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2017年6月13日火曜日

ふじいあきらマジックショー鑑賞 再び

以前にも記事投稿しましたが、2017年5月28日に再びふじいいあきらマジックショーを鑑賞しに行きました。少し前の内容になりますが、記事にしておきます。

2年ぶりのふじいさんのマジックショーですが、懲りずにおひとり様で鑑賞します。カードシャークでの開催、15時スタートの第二部で、 始まるまではビールやソフトドリンクをたらふく飲んで、本番に備えておきます。マジックショーは前半、後半の二部構成となっていました。

アロハシャツスタイルのふじいさんは最初にマジックを観る時の注意事項3原則①触らない、②見破らない、③報告しない、をコミカルに説明し笑いを取ります。
オープニングマジックはロープを取り出し、結び目を作り、手で揉むと結び目が消えます。『現象が地味ですね。もっと派手にしましょう』と大き目の結び目を作り、今度は結び目がロープから外れて輪っかがそのまま取れてしまいます。

続いては小さなお椀風の物を3つ取り出し、小さな豆を入れて、どこに移動するか当てるスリーシェルゲームを行います。最後はグラスを被せて絶対移動させられない状態にしますが、それでも当たりません。気づくと、空のグラスの下に豆が移動してしまいます。
 コインを取り出し3フライのマジックからジャンボコインに変化したかと思うと、再び普通のコインになり、またジャンボコインに変化します。滅茶苦茶上手いので、本当に小さなコインが伸びて行ったようにしか見えません。
ここまで圧倒的な現象で観客を虜にした後、ようやくカードマジックとなります。2人のお客さんにカードを引いてもらいます。戻してもらったのち、1人目のお客さんのカードはテーブルに広げてお客さんに1枚触ってもらうと、それがお客さんのカードです。この後1人目のお客さんのカードがいつの間にかカードケースの下に移動しています。ちょっと残念ながら私の目の前近くにカードケースがあったため、置く瞬間に気付いてしまったのは私の目が腐っていたせいでしょう。
続いて2人目のお客さんのカードは裏表バラバラにシャッフルした後に1枚だけ裏向きになっており、それが2人目のお客さんのカードです。割とクラシカルなダイバーノンの方法っぽい感じですが、本当の所は良く分かりません。
前半最後は袋を取り出し卵を入れますが、柿が出てきたりするコミカルなエッグバッグです。最後は卵ではなくショットグラスに入ったお茶が袋から出てきて拍手喝采です。あんまり他の人で柿とか使う人見たことないので、ふじいさんのオリジナルなのでしょうか。これもそこまで文献見たわけでないので分かりません。


後半はストロー2本を使ったリンキング現象です。目の前、角度横でも何のその、貫通したり、抜けたりを繰り返します。後ろ向きで見せます、と言いながら全く現象そのものが見えない等のギャグを入れながらいい感じに演じます。ふじいさんも最近は禁煙したということで煙草ではなく、ストローやボルトで本マジックを行っているようです。
次にお客さんに手伝ってもらうマジックになります。1人のお客さんだけ後ろ向きになってもらい、 他のお客さんに袋の中の果物を見せます。トランプもすべて同じ果物の絵が描いてあります。1人のお客さんに前に向き直してもらいトランプを選んでもらいます。当然他のお客さんが見た果物と思いきや、別の果物の絵になっています。袋の中を見るとそれと同じ果物に変化しています。
引き続き予言の書のマジックです。最近市販されている物っぽいですが、現物持ってないので詳細は分かりません。赤裏と青裏のトランプをごちゃごちゃに混ぜます。適当に混ぜたはずなのですが、裏向きの赤トランプの枚数、表向きのトランプの枚数、表向きの数字が全て奇数と当てていき、1枚だけ偶数なのがスペードの4と最終的に1枚を見事的中させます。
ちょっと小ネタになり、小さい手鏡を用いたパドルマジックで、鏡にミッキーさんの柄が出現し、最後はミッキー人形が立体となって出現します。
ハンカチを2枚使い、結んでしまいますが、お客さんに渡そうとした時にはいつの間にかほどけてしまうスライディーニシルクのマジック。
最後はルービックキューブを用いたマジックで、途中は意外な揃え方で驚きを与えますが、最終的には片手であっという間に六面完成させます。
以上1時間近くのマジックショーでしたが、何度見ても時間はあっという間に経ってしまう濃厚なマジックショーでした。

ふじいあきらさんはトランプマジックがメインという印象ですが、クラシックなクロースアップマジックを自分なりのスタイルに工夫されて演じていることが多いです。2年前と同じ内容のマジックも多いですが、何度見てもリピーターが付くようなマジックを自分も演じられるようになれたらいいな、と感じました。

最後はふじいあきらさんと記念撮影会となり、何故か他のカップルさんの写真を私が撮ってあげていました。


こういったバーでクロースアップマジックを観る場合の注意点として、演者前に座っているお客さんは肘をテーブルについて、首を掌に載せたような恰好をしていると、遠くのお客さんが現象全く見えなくなるので止めた方が良いです。
 マニアの方もふじいさんに技法やってもらうのは良いですが、他のお客さんも写真撮りたがっていた方がいっぱいいたので、そういった自己満足は後でたっぷりやるようにした方が良いと思います。

また見る機会があれば見てみたいと思います。

2015年9月20日日曜日

リフレクションズ by ヘルダー・ギマレス 

久しぶりに書籍のレビューとなります。
ヘルダー・ギマレス(Hélder Guimarães)はFISM2006で、ポルトガル人初となるカード部門第1位入賞を果たします。

DVDではSmall Miracles、Red Mirrorといったものが既に発行されています。
他に彼はTEDに『マジックでたどる「偶然」を探す旅』と題して出演しております。リンク先で、日本語字幕付きの動画を見ることができます。

リフレクションズ(REFLECTIONS)は彼の作品を作る時の発想する術と、実際のサトルティの工夫、いかに現象が起こるのと、ダーティーワークを行うタイミングをずらすかの戦略について、彼の持ちネタにおいて説明していくという、クロースアップマジックの理論書となっております。

端的に言いますと、入門者が買ってもさっぱりわからないので、後回しにした方が良いと思います。

そうでない方でも結構本書を読みこなすのは大変だと思われます。
まず、現象は相当不思議なことが何の手がかりもなく起こるようなものなのですが、これを書籍の文章だけ読んでイメージすることは相当難しいです。
次に、収録されているマジックは、『カード、サイン、グラス』『スリーカード&ボックス』『スリー・プログレッシブ・チョイス』『エース&グラス』『カード、数字、マッチ』の5つだけなのですが、いずれも結構セッティングが面倒なものとなっております。そのため、実際に手に取ってセッティングしないと中々何のことか理解しにくくなっています。
おそらく、これを読んでも、実際に自分のレパートリーにしようと思う人は少ないと思います。

『カード、サイン、グラス』は2つのグラスに入れた青い10枚のパケットと赤い10枚のパケットのうち、赤いパケット2枚に客にサインさせて、何の痕跡も残さず、青いパケットにサイン付赤カードを2枚とも移動させるという、カードアクロスの手順です。
 ワイングラスを使いながら、客との距離を生かして、巧みにカードを入れ替えるのですが、最終段階では何もしていないのに、サインカードが飛び移ったかのように見えます。

『スリーカード&ボックス』:3人の客にカードを1枚ずつ選んでもらいます。そのうち1枚だけ(この場合ハートのAとします)に表側にサインをしてもらいます。空のカードケースにデック1組をぱらぱらと弾いて風を起こすと、箱が動き、ケースの下から1人目の客の選んだカードが出てきます。もう一度デックを同じように弾いてみると今度はカードケースとそれを覆うセロファンの間に2人目の客の選んだカードが挟まっています。デックをリボン状に広げると3人目の客の選んだハートのAが 入っているのが見えます。デックを閉じて揃えて、もう一度デックを弾いて風を起こします。すると、またセロファンの間に3人目の客のカードが入ったかと思うと、今度は箱にマジシャンが手も触れないのに、箱の中からサインされたカードが折りたたまれて出てきます。

『スリーカード&ボックス』:3人の客に3枚のカードを覚えてもらいます。1人目の客に覚えたカードの名前を言ってもらいます。すると、マジシャンは客のカードは22枚目にある、と言って、人差し指でデックの半分を跳ね上げて上半分を表替えします。22枚目を数えると、1人目の客のカードが出てきます。
次の客に覚えたカードを言ってもらい、『スペードの7』と答えたら『SEVEN OF SPADE』という文字の数“5+2+5=12枚目”から客の選んだスペードの7が出てきます。
デック全体をスプレッドしていくとすべて白いカードになっています。 そして中央に1枚裏向きのカードがあります。3人目の客に選んだカードを言ってもらうと、1枚裏向きのカードが3人目の客のカードとなっています。

 『エース&グラス』:2枚の赤いエースと2枚の黒いエースを取り出します。黒いエース2枚を机の上に裏返しに置きます。赤いエース2枚はグラスにエースの側が客に見えるように置きます。ハンカチを掛けておまじないを唱えると、一瞬でグラスの中のカードが2枚の黒いエースに変わります。机の上の2枚は赤いエースに変わっています。

