順1)四つ玉基本手順
一つのボールが二つに増えます。体や手、肘を貫通しながらボールが移動しますが、ボールが二個、三個、最終的には四個に増える手順です。入門者向きの練習手順です。
・テーブルを使わない方法
テーブルを用いず、ポケットにボールを入れておいて行う方法の説明です。基本的流れは(手順1)と同じです。
・減少していくボール
片手に四つ持ったボールが一個ずつ消えていき、最後にはボールが無くなる手順です。(手順1)とは逆の現象です。
・シルクになるエンディング
四つ玉の移動現象を行い、最後に移動したあと、ボールがシルクに変化しています。

ステップ2 応用編
・シェルのあらため
シェルを使ってボールを2個に増やし、裏面も改める技法です。ボールを落としやすいため、結構練習が必要です 
・ (手順2)四つ玉応用手順
シェルのあらためを用いた四つ玉の応用手順となっています。3ボール1シェルの手順ですが、1個のボールが4個まで増え、そのボールがまた1個に減り、最後は一気に4個のボールになります。
第1段から第3段にて構成されていますが、基本手順と比べて、難易度激ムズです。この応用手順ができれば、裏表改めや一気に4個に増やしたりできるため、マニアでも不思議な感じがするでしょう。もはや入門講座とは言えない動きとなっています。
おそらく、全12巻のマジックの中で最も難しく、練習が必要だと思われます。

ステップ3 発展編
・(手順3)ケーンとボールの手順
ケーン(マジシャンのよく使うステッキ)が白と黒のハンカチに変わり、白いハンカチからボールが出てきます。シルクの後ろからボールが次々出てきます。四個のボールが一個になり、再び瞬時に四個に戻ります。ボールを捨てて最後の一個がシルクのハンカチになり、それが最終的にケーンになって終わります。
ケーンとシルクを用いることにより、四つ玉だけの単調さを補い、十分プロマジシャンのトリにも使える手順となっています。実際にカズ・カタヤマ氏が舞台で演じている内容を踏まえて再構築されているようです。
・バニシングケーンの扱い方/・アピアリングケーンの扱い方/ケーンの回し方
バニシングケーン、アピアリングケーンのセッティングについて説明されています。 意外と道具は持っていても、きちんとした説明は少ないため、貴重な映像資料となっています。また、ケーンをきれいに回転させる方法が説明されています。


“ステージマジック基礎講座⑪”はマジックショーにおける手順の構成となっています。初心者の場合はあまり長い時間マジックを行うのは好ましくないですが、実際にマジックショーの依頼を受けて行う場合、10分や20分演じる必要が出てくるため、複数のマジックを組み合わせてショーを構成することになります。
ただ、上手くなっても、適当にできるマジックを連続して行えばいいというものではありません。日本でマジックショーを行う場合、起承転結を考えて、オープニングは分かりやすい物を選びます。最初のマジックでマジックショーの命運が決まりますので重要となります。次にそのマジックの流れに乗ってマジックを行います。慣れてきたら、トークマジック等で変化させて、飽きさせないようします。最後にトリネタとなり、全体を締めくくる派手な物やボリュームのあるマジックを行います。マジシャンを象徴するような盛り上げるマジックを選びます。
今までに習ってきたマジックを具体例に挙げ、構成について説明されています。
BGMを掛けて行うマジックは15分程度が限界であり、それより長くなると、トークマジックを行っていく必要が出てきます。しかし、不思議だけでなく、お客さんが興味を引きつけられる内容にしないといけないですが、この辺はマニュアル的に決まったものはなく、マジシャンそれぞれ実演を経て、経験を積んでいき、自分なりのマジックショーを構成していかないといけないでしょう。


本シリーズも後半になるとだんだん難易度が上がって来ますが、人前で見せるマジックを習う上では役立つ情報が満載だと思います。
 

2016年9月21日水曜日

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第10巻) 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)DVD

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第10巻)は
本格スライハンドシンブル編 となります。

入門講座シリーズも後半になると本格的なスライハンドシリーズが続きますが、意外と基本的なスライハンドを入門から教えてくれる動画は少ないです(もちろん存在はしているのですが)。