 『カード、数字、マッチ』:エニーカード・アット・エニーナンバーの現象です。客にデックの表がバラバラなことを示します。シャッフルした後、リボンスプレッドします。客に1枚選んでもらい、カードを覚えてもらいます。覚えたら再びデックにカードを戻し混ぜます。続いて客にマッチ箱を持ってもらい、1~52までのカードで好きな数字を言ってもらいます。『18』と言われると、18枚目から客のカードが出てきます。そして、マッチ箱の中からは客の選んだカードと同じカードが折りたたんで予言されています。

ギマレスはこれらのマジックを3段階の手順を踏んで、一足先にセッティングを済ませてしまい、種の手がかりさえつかませない巧妙さで現象を実現させます。それもあまり高度な技法に頼らず行ってしまうため、非常にクリアーな現象となっています。
ただし、前にも書いたようにセットアップが相当必要なものが多いので、デックスイッチが必要と一見思わせますが、セッティングされていないカードで他のカードマジックを行うなどして、仕掛けの影さえ見せぬなど、どうやって不思議さを構築していくかの詳細を解説しています。
自分がやってみたい現象を実現するためにどうすべきか、ということに対し、何らかの指針にはなると思いますが、大変高度な内容です。

 

2015年8月9日日曜日

クロースアップマジック習得の手順⑩(実戦でマジックを行う)

クロースアップマジック習得の手順⑨まで行って準備完了すれば、いつでもマジック演技しても大丈夫な体制となっております。
ただし、意外と難しいのは、どこでマジックを披露するか、ということだったりします。
日常でマジックを見せられることなど普通の人にとっては無いことなので、唐突に『マジックを見せてあげる』とか言われても戸惑ってしまうし、変な奴に思われる可能性も高いです。ですので、マジックの実戦を披露するにはそれなりの戦略を持ってデビューする必要があります。プロマジシャンの方にとっては、普通の人がマジックを披露することにそんな高い壁があることをすっかり忘れてしまっているので、ネタさえ教えておけば、アマチュアでもマジックが簡単に披露できるものと思っています。そのため、どうやって人にマジックを見せるきっかけを作るかについては市販の書籍等にはほとんど記載がありません。

その内容について言及していたものにA store in secretsから販売されていた『The magician's Secrets Lv.1』(舞那遊著)という情報商材がありました。今も販売されていたら、ガンガン宣伝してアフィリエイトして売りまくるのですが、残念ながら販売中止しています。Googleさんで検索すると商材のペラページが怪しげな外人女性の写真があり、恋愛商材のごとく宣伝されているので、購入するのは確実に躊躇しますが、中身は至ってまともなマジック専門商材でした。

絶版なので、さらっと内容ネタバレしすぎないようにレビューします。
・マジックを始める前に期待度を上げないこと
ある程度マジックをやっていれば、疑り深い人に対してはノーギミックのレギュラーデックで準備なしのカードマジックとかをできるので、臨機応変に対応できますが、初心者の場合、出来るネタが限られているため、人によってマジックを変えるということができません。そこで、観客に比較的暖かくマジックを見てもらえる雰囲気にする必要があります。そのためには、観客に『マジックやってやるから下々の者よく見給え』みたいな挑発的態度は禁物です。緊張してグダグダになるのは間違いないです。また、たとえ上手くなっても、挑発的態度は観客に嫌な後味を残してしまう可能性大なので、できるだけ止めましょう。

ネイト・ライプチヒとダイ・バーノンというマジック界のレジェンドも言っている通り

「ダイ、私は約50年マジックをやっているが、観客は紳士にだまされるのであれば悪い気はしないものだ。もし彼らが君をひとりの人間として気に入ってくれたら、君の演じるマジックも気に入ってくれるよ」
参考:マジェイアの魔法都市
http://plaza.harmonix.ne.jp/~k-miwa/magic/singen/si_leipzig.html 

ということで、あくまで紳士な態度の方がマジックを見せているので、観客も楽しめるということを認識しておきましょう。

・唐突にマジックを始めない
例えば、合コンでマジック披露してモテようとか考えている人がいれば、正直モテることとマジックが上手いことは全く比例しておりません。何もしないでモテる人がマジックすればますます人気になるのですが、モテない人がマジックしてもモテることはなく、ただのオタク扱いされるのが落ちです。それでも、何のとりえもなく、外見等自信はないけど、話題に多少なりともなりたい、と考える場合には最初からマジック見せる気満々で見せてしまわないことです。
前ふりや自己紹介で、ちょっとマジック習い始めました、とか、マジックバーに行くのが趣味です、とか、多少手品関連の話題のエサをまいておいて、 演技機会をじっくり待ちます。演技機会がなければ無理やりやらない、くらいの余裕が必要です。
大体、合コンや宴会などで、後半になると話題も尽きて、疲れてきて静かになる時があります。ここで、ちょっと話題提供する、くらいのイメージで、マジックを始めるようにします。

・マジックを誰かに教えてもらったので見てね
初心者にとって、マジックをする、ということは、どうやって学んだかを観客に確実に値踏みされます。独学で学んだ、というと、やはり観客からすれば大したことない、まあどんなネタばれするか見てやろう、と上から目線となり、やりにくいこと間違いなしです。
『The magician's Secrets Lv.1』にも記載されているのですが、人から教えてもらった、というのが最も観客に安心感を与えます。なので、知り合いにマジシャンの人がいる場合はそのマジシャンの名前を利用して、学んだことにしてしまうのがポイント、ということです。マジックバーへ見に行くのが好きな方なら、そこのマジシャンの名前を貸してもらってもいいでしょう。
日本人は特に権威や学歴、肩書に弱いので、専門家に学んだ、ということを主張すれば、マジックをされても、暖かい目で見てくれやすいです。また、人に習ったことにすれば、たとえ失敗しても、教えた先生の教え方が悪かったことにできるので、一石二鳥です。

こういった感じでマジックを披露していってください。


 

2015年8月7日金曜日

クロースアップマジック習得の手順⑨(他人による確認)

セリフとマジックの動作を同時にできるようになったら、他人から見てちゃんとマジックになっているか確認作業が必要です。

手っ取り早いのは動画撮影することです。
現在ではデジカメやi-phoneなどでも動画撮影できるようになっていますので、三脚などを購入し、自分の演技を撮影してみましょう。
私の場合はノートパソコンの動画撮影機能を使っています。これはそこそこの大きさのモニターを見ながら演技できるし、再生も容易なので、結構重宝しております。
自分の演技を撮影して後から見ると、演技中は気持ち良くプロマジシャン風に演じられていた、と自画自賛していても、『なんだ、この気持ち悪い動きは!!』と吐き気を催すことになります。何事も上達には自己の厳しい目による反省が必要です。 これはマジックに限らずスポーツや囲碁・将棋などのボードゲーム、英語などの語学でも変わりません。非常に苦しい作業ですが、嫌がらず、自分のアラを探して、潰していきましょう。


誰か家族とか友達、恋人など身近にマジックの実験台になってくれる人がいれば、見てもらいましょう。身近な人はあなたの癖などを良く知っているので、不自然な動きをすると、ビシビシ指摘してくれますし、遠慮もないので、容赦ない攻撃のため、確実に凹みます。
ただ、この練習を通過すると、普通の人に見せれば、確実に良い反応を得られるようになります。
欠点は身近の人にマジックを見せ続けると、見慣れてしまうためか不思議さに驚くことがなくなってしまいます。また、下手な初期の練習段階のマジックを見せられ続けることにより、マジックが嫌いになってしまいますので、ある程度独りでの練習で大丈夫と自信を持てるようになってから見せましょう。


身近に見てくれる友達や恋人がいないし、家族は見てくれない、というボッチの方は、マジックサークルにどこか参加して見てもらいましょう。マジックサークルは流石にマジックを行うのが目的(一部おしゃべりするのが目的のサークルや飲みに行くのが目的のサークルもありますが)なので、いくら初心者や下手な人のマジックでも見てくれます。その代り、マジックを見る目が肥えているので、『おー』とか『すごい、どうなってるの?』とか、そういう反応を期待してはいけません。変なタイミングで『なるほど』とか、ありきたりのマジックだと、見る人にとっては当たり前すぎて、妙な沈黙が起きたりします。この寒い反応の中で緊張せず堂々とマジックができるようになれば、普通の人にマジックを見せる時に緊張することはなくなります。
もちろん、反応が寒いというデメリットだけではなく、シビアな目で、ネタのフラッシュ(ちらりと見えてはいけないものが見えること)や、演出上こうした方が良い、とかのアドバイスがもらえるので、一人でマジック練習しているよりは確実に上達します。


この段階まで練習できれば、あとは皆さんお待ちかねの実戦での披露へと進むことになります。

2015年8月5日水曜日

クロースアップマジック習得の手順⑧(動きながらセリフを話す)

マジックの物理的動きを身に付けながらセリフを話す
 ということについて述べます。

クロースアップマジック習得の手順⑦までの内容を練習された方にとって、マジックの動作は意識しなくてもできるようになっているはずです。また、セリフも完璧に覚えた、という状態なら、たとえボーっとしていてもセリフが自然に出てくるはずです。

しかし、人間というのは一度に違うことを同時に行うことには慣れていないので、マジックを行いながらセリフを喋ると、必ず、手の方が疎かになったり、動きに気を取られてセリフを噛んでしまったりします。

そこで、まずは、マジックの動きを練習しているときにセリフを言うようにします。最初の間は独り言言うみたいにして初めてみたらいいと思います。練習しているうちに、どのセリフの時にどの動作が行われるか、ということが意識されるようになります。
そこまでたどり着いたら、人に聞かせることを意識した、大きな声でマジックしながら、セリフを言ってみましょう。ただし、家族や恋人にそんな姿を見られると非常に恥ずかしいです。しかし、マジック上達のためにはそこは恥を忍んで練習しまくりましょう。

そこまで練習すると、もうそのマジックはセリフ付きで歯を磨くのと同じくらい自然に始めることができ、最後まで演技するための基礎が出来上がります。

ただし、この段階では、まだ実践が行われていないので、普通の人に見せてしまうと、失敗する可能性が高いです。そのため、次の段階へと移っていきます。

2015年6月11日木曜日

クロースアップマジック習得の手順⑦(セリフその2)

本ブログ記事では『図解カードマジック大事典』の記事が一番人気のようです。なので、マジック書籍のレビュー記事を増やします、なんてことはしないのが非常識なマジック入門講座です。
淡々とクロースアップマジック習得手順の内容を続けていきます。

前回、セリフは自分のキャラクターと身の丈にあったものにしましょう、という話をしました。
今回はセリフの台本化について述べます。

世の中の趨勢はどうなっているかというと、
図解マジックテクニック入門:カズカタヤマ著、東京堂出版、2003
P.14に、台本を作ろう、という項目があり、自分自身の台本を作ることが推奨されています。
マキシマムエンターテインメント:ケン・ウエバー著、田代茂訳、リアライズ・ユア・マジック スクリプト・マヌーヴァ、2015
P.122で、台本をきちんと書かなければなりません。それもマジシャンではない役者のために台本を書くくらいの力を入れて作るように強調しています。
カード・カレッジ2:ロベルト・ジョビー著、加藤友康訳、東京堂出版、2001
P.172から台本について言及されています。ロベルト・ジョビーも『トリックを学ぶ際には、最初の段階からきちんと台本を書いておく方がよいと思っている』と述べています。 

ということで、偉大なるマジシャンや研究家、エンターテイメントのプロたちはこぞって台本を書くことの重要性を説いています。
ですので、台本を皆さんも書きましょう、では全然入門講座ではありませんね。
では台本を書かない場合どうなるかを考えましょう。

・何を喋っていいかわからなくなる
・喋るイメージがあっても途中で言葉に詰まり、あー、うー、えー、と見苦しい感じになる
・文法的に不正確になりやすく、客に聞き取りにくい内容となりやすい
・頭が真っ白になりセリフが出てこなくなり、場がしらける

で、台本を作るということは
・話す内容が理路整然、クリアーになり、何が起こっているのか客に分かりやすくなる
・セリフが決まっているので言いよどむことなく、あー、とか間投詞入れなくても話が進められる
・事前にセリフが練れるので、無駄な言葉を省き、シンプルにセリフを構築できる
・実況中継みたいなセリフではなく、前回記事に述べたような自分の個性に合ったセリフも台本あれば、苦も無く話すことができる
・最悪カンペを作ることが出来、忘れても台本見て思い出すことが出来る。その結果、セリフを忘れたらどうしようという不安は持つ必要がなくなり、演技に集中できる


ということで、まずは、自分のセリフを作ってみましょう。ただし、セリフを作っても丸暗記するのではなく、セリフのプロットに従って、自分のいつもの喋りに近い内容で、いかにもアドリブ風に話すのが良いトークとするためのコツです。
最初は書籍やDVDなどのセリフを台本にして練習してもいいですが、最後は自分の言葉にして作りましょう。その際、不要な言葉、無駄な言葉をそぎ落として、綺麗なセリフにしてみましょう。

 

2015年6月10日水曜日

クロースアップマジック習得の手順⑥(セリフその1)

マジックの物理的な動きが手順を意識せずにもできるようなレベルまで習得できたら、セリフを身に付けていく必要があります。

図解マジックテクニック入門:カズカタヤマ著、東京堂、2003 には『マジックは魔法の再現に他ならない』 (p.8)とあり、魔法の再現の要素としてセリフが利用されることとなります。
本記事を書こうとするため、各種書籍を改めて読み直していますが、マジシャンがどういうスタイルの魔法を扱うか、どういうキャラクター性を与えたいか、どういう年齢層や客層を対象にしているかによって、一概にどうすべきか、と単純に決められないため、まず、一般論的なセリフの考え方を説明することとします。

例えば、前田知洋演技で有名となったお客さんのサインしたトランプ が何回真ん中に入れても一番上に上がってくる、アンビシャスカードについて考えます。

①手順の実況中継するセリフ
初心者が自分でセリフを考えなければならない場合で、一番単純な方法です。
『トランプ選んでください』
『選んだトランプの表側にサインしてください』
『ではこのサインしたトランプをカードの真ん中に入れます』
『指を鳴らします』
『一番上のトランプをめくると、選んだトランプが上に来ています』

起こった現象や指示事項をありのまま素直に話すだけですので、比較的簡単に台本が作れます。ただし、基本的にマジック教室などに行くと、こういう実況中継は見ればわかることを口に出さなくてもよい、とダメ出しされます。それでも、何も喋れないよりはましなので、まず最初は実況中継でもいいので、動作とセリフを同時にリンクさせることができる練習をしたらいいと思います。慣れてきてから難しいセリフに挑戦すればいいのです。

②TVや書籍でマジシャンが使っていたセリフ
 これは参考となるセリフが既にあるものをマネする方法です。
『好きなトランプをおっしゃってください』→客『ハートの8』
『良いカードです』→客『どうしていいカードなの?』
『ハートは愛情を表し、八は末広がりで演技が良いからです』
『では、選んだトランプにサインしてください』
『今までにハートの8にサインしたことありますか? ないですね。ということはこのハートの8は世界に一枚だけのカードということになります』
『このカードを真ん中に入れます』
『指を鳴らすと、あなたのカードは一番上に上がってきます。これはあなたがお仕事の世界でもトップに上がって来れる方だということです』 

あなたが前田氏のようにスタイリッシュでこういった歯の浮くようなセリフが似合う方ならいいでしょうが、Youtube動画に出てくるような小学生や中学生たちがこのセリフでアンビシャスカードを演じていたら、間違いなく、いけ好かない変な奴扱いされるでしょう。

③自分の身の丈にあったセリフ
これが一番いいのですが、実際演じる方が普段どのようなキャラクターなのか、誰に演じるのかにより変わってきますので、例を挙げるのは難しいです。身近な方に演じる場合は、少なくとも、普段べらんめー調の方が丁寧な敬語で話していては違和感があるでしょう。また、とてもモテそうにないキャラの人が愛情とか末広がりとか言っていては気持ち悪さがさらに倍増することでしょう。 
知らない方に演じるという、セミプロのような立場ならマジック用上品キャラを演じて②の物マネスタイルも何とか許容範囲かもしれませんが、自分らしさというものを追及してセリフを考えましょう。

一例として、若い女性が占いっぽく演じる場合の案を示します。
『ちょっと最近心理テストに凝ってるんです。頭にパッと浮かんだトランプ言ってください』→客『ハートの8』
『かわいらしい、しっかりした人がタイプなんですね』→客『なんで?』
『ハートっていうのは女の子らしさを求めるシンボルで、8っていうのはマークがいっぱいあって、白いところが少ないでしょう。これは肌の露出の少ないしっかりした女の子が良いということなんですよ』
『じゃあその好きなタイプの人に言ってあげたい言葉書いてみて』
『これでこの子が世界で一番大切な人ですね』
『じゃあこの子を世間の荒波の真ん中に入れます』
『でも、指を鳴らすと、やっぱりあなたに会いに一番上に戻ってきます』

※スペードとかの黒いカード選ばれたら『姉御肌の人がタイプなんですね』
絵札選ばれたら『派手に着飾ったタイプが好きなんですね』
とかこじつけします。

まあ例なんで、適当に作ってみましたが、興味のある分野にかこつけて、セリフを作ってみればいいと思います。上記のように寒いセリフになっても保証はしませんが。

2015年6月4日木曜日

クロースアップマジック習得の手順⑤(動きの練習)

前回記載の記事で、やりたいと思ったマジックの動きを記した書籍、動画を入手できたとします。

まず、最初に、参考となる資料の動きを見ながら、真似をしていきます。当然、頭の中に資料入っているわけではないから、見ながら、実際に手を動かします。慣れないうちは3歩歩くとすべて忘れてしまうニワトリさん状態で、全然手順を進められないと思います。ややこしい手順だと、資料通りに動かしたはずなのに、最後の結果が全然予想通りにならず、自分が驚いてしまうということも多々あります。これは別に物覚えが悪いとか年齢のせいとか、センスが無いせいとかではないので、気にせず何度でも資料見ながら手を動かしてみてください。