今回はシンブルという、元々西洋で指ぬきとして使われていた物が現在ではマジック専用の物が製造された物を使います。

シンブルは比較的安価で、角度にも強いので、実際にサロンマジックの演目としては優れていると思います。
学生マジックでも割と見かけますが、結構大舞台の場合、現象自体はカラーチェンジなどわかるのですが、扱う物が小さいだけに、地味に感じられてしまいます。
シンブルならクロースアップでもできるはずです(やる人はあまりいませんが)。

シンブルの基本技法
人差し指にはめたシンブルのパーム各種の説明から始まり、1本のシンブルを消す、基本的なシンブルの消失・出現方法、握り取ったはずのシンブルが、両手に無いことを示す改めが説明されています。体の向きや角度を注意しながら行うことについて細かく説明されています。
練習手順1として、1本のシンブルを出したり消したりして、最後に白いシルクのハンカチになる手順が説明されています。
 
シンブルの基本技法の応用
・リテンション効果の消失法:右手のシンブルを左手で握ったはずなのに、左手から消える方法の説明です。
・親指でのパス:右手人差し指にはめたシンブルを左手に完全に握ります。右手は空であることを示しますが、左手の甲を撫でていると、右手人差し指からシンブルが再び出現します。
・ハンカチの中での消失・出現:ハンカチの中に取ったはずのシンブルが消えます。左手にハンカチを掛けると、消えたはずのシンブルが左手人差し指に現れます。
・ハンカチを貫通するシンブル:人差し指にシンブルをはめた状態でハンカチを掛けます。しかし、ハンカチを貫通してシンブルが出現します。 
・練習手順2: 基本技法の応用で学んだことを手順化したハンカチとシンブルの手順です。最後にシンブルが4つ指に出現します。
 
カラーシンブル
・逆手での消失法:左手の親指を下にした状態で右手のシンブルを上部から裏側へ取るような動きでシンブルを消失させます。
・カラーチェンジ1:右手の人差し指を左手に握ります。左手から右手を外すと、シンブルの色が変わっています。
・カラーチェンジ2: 逆手を使ったシンブルの色変わりです。
・練習手順3:カラーチェンジの手順です。白いシンブルが赤に変わります。シンブルがさらに青⇒黄⇒ピンクと次々変化していきます。最後には各種カラーシンブルが右手4本の指に出現します。
カラフルで美しい手順です。

複数のシンブルの取り扱い
・シンブルのエクスチェンジ:人差し指のシンブルを取ってポケットに入れても次々と人差し指から出現してきます。
・飛行するシンブル:シンブルが右手、左手と行ったり来たりします。最後は右手から四本のシンブルが出現します。
・四本の再出現:四本のシンブルを帽子の中に捨てますが、再び四本のシンブルが出現します。
・練習手順4:シンブルのエクスチェンジ、飛行するシンブル、四本の再出現を組み合わせた手順です。四本シンブルの本格的な手順となっています。 

ホルダーとその応用
シンブルを保持するための小道具をホルダーと言います。各種ホルダーの作り方から扱いについて説明されています。

ステージ用参考手順
練習手順1~4とホルダーを利用してステージ用に構成した5分ほどのシンブルルーチンとなっています。シンブル19個使います。シンブルだけで5分の演技となると、ちょっと長い気もしますが、最後は四本シンブルの再出現を繰り返しながら、両手にカラーシンブルが現れるという、格好いいルーチンとなっています。
好みに合わせてルーチンを組みなおしていくと良いでしょう。また、他のマジックと組み合わせることも可能です。 

“ステージマジック基礎講座⑩”はルーティーンの組み方です。マジシャンの個性や特徴を出すために、どういった流れでマジックを行うか、どういう技法を組み合わせてマジックにするか、ということは重要です。
一応、自分の好きにルーティーンを組めばいいのですが、お客さんが飽きないようにする必要があるので、起承転結、序破急等の流れを考えて構成した方が良いです。