一回に最初から最後まで手を動かしていくのが難しい場合、頭の中に入るところまでまず繰り返し練習してパート練習するのも一つの手です。数パートに分けて練習して、最後に一通り手を動かしてみてください。そして曲がりなりにも現象が起きたら、次は資料を見ずに練習します。このとき、手元を見ず、鏡を見ながら練習すると良いです。鏡もクロースアップマジック練習用の3面鏡とかも売っていますが、ある程度の大きさあるもので練習してみてください。

手順が完全に暗記できるくらいになり、手も何も考えずに動くようになったら、鏡を見ずに練習してください。鏡を見ながら演技していると、手元を見ていないつもりでも、鏡の中にある手元を見たりしているので、鏡がなくなったら、手順ができなかったりするからです。

鏡無しでも手順が勝手にできるくらいになると、一度動画に撮れる場合は撮影してみましょう。資料を見てそれと同じ動きしているつもりでも、動画で見ると、とんでもなく下手な動きなのに気づくと思います。私も動画で自分のマジック見ると、吐き気するくらい気持ち悪くなってしまうことが良くあります。
動画なので、資料と差のある動きを修正して、理想に近づけていきます。もし、動画が自由に撮れないという場合はここを省略します。

そして、トーク練習した後に、手順とトークを合わせてマジックできるようになったら、実際に人に見せます。
両親や兄弟、奥さんや彼氏彼女など比較的近い人に見てもらいます。身内は結構シビアなので、講評受けると結構凹むと思いますが、本番前に気持ち悪くなる演技が修正できると思えば安いものです。
あるいはマジックサークルなどに所属している場合は先輩や仲間、後輩などに練習中のマジックを見てもらいます。マジックやっている方も目が肥えているので、見えてはいけないものとか、不自然な動きあれば鋭くしてきしてくれます。目が肥えすぎているので、ちょっとやそっとの演技では冷たい反応しか返ってきません。というより普通の人に見せても良好な反応もらえるできでも、ふーん、といった寒い反応しか返ってきませんが、これに耐えれば、本番など何の問題もありません。

今回は動きについてのみ焦点あてましたので、トーク練習については無視しております。トーク練習については後日説明したいと思います。


2015年6月3日水曜日

クロースアップマジック習得の手順④(動きの把握)

ここまで読んでいただいた方は既にやりたいマジックを決定したことと思います。
ターゲットを決めたら後は練習するのみですが、そこの部分について述べていきます。

例えば、前回の記事やTV番組、マジックショップ動画などを見て、やりたいマジックを前田知洋演技のアンビシャスカードだとします。彼の演技そのものは書籍にはなっていませんが、前回掲載したカードマジック関係書籍を全て読めば、どうやっているか分かります。それにYoutubeなどでも見れたりしますので、やりたい流れをまず把握します。

ここでいくつか分岐点があります。
①動画を見てやり方、技法が分かる。
この場合、動画と同じ動きができるように練習します。やり方が分かることと自分が実際に同じ動きができることとは雲泥の差がありますので、同じ動きができるようになるまで練習します。通しのルーチンでできる方は通しで練習し、出来ない方は、ルーチンをパートに分けて、最後にできたパートを足し合わせて通しルーチンを練習するようにします。
当然のことながら、技法はあらかじめある程度マスターしておく必要があります。
②動画を見てやり方はわかるが、技法が良くわからない。
まず、動画のような現象ができる技法を片っ端から調べます。例に挙げたカードマジックの場合、カードカレッジが多彩な技法を掲載しているので便利です。大抵使っている技法が見つかると思います。そして、使われている技法をマスターし、①に戻って練習するということになります。
動画見る → どんな技法が使われているか目途をつける → 技法をマスター → パート練習 → 通し練習
③動画を見てやり方がまったく想像がつかない
世間一般の方は大体ここに分類される状態だと思います。この状態の方が有名マジシャンのネタをどうしても身に付けたい場合どうするか、というと
(a)プロマジシャンの方に前田氏のアンビシャスカードのやり方の教えを乞う:たぶんお金を出して教室とかレッスン受ければ、懇切丁寧に教えてくれると思います。ただ、ここまで熱意のある方は大抵①か②の方法でできてしまいます。
(b)2ちゃんねるでマジック評価スレやマジック番組スレを除き、どういうネタが使われているかをリサーチの上、元ネタをマジックショップで購入、あるいは使っている技法を確認し、書籍で調査。
やや書くのは憚れますが、2ちゃんねるの手品板では、これ見よがしにTVで演じられたネタの元ネタが何かを書く人がいます。そのネタは大抵DVDやギミックで売られているので、それを買います。また、アンビシャスカードのように普通のカードで演技されている場合、使っている技法も記載されたりしているので、リサーチの上、カードカレッジ等で確認します。

今回は動きの練習前の段階の、リサーチ方法の部分がメインの話となってしまいましたが、次回以降、実際の練習方法について書いてみたいと思います。

2015年6月1日月曜日

クロースアップマジック習得の手順③(道具としてやりたいこと)

マジックの始め方(クロースアップ)①カードの道具編にも記載してありますが、だいたい、カード、コイン、輪ゴムその他、扱ってみたいと思う道具が決まっていると思います。
道具は決まっているけど、具体的なマジックとして、どれを演じたいか決まっていない場合には、色々な内容が掲載されている書籍やDVDから学んでみましょう。

例えばカードの場合、私の部屋にある書籍だけでも相当ありますが、初心者向け、と言われると考えてしまいます。
今でこそ多くの書籍を保有しておりますが、小さい頃にマジックを始めようとして近くの本屋さんにあった、トランプ手品(真次久著、高橋書店)というのを買って練習したのが始まりです。
正直、読んでやり方を理解できればなんでもいいのですが、今更初心者に戻れないので、複数のマジックが掲載され、比較的評判の良い物を紹介します。絶版のものが多いですが、中古で入手可能だったりします。

カードマジックについて
DVDで覚えるカードマジック:ヒロサカイ著、成美堂出版、2005
・絶版ですが、分かりやすく解説されており、初心者にも親切な内容となっているようです(すみません、持っていないので間接情報です)。

トランプ・マジック:松田道弘著、ちくま文庫、1989
・技法的な物を必要とせず、セリフや現象の背景にあるものを細かく描写しており、慣れていないとくどい本かもしれませんが、非常にためになり、初心者が覚えるマジックには良いと思います。

奇術入門シリーズ カードマジック:高木重朗著、東京堂出版、1987
・前半はやさしいカードマジックとして技法をほとんど用いないマジックで後半は本格的なカードマジックということで、名手たちの有名マジックが解説されています。
本当の初心者にはこれでも難しいかもしれませんが、マジックの選択眼が非常に良く、これ一冊マスターしていると、カードマジックのエキスパートと思われるくらいのレパートリーとなるでしょう。
今では前田知洋演技で有名となったトライアンフやダイヤのAとハートのAを用いたお金と愛情のカードマジックですが、ダイ・バーノンやDr.Daleyのラストトリックの原案が記載されております。

カードマジック入門事典:高木重朗・麦谷真里編、東京堂出版、1987
・事典なので、ひたすらアウトラインと多数の有名マジックが現象ごとに記載されています。一応最低限の絵とか解説があるので、慣れていれば演じることは可能です。上記に挙げた本で慣れてから読み進めた方が良いと思います。ただし、コントロールの章にある『カード奇術の見せ方』の内容は非常にクロースアップマジックを演じる上で直面する問題点への対処法記載されており、参考になるので、見ておいた方が良いです。
本書も絶版のようです。

ロベルト・ジョビーのカードカレッジ(1~4巻):Robbert Giobbi著、加藤友康訳(1、2巻)、壽里竜訳(3、4巻)、東京堂出版
・カードのあらゆる技法の詳細が記載されたまさに、大事典といった感じの本。よくこれだけの内容を執筆したな、という大作です。ここに掲載されている技法をマスターすれば十分というか、達人とみなされるでしょう。各技法の動きに疑問を感じたら、本書で確認する、という使い方が良いかもしれません。
比較的新しめの技法は掲載されておりませんが、そういうものは個々が必要に応じて購入してください。

あと、DVDでは難易度高くなってしまうのですが
Easy to Master Card Miracles(Vol.1~7)日本語字幕版、Michael Ammar、スクリプトマヌーヴァ
・元々L&L Publishingというところから9巻セットで発売された動画レクチャーです。Ammarの演技自体はほぼ原作に近いスタイルで行われていますので、比較的癖のないオーソドックスな演技が学べます。色々な角度からの解説が見れるので、勉強になります。スクリプトマヌーヴァにて日本語字幕を付けていますので、内容の理解も十分できます。ただし、英語わかる人が聞くと気づきますが、そのまま直訳していませんので、何となく英語で聞いたときのイメージと違う表現になっていることがあります。どういうわけか8巻と9巻は日本語字幕版がありません。たぶん後半の巻はマニアックなので、需要がないと判断したのでしょう。
DVDには本編で使われるマジックのギミックカードが付属しています。

コインについて
基礎からはじめるコインマジック:二川滋夫著、東京堂出版、2006
・かつて発売されていた『季刊ザ・マジック』に講座として連載されていた内容をまとめたものです。書籍のコインマジック本はあまりなく、さらに初心者にお勧めとなると、この本くらいしか思いつきません(もちろん、他にもコインマジックの入っている本は色々ありますが)。
中にはコインボックスやパースフレームを使った、著者の趣味が多分に反映された内容となっています。

DVD
David Stone Coin magic, David Stone, Stephane Jardonnet Productions
デビッド・ストーンによるコインマジック2巻組。フランス語話者デビッド・ストーンの英語吹き替え版です。基本的なコインマジックから上級者向けのコインマジックまでを解説されています。

$ドルShockショック、黒田文彦、マジックムーブメント
他にも日本人のコインDVDあるのですが、初心者から学べるものとして本DVDを挙げました。
タイトルは何だか良くわからないふざけた内容ですが、実際の中身は至ってまともで、基本的な技法の解説もあります。黒田氏は大変博識で、作品のクレジット等も色々言ってくれるので、中上級者の方にも参考になります。ただし、価格が高いので、必ず買いなさい、ということではないからあしからず。

クロースアップマジック全般について
即席マジック入門:松田道弘、ちくま文庫、1987
・元々は金沢文庫より1974年に『クロースアップ・マジック』として刊行されたものがリニューアルされたものですが、本書もまた絶版となっております。マジック関係の書籍は売れないためかすぐ絶版になりますので、書店にあるあいだに入手しておきましょう。
本書はコインマジックやそれ以外の比較的テクニックを必要とし、練習しないとまともに見せることのできないマジックを揃えています。そういう意味ではマジック的動きの練習にもってこいの内容です。スムーズにできるようになれば、一人前のマジシャンとして皆から認められうる内容だとおもいます。
当然DVDとかありませんので、文字と挿絵だけで学ぶことになれていないと辛いかもしれません。

即席マジック入門事典:麦谷真里編、東京堂出版、1997
・色々なシチュエーションごとにマジックを分け、解説した事典です。ポイント、デバック、バックアップと言った、普通のマジック本にはない、演技する上で、客から言われて困る内容への対処方法や準備する際のポイント等を解説した、事典とはいえ、実際にマジックを見せることを想定した良書です。
比較的難易度の低い物が多いですが、準備面倒なものもあります。やれそうな内容から選んで練習すればいいと思います。
ただし、麦谷氏の書籍は入門という名前でも大抵難しく、中上級以上向けと考えていた方が良いです。

前田知洋の女性のためのマジックレッスン:前田知洋、角矢辛繁著、東京堂出版、2014
女性のための、 ということで、今までのマジック本のような手の絵とややこしい技法の解説に終始した本とは一線を画す書籍です。おしゃれな道具仕立てで、写真を見ているだけで楽しくなる内容です。マジック初めての人にも演じられる内容を選択されています。女性のための、とはなっていますが、男性でも何の問題もなく演技できます。

DVD
クロースアップマジック全般を取り扱ったものというのは難しいですが、
Incredible Magic at the Bar(Vol.1~6),Michael Maxwell,A-1 Magicalmedia
パッケージのカクテルグラス持った姿は何となく恰好良さそうに見えますが、実際の動画にでてくるMichael Maxwellは妙に陽気な、太ったおじさんですので、結構ギャップがあります。
元々はバーマジックのDVDですので、バーカウンターでの演技が主ですが、バーベットとかのゲームみたいなものも含まれています。6巻セットで、ネタは大量に紹介されていますが、中にはどうしようもないネタも入っています。ただ、玉石混合で色々な演技が見られますので、この中から1つや2つやってみたいと思う内容を見つけるのには良いかもしれません。


とても紹介しきれませんが、初心者が見てやってみたい、と思うのに参考になるのではないか、と思われる物を挙げてみました。ただし、これを買え、ということではないので、あくまで自己責任で購入するかどうかは決めて下さい。もちろん人とは違うマジックをするんだ、という方は是非自分でネタ探してきてマスターしていただいて結構です。

2015年5月31日日曜日

クロースアップマジック習得の手順②(やりたいマジック)

前回、やりたいマジックといっても、色々な観点から検討が必要ということを書きました。
今回はそのうち、現象としてやりたいことについて述べます。

これはもう単純に、TVで某有名マジシャンがやっていたから私もやってみたい、とか、マジックバーで見たマジックを私もやって人気を得たいとか、合コンで誰かがやっていたマジックを習得して自分もモテるぞ、とか、比較的自分の感情に従うため簡単です。

TVで有名マジシャンが演じたネタは一気にマジックショップでもネタが売切れたりすることが良くあります。それだけTVの影響力は今でも大きいようです。そして、TVで演じられたマジックはYoutubeなどにアップロードされ、2ちゃんねるの手品板ですぐに話題になりますので、そこをよく観察すると、なんというネタかは分かります。
最新の話題作であるなら、すぐにマジックショップで購入手続きをすれば、やりたいマジックの情報が手に入ります。
とても簡単ですね。

難しいのは、TVで演じられたネタがとても古いネタで今は手に入らない道具を使っている場合です。自分で似たようなものを作ったり、探したりできる場合はそれで代用します。見つからない場合は、ヤフオクのおもちゃ・手品カテゴリーやeBayのmagicカテゴリーなどのネットオークションを閲覧していると出品されていることがあります。どうしても入手したい場合は金に糸目をつけずつぎ込んで手に入れましょう。後で両親や奥さん、彼氏・彼女にしかられても責任はとれませんが。

次にマジックバーや合コンなどで見た演目をやりたいと思った場合。Youtube動画などで似たような演技が見つかれば、後は同様にネタを何とか仕入れればOKです。動画を見てもわからなかった場合、マジックバーの方にお金出すからレクチャーしてくださいと頼んでみましょう。上手くいけば教えてくれるかもしれませんが、一蹴されるかもしれません。ただ、言ってみないとどうなるかはわからないので、行動してみましょう。

合コンで見た場合なども演じた人本人にレクチャーしてもらうようお願いしましょう。ただ、普通のアマチュアで嗜んでおられる方なら、単に種を知りたいだけ、と思われる人に教えてくれることはないので、本気で練習して本気で披露したいことを伝えた上でお願いしましょう。
それでも教えてもらえなければ、手あたり次第マジックの本やDVDでそれらしいものを買い集めていきましょう。そうすると、演じたいと思ったマジックのヒントが得られます。ただし、そこまで熱中すると、最初やりたいと思っていたマジックなどどうでも良くなっている可能性が高いです。

やりたいネタを見つけるためのネットショップの選び方についてはまた後日、別シリーズとして記事にできたら、と思います。

2015年5月30日土曜日

クロースアップマジック習得の手順①(導入編)

クロースアップマジックの道具については説明をしてきました。
今回からは具体的な練習方法に入ります。

習得すべきことは
⓪行いたいマジックを探す
①マジックの現象を起こすために必要な物理的動きを身に付ける
②セリフを身に付ける
③マジックの物理的動きを身に付けながらセリフを話す
④一人で①~③までの動作が身に付いたことを確認する
⑤身近な人や実験台になってくれる方に見てもらい、問題点の指摘を受ける
⑥実践でマジックを行う
⑦実践での結果をフィードバック

ということになります。
本シリーズもステップバイステップで説明していきますので、よろしくお願いします。

まず、⓪の項目です。何はともあれ、自分のやりたいマジックを探すことから始めます。TVで見たとか、Youtubeのあのマジックとか、マジックのネットショップで売っているので気になったあのネタ、とかこの際なんでもOKです。それさえ見つからない人は取りあえずマジック教室やマジックディーラーの所に通って、何か初心者向けのマジック教えてください、とお願いしてください。自分でやりたいマジックを見つけられない人にはそんなしょうもないネタやりたくない、とか言う資格はありませんので、強制的に決めてもらいましょう。
大体ですが、やりたいことが自分で決められない方は大抵マジックからすぐ離れていきます。ですので、本ブログでは自力で何とかしたいが、指針が欲しい、という方を対象にしております。

 本当のことを言うとクロースアップマジックでも初心者向けでないネタとか角度に制約があるとか、ギミックの改めができないとか色々あるのですが、それはマジックを習うことになれたベテランだからそんなことが分かるのであって、初心者にはわからないことです。ですので、この⓪の項目は非常に奥が深く、自分のやりたいこと、というのを明確にしておくことが重要なのです。

やりたいことも中身が分かれ、
①現象としてやりたいこと
②道具としてやりたいこと
③シチュエーションとしてやりたいこと
④パーソナリティーとしてやりたいこと 
⑤予算的にやりたいこと
⑥持ち運び的にやりたいこと
⑦マジックを見てくれる人を考慮したやりたいこと

など、あまり考えたこともないことを考慮してやりたいことを決める必要が出てきます。 

やりたいことのセレクトについては詳細を次回以降に説明していきます。


2015年5月27日水曜日

ふじいあきらマジックショー鑑賞

マジックを勉強するうえで、生でマジックを見ることも非常に勉強になります。しかし、意外とマジックをやっている人は人のやるマジックなんて大して興味ないよ、とお金を出してまで見に行かなかったりします。

ということで、5月24日(日)にカードシャークにてふじいあきらマジックショーがあるとのことで、事前に費用を銀行振り込みしてきて、見に行きました。
20名の定員で19名とほぼ満員状態でした。お客さんのほぼ全員が男女カップルでのご来場のようでしたが、私の場合は非常識なのか、一人で浮いていたようですが、そんなことを気にしていてはいけません。

ショーは前半・後半の2部構成ということで、内容を備忘録かねて記録しておきます。演目は覚えているのですが、順番やや間違いある場合もありますが、ご了承ください。
(前半):スポンジボールのルーチンで、最後は小さなスポンジが大量に出るノーマルのルーチン。何となくチ○○の怪しげなものが出ると予想していましたが外れて一安心です。
次はミッキーマウスの印刷してある鏡を使ったパドル風マジック。最後はミッキーマウスが3次元化します。
ここで、ふじい師は『メンタリズムって流行りましたね。私も全員の心は読めませんが大体の人の考えていることはイメージできます』と意味深な発言で興味を引きます。『いつカードが口から出てくるのかな、と思っていますね』という導入でトランプマジックに入ります。
『マジシャンは器用だと思ってますよね』とファンカードやリボンスプレッドを行い、ワンハンドシャッフルして、またしばらくシャッフルすると、カードがAからKまで揃ってしまうというマジックします。その後に口からお約束のトランプ出しながら、カードを2枚選ばせます。一人目のトランプ当てた後は二人目のトランプがカードケースの下から出てきます。
『コインマジックも得意なんですよ。昔は良くやってたんですけど最近はあまりやらなくなりました。何故なら、地味なんです。』と言いながらコインパスを取り出し、チンカチンク、コインマトリックス、3フライからコインが大きくなったり(ジャンボコイン)小さくなったり
レギュラーコイン)します。
前半最後はチョップカップからレモンが2個出てきて締めます。

(後半):ストローを用いてリンキングシガレットと同じ現象を行います。
最近発売された3シェルゲームの生演技。最後はショットグラスの下に玉がいつの間にか移動しています。
お客さんに好きなカード言ってくださいと尋ねると『ありません』と答えられてしまいます。ここでふじい師は動揺することもなく『そうですよね、普通の人は好きなトランプとかないですよね。』という感じで話をつなぎ、自由にカードを言ってもらうとダイヤの9とのことに。デックを広げますがダイヤの9だけは見つかりません。しかし、大阪のお客さんは一味違います。『こいつの言ったダイヤのキューというのはQのことやで!』。さすがにふじい師もその切り返しは予想していなかったようですが、自由なカード言った本人が9です、といったので、無事カードケースからダイヤの9が出てきて成功です。
そしてダイヤの9でアンビシャスカード風に上にカード上がってきますが、もっとビジュアルに上げます、ということで、デックから1枚カードを突き出した状態で徐々に上に上がっていくのが見えます。さらに表向けにしても同じことをやります。
次はちょっと練習中のマジックなんですが、といって3枚のカード(A、2、3)を用いて3カードモンテ。見事にAの場所を当てられないのですが、本人曰く、最後のオチがどうしようか、ということで試行錯誤中らしいです。
エッグバックで卵と柿が入れ替わり、最後はショットグラスから飲み物が出てきます。意外性に皆さん驚いていました。
最後はルービックキューブのマジック(コラボキューブ)。生で初めて見ましたが、最後揃えるところはさすがに本家だけに素早かったです。
といった感じでマジックショー終了しました。

最後は自由時間でふじい師と写真撮影やサインもらえるということで、他の方はお店でバイシクルのカード買ってサインもらったりしていましたが、私は持参のテンヨーから出てたスーパーコインマジックにサインもらってしまうというマニアぶりを発揮してしまいます。

まとめますと、
①有名な方のマジック見に行くときには異性の方を誘っていきましょう。
②多少想像のつかない突っ込みがあっても切り返す会話力をつけるか、会話力ない場合には想定問答集を作って対応策練っておくべきだな、と思いました。
③ふじい師はやはりとんでもないテクニックを駆使していることが目の前で見て分かりました。
④カードマジック以外のクロースアップもいっぱい見られて楽しめました。
⑤やはり自分らしさを出してマジックすることが大切なんだな、と感じました。人まねではない、何か独自性を出すよう頑張っていきたいと思います。
⑥ただし、バーの端の方からは人が動いたり、手を立てたりしてものすごい見にくかったので、あんまりテーブルを使わないマジックにしないといけないのだな、と感じました。そういう意味では比較的テーブルに置く動作少な目だったので、見やすかったと思います。

ということで、皆さんも是非生でマジック見に行って、色々なことを感じたり学んだり、憧れたりしましょう。
 
 

2015年4月23日木曜日

マジックの始め方(クロースアップ)⑨ポケットリング

ここまで更新をさぼりまくり、何とかここまで来ました。

クロースアップの道具として、そこまで典型的なわけではありませんが、ちょっと人数多くても、テーブルが無くてもできる、しかも、角度に強いという良いことづくめのポケットリングを紹介します。
欠点はちゃんと教えてくれる人がいないと、独学で習うと挫折しやすいということです。

そもそもポケットリングとは何か、というと、持ち運び便利な金属の輪っかが一本ずつつながっていき、改めてもらっても外れなくて、最後には4本つながったものが1本ずつ外れていく、という、文字で書くと全く不思議さが伝わりませんが、見ているととても不思議なマジックです。

ポケットリングは大体10㎝くらいの円形の輪っかが4つから成り立っております。
その中身はS,K,W(2本セット) という組み合わせから成り立ちます。もちろん、量子力学のトンネル理論上は金属が金属をすり抜ける確率はゼロではないとはいえ(限りなくゼロですが)、本当に通り抜けるわけではありません。手の技+とあるギミックだけでつながったり離れたりするように見せています。
今ではポケットリングも色々なところで購入できますが、老舗ではテンヨーという有名なマジック道具を販売している会社で購入できます。ただし、解説書は初歩的なものしか載っていませんので、本格的な内容を習うには別にレクチャーDVDを購入するか、誰かに教わる必要があります。
この他、ニンジャリングというポケットリングがありますが、これは道具の内容的にはテンヨーの物と構成が同じとなっております。

ポケットリングの手順として解説されているものを簡単に上げると
①チャイニーズ・リンキングリング(基本編)(応用編)
②ニンジャリング
③キラスタイル
などがあります。①は持っていないのですが、マジックショップのディーラーさんが実際に店で使っていた手順とのことで、基本から応用まで幅広く習えるということで、入門者にも良いようです。
②のニンジャリングは緒川集人解説のDVDです。若干あれが広めの設定でないとできないようです。割と派手な動きが多いため、自分のテクニックを見せつけたい、とかいう人にはうってつけでしょう。難易度は結構高いものが含まれいます。使う輪っか自体はニンジャリングとして売られているものでなくても普通のポケットリングのセットで演技はできます。
③のキラスタイルですが、TVで良く出ていたあの長身のキラさんではありません。紀良京佑という人のバージョンのポケットリングで、割と静かにくっついたり離れたりする感じのルーチンです。DVDもありますが、手順の解説は『クラシックマジック事典Ⅱ』にも掲載されています。ただし、 『クラシックマジック事典Ⅱ』の解説を読んだだけでは大部分の人には手順を再現できないと思います。難しいのですが、ご本人はいとも簡単に軽い感じで演技されていました。

もしクロースアップマジックを人に見せて演技する機会があるなら、カードやコイン以外にもポケットリングができると、最初にポケットリングを演技することにより割と多めの人数に見てもらいやすいです。また、練習すればするほど上手くなってくるのが分かるため、練習自体も楽しいです。よって、是非マスターされることをお勧めします。

2015年4月16日木曜日

図解カードマジック大事典

誰が読むのか、と思いながらブログを書いている一方で、多少なりともPV(ページビュー)が増えてくれるといいな、という虫のいいことを考えている自分がいます。
正直、PV増やすには種明かしすればいいのですが、さすがにそんなことは私にはできません。大体なんで自分が苦労して集めたり、練習したりした種や工夫をそんな安売りしないといけないのだ、というのが本当の所です。種明かしブログにしないのは、表向きはマジックのマナーや常識云々とか、他の人が楽しめなくなるから、とかみたいな高尚なことを言いながらも、本音ベースでは苦労して得たものを独占したいという多少自己中心的な理由が大きいです。こう思うのは私だけでしょうか?

なので、他人の種は明かせないので、自分がなぜ『図解カードマジック大事典』の記事を唐突に書こうとしているかというと、まだ比較的出版されて新しいし、あまり書評も出ていないので、多少なりとも注目されたいからです(あっ、本音を言ってしまった。こういう種は明かしてもいいよね、たぶん)。

東京堂出版からは『カードマジック事典』という高木重朗編の昭和58年(1983年)初版の有名な書籍があります。これ以前にはさほど詳しいカードマジックの本はマニア向け以外にほとんどありませんでしたが、海外の最新マジックを紹介しまくっている名著です。しかし、あくまで事典ということで、技法の解説はあるものの、奇術の紹介の部分はほぼ箇条書きで、これだけ見てまともに演じられる人は少なくとも中級以上の人でなければなりませんでした。
 また、本書は出版されてから30年以上経過し、編者も既に故人ということで、新たな事典である『図解カードマジック大事典』宮中桂煥著 として全く新しい本として生まれ変わったものです。

 『図解カードマジック大事典』の特徴として、カードマジック事典より、でかく、分厚いです。とても普通に持ち歩くのには適していないので、お家で一人静かに少しずつ読んでいくような本となっています。
 内容的にはカードマジック事典と同様に技法編、奇術編があり、さらに学習編という章が加わり、海外の洋書の紹介や実際に奇術を行うときのヒント的が示されており、パフォーマーとしてやりたい人には参考になります。

技法編は絵で説明されており、ほぼカードマジック事典と同じ内容は含まれておりますが、一部変更があります。以前は独立した章であったグライドがフォールスディールの中に入れられてしまっているのは時代を感じます。確かにグライドを行うマジックも最近ではほとんどないような気がします。
また、新しい技法ではレナート・グリーンのスナップ・ディールとかが加えられています。スナップ・ディールの冊子を単体で購入した身としては、若干悲しいですが、まあ、そんなに詳しく載っていないので良しとします。
ただ、技法的には比較的クラシックなマジックを演じるためのものがほとんどで、もっと新しくマニアックな技法(アッシャーツイストやロードランナーカル、レイズライズ等)は記載されていないので、個々の技法のDVD等を購入して学習してください。

 奇術編については、こちらの説明は写真となっています。カードマジック事典、カードマジック入門事典との内容重複は相当数あります。原題と考案者について全てに記載されております(一部はっきりしないものは不明となっています)。内容的にはクラシックなマジックが網羅され、今まで日本の書籍で解説されたものが存在していなかったポール・ハリスの『リセット』原案の解説もされています。また片倉雄一『ダブルショック』や初出の『片倉のラスト・トリック』など日本人の作品も取り上げています。
クラシックなカードマジックの原案者や手順を学ぶのには非常に役に立つ書籍です。
ただし、現在のようにDVDで動画見てマジックを学ぶことに慣れた人たちにとっては、この書籍の説明では不親切、とかいうコメントをつけてしまうかもしれません。本で学ぶことに慣れている人であれば、相当数のクラシックなマジックを習うことができお得だとおもいます。


現在はマジック関係含め書籍が売れなくなっていますので、早めに購入しておかないと、再販されずに絶版になってしまい、購入機会を永遠に失ってしまうかもしれません。
マジックにだいぶどっぷりつかっているので感覚狂っているかもしれませんが、6400円+消費税の価格が高いと思う方も今だと多いでしょうね。これより遥かに薄いレクチャーノートが3000円とか5000円とかだったりするのを知っていると、この厚さでなんと格安なのだろう、というのが本音の所です。

ただ、初心者の方はこの本を買って最初から読んで学ぼうとすると、挫折する可能性大なので、もっと簡単な取り組みやすいものからスタートした方が良いと思います。

2015年4月15日水曜日

マジックの始め方(クロースアップ)⑧スポンジ

ブログを始めてみて思ったことは、継続して記事を書くということは結構大変なのだ、ということです。毎日のように記事を更新しているブロガーの方々は偉大ですね。

さて本シリーズも久しぶりですが、クロースアップマジックで使う道具として、スポンジを取り上げます。

結構基本的な道具で、丸いスポンジを使った手品はお客様と一緒に楽しんでいただける定番マジックです。
しかし、意外なことに、普通のおもちゃ屋さんとかで何の仕掛けもない丸いスポンジを4つ購入するのは難しかったりします。それは、1つが丸から四角になったりする特殊なスポンジが入っていたりするものが定番道具として置かれていることが多いからです。

使うサイズついては大体40㎜で、赤い色の物が良く用いられます。赤い理由は、見えてはいけないものが見えにくいから、という実践的意味もあります。
もちろんサイズは20㎜位の小さい物も存在しております。これはユージンバーガーという人が最後に大量にこの小さいサイズのスポンジを出す手順で演じていたりします。またもっと大きな10㎝以上あるようなものも存在します。
スポンジは日本製(テンヨー他)の物が柔らかくてキメが細かくて使いやすいです。海外ブランドではゴッシュマンのスポンジボールがありますが、日本製より多少固いような気がします。それでもスーパーソフトとか柔らかい物も発売されているようえす。またゴッシュマンのものは色が黒や緑、青、橙などカラフルなものが揃い、色の変化を見せたいときには便利です。

丸いスポンジ以外にもテンヨーからウサギの形のスポンジも市販されています。さらに立体的なリアルに近い形の3Dラビットのスポンジも外国ブランドで発売されていたりします。

この他、クッキーや、ソフトクリーム、バナナ、ピカチュー、卑猥なものその他もろもろの形の物も存在していますので、マジックをしなくても、並べるだけで楽しめたりします。

手品としては、意外に受けやすいので、何らかの手順をマスターしていると、大人から子供まで楽しんでもらいやすいです。
また、副次効果としては、手に握ってもらう手順が多いので、合法的に女性の手を握れてしまうということで、下心バリバリの方にもおすすめマジックです(こんなこと書いていいんでしょうか・・・)。

2015年3月23日月曜日

マジックの始め方(クロースアップ)⑦輪ゴム

クロースアップ道具として(3)輪ゴム を挙げます。
輪ゴムは安価で、持ち歩きに便利で、手軽に見せるのに適しています。
使う輪ゴムは日本で手に入る16号の輪ゴムとかでも手軽にできますが、マジックショップ等で売っているアメリカ製のものの方が伸びが良く、サイズも大き目で扱いやすいです。
しかし、初めてマジックをする場合は日本製のもので問題ありません。また、ダイソー等の100均へ行くと、カラー輪ゴムが入手できるので、色々な輪ゴムマジックを行うのに便利です。1箱で大量に手に入ります。
特殊な(動物や四角、星などの形)輪ゴムも市販されています。東華護謨工業株式会社というゴムメーカーからシャレバンという製品が出されています。実際には東急ハンズ等で小売りされていることがあります。
ゴムは酸化して劣化しますので、なるだけ直射日光の当たらない場所で、なるべく空気の入らないように密閉して保存しておくと、比較的劣化が進みにくいです。

輪ゴムマジックは正直地味なので、あまり連続して行うマジックには向いていませんが、気楽に何か見せるのに向いているので、練習を始めてみると、意外に実戦に使えると思います。
 

2015年3月10日火曜日

マジックの始め方(クロースアップ)⑥コインの道具

カード編が終わり、ようやく(2)コイン編に入ります。
なぜ、カード編があれだけ長かったかというと、実はコインはあまりやらないからです。とはいえ、入門講座なので、コインを外すわけにはいきません。

正直言いますと、コインマジックの方が練習に時間がかかり、しかも、現象が少人数にしか伝わりにくいところがあります。その分、カードに比べ、腕前が一目でわかってしまうという厳しさがあります。
しかし、コインはお金ということで、比較的、常に持ち歩いていても怪しくなく、しかも小さいため、いつでもどこでも練習できますし、人に何か手品を見せてくれ、と言われた際にも対応しやすいです。ですので、私のように、食わず嫌いにならず、コインマジックにも積極的に取り組んでください。

まず、使うコインですが、ある程度大きいほうが扱いやすいです。そのため、良く使われるのは直径30㎜あるハーフダラーというアメリカの50セント硬貨です。これも色々あるのですが、現在良く用いられているのはケネディー柄のコインです。50セント硬貨自体はほぼ通常流通しておらず、アメリカ人でも普段は25セント(クオーター)くらいまでしか硬貨を使うことがありません。おおよそ、カジノくらいでしか見ることがないコインです。文章で書くとキリがないので、ハーフダラーについて箇条書きします。

・1964年製(シルバーハーフとか64年ケネディーハーフとか呼ばれます)。90%以上銀を含む高純度銀貨です。シルバーハーフ同志が当たると、チャリーンといういい音がします。また、銀製ですので、手に触れてマジックの練習していても金属の臭いが移りません。また、サイドのギザギザ(エッジという)が結構尖っていて、パームと呼ばれるコインの技法がやりやすくなっています。
中級以上のコインマジック愛好家に好まれます。というか、たいてい、ちょっとしたテクニックをお持ちのコインマンはハーフダラーに限らず、銀製のコインを使っています。以前は1枚800円とかだったのですが、2015年2月現在、フレンチドロップというマジックショップで1枚2500円します。おそらく、今後更に値上がりすると思われます。コインマジックをする場合、少なくとも4枚、できれば6枚ほど用意してほしいところですが、シルバーハーフで揃えると一万円を超えるため、学生さんなどには高くて手が出ないかもしれません。

・1965~1970年製(これもケネディーハーフです)。銀の価格上昇に伴い、ハーフダラーを鋳潰した方が価値が高いような時代となり、アメリカ政府も銀の含有量を下げざるを得なくなりました。それでも、この年代のものは40%銀を含んでおります。この年代のものだと、2015年2月現在、1000円強で入手できるようです。1964年製より低品位とはいえ、1971年製以降の白銅貨よりは白さがあり、綺麗です。

・1971年製以降(ニッケルハーフとかサンドイッチケネディーとか呼ばれます)。裏表面が白銅でおおわれた真ん中が銅を主成分とする硬貨です。白銅なので、やや鈍いですが銀色をしています。しかし、サイドのギザギザ部分からみると、銅色をしており、白銅・銅・白銅というサンドイッチ構造になっていることから、サンドイッチケネディーと言われます。銀の含有がないため、比較的安価で、日本でも2015年2月現在、300円程度で購入することができます。なんで50セント(為替レート110円として)55円のものを300円出すのか、と言われると、まあ輸入の輸送費とかがかかるとかがあるので、そのコストが乗っているのでしょう。
コインマジックを始めようという方にはこのコインで十分です。

・1948年~1963年製(フランクリンと呼ばれます)。ベンジャミン・フランクリンの肖像となっています。こちらも銀90%以上含んでいます。ちょっと人と違ったコインを使いたいというマニア心をくすぐるコインです。

・1916年~1947年製(ウォーキングリバティーと呼ばれます)。 そのまんま歩く女神の全身像が描かれたコインです。こちらも銀90%以上含んでいます。

・1892~1915年製(バーバーと呼ばれます)。帽子・花冠をかぶった女神の肖像が描かれています。こちらも銀90%以上含んでいます。さすがに100年以上前のコインですので、ソフトコインという、表面がすり減っているため、コイン同士が当たっても音がしにくくなった状態のものが多く、特殊技法の必要なコインマジックなどに重宝されます。
これより古いハーフダラーも存在しているのですが、上級マニアの方でもバーバーまでしか使いませんので、説明を省きます。

アメリカのコインは、25セント(クオーター)、10セント(ダイム)、5セント(ニッケル)、1セント(ペニー)とあります。特殊なマジックではこれらのコインを使うこともありますが、通常はハーフダラーサイズのものがあればコインマジックをするのには十分です。

他に、 直径30㎜のコインで色違いの物が使いたいという場合にイングリッシュペニーという硬貨が使われます。これはそのまんまイギリスの硬貨で、1ポンドの1/100の価値です。これも2015年2月現在200円程で購入できます。

この他、約40㎜ある1ドル硬貨(ワンダラー)というのも存在している。技法によってはこのサイズのものでないとできないものもある。『SICK』という超絶技巧を駆使したコインマジックDVDではこのワンダラーが用いられています。


今回は主にコインマジックで用いられるコインの種類について概要を記しました。

この辺のコインについては、コイン(1)アメリカコイン のサイトの方に詳細ありますので、参考にしてください。記事を書く上で色々検索すると、世の中、詳しい人がいっぱいいるのを実感しますね。

2015年3月1日日曜日

マジックの始め方(クロースアップ)⑤カードの雑学

④までではカードの外見に関する知見を得るための雑学をお届けしましたが、今回はカードの表面に関する知識編となります。

まず、日本でカードのことをトランプと呼ぶようになった由来についてです。
元々は西洋でカードとかDeck of CardsとかPlaying Cardsと呼ばれているものを日本ではトランプと呼ばれます。これは元々切り札ということを意味しておりました。外国人がカードゲームをしているときにしきりに『トランプ』と叫ぶので、日本人はカードゲームのことを『トランプ』と呼ぶのだ、と勘違いし、今に至るようです。事の始まりは鹿鳴館時代の明治20年前後のこととのことです。

 参考文献:松田道弘『トランプ・マジック』(1989)p.13筑摩書房
 参考リンク:『トランプ-語源由来辞典』

トランプは52枚なのは1年が52週だから、という資料がありました。 
 参考リンク『実は意味があった!トランプに隠された5つの秘密』

また、スート(♤♡♢♧)については、14世紀後半から15世紀前半頃、昔から使われていたコイン、剣、杖、杯が今でいうクラブ、スペード、ダイヤ、ハートにデザインしなおされたとのことです。
しかし、イタリアでは一組40枚のトランプ 、スペインでは48枚のトランプで、昔ながらの杯、剣、コイン、杖という模様の物を使っているというような記載があります。

 参考文献:(John Scarne "Scarne's new complete guide to gambling"(1986)p.625-636 Simon & Schuster, inc.)

 ということで、トランプの枚数が1年を表す、という説はどうも無理があるようです。しかし、マジックのストーリーとしては何となくおしゃれですので、そういう説もあるとして使うと、何となく、いい薀蓄のように聞こえるのも確かです。本内容は見なかったことにして、その話を使っておきましょう。
トランプの由来についても、 原始的な妖術師が将来を占うために使っていた矢や四足獣の骨などが進化してできたもの、といったような内容含め、上記のJohn Scarneの本に色々歴史が記載されております。私はこれ以上英文読んで説明するのが面倒なので、興味のある人は元文献に当たって読んでください。


ジャック、クイーン、キングの絵札がありますが、これらそれぞれのスートごとにモデルがいるとのことです。
絵札の由来については
参考リンク:『トランプ(プレイングカード)について コラム』トランプの絵札、絵柄の人物
の解説に全面依存しております。


♤K スペードのキング「ダビデ王」(?~970BC)

♡K ハートのキング 「シャルルマーニュ」(742年~814年)

♧K クラブのキング 「アレキサンダー大王」(356BC~323BC)

♢K ダイヤのキング 「ジュリアス・シーザー」(100BC~44BC)
  

あまり気づきませんでしたが、ハートのキングだけひげがありません。どうも、最初に木版の原板を作った時に、職人がひげを誤って削ってしまったので、それ以来ひげなしのキングとなったようです(本当なんでしょうか?)
これら4人のキングは、西欧文化の基礎となった4つの文明「ヘブライ(イスラエル・ユダヤの別称)」「神聖ローマ帝国」「ギリシャ」「古代ローマ帝国」を表しているとのことです。 キングについて、「シャルルマーニュ」さんだけはあまりなじみがありませんが、他の方はさすがに日本でも有名な方々ですね。
 

♤Q スペードのクイーン「パラス・アテナ」(Pallas Athena)

♡Q ハートのクイーン 「ジュディス」(Judith) 

♧Q クラブのクイーン 「アージン」(Argine、アルジーヌ)

♢Q ダイヤのクイーン 「ラケル」(Rachel、英語読みレイチェル)

クイーンについては聖書に登場する方や、有名な王の妻とかで、いまいちなじみがありませんが、まあそれはそれは素晴らしい方々のようです。 

♤J スペードのジャック 「オジェ・ル・ダノワ」(Ogier le danois)


♡J ハートのジャック  「ラハイヤ」(La Hire)

♧J クラブのジャック  「ランスロット」(Lancelot) 

♢J ダイヤのジャック  「ローラン」又は「ヘクトール」

ジャックは従者ということで、勇者揃いのようですが、こちらも歴史的には日本人にあまりなじみがないようです(私だけかも?)。

ということで、絵札の人物にかこつけたストーリーを作ってマジックをすると楽しくなるかもしれません。
ただし、これまで、全く本題の手品・マジックの話を行っていませんので、まだまだ道のりは遠いですが。

非常識なマジック入門講座としては、この辺の話は本筋ではないので、さっさとマジックをできるようになりたい方は飛ばしましょう、というのが結論です。    

2015年2月28日土曜日

マジックの始め方(クロースアップ)④カードの道具

そんなにいっぱい書くつもりのなかったカード編ですが、最後に、形状の異なったカードを紹介します。
普通のポーカーサイズ以外に、ソリテアといった一人遊びに用いられるミニカードや、パーラー、サロンマジックといった大人数に用いられるジャンボカードがあります(写真1、2)。
ミニカードとジャンボカードはサイズが異なるだけでなく、エンボス加工がないので、ポーカーサイズのように滑らず、テーブルで綺麗に広げるのは困難です。
各カードは写真2に定規を当てているので、参考にしてください。ミニカードはポーカーサイズの2分の1の面積で、ジャンボカードはポーカーサイズの4倍の面積となっています。また、ジャンボカードの厚みはボール紙といった感じの分厚さで、相当重いです。ただ、現在販売されているジャンボカードの赤色は相当薄いものになっているようです。
これ以外にポーカーサイズの2倍の面積あるセミジャンボトランプといったサイズの物も100均では販売されております。
写真1.左:ミニカード、中央:レギュラーのポーカーサイズ、右:ジャンボカード


写真2.各種カードのサイズ比較

形自体が特殊なカードにCrooked Cardというものがあります。これはカード自体がねじれたジグザグ状になったものです(写真3)。写真3の外箱のようなカードが入っておりますが、非常に取扱いしにくそうなカードです。
写真3.Crooked Cardの外箱(未開封)

これ以外にも円形のカードとかが存在します。
参考リンク⇒『ペンタクル』丸形トランプ

ということで、カードも色々な裏模様や種類、形状のものが存在しているという雑学をお届けしました。