マジックの始め方(クロースアップ)①カードの道具編にも記載してありますが、だいたい、カード、コイン、輪ゴムその他、扱ってみたいと思う道具が決まっていると思います。
道具は決まっているけど、具体的なマジックとして、どれを演じたいか決まっていない場合には、色々な内容が掲載されている書籍やDVDから学んでみましょう。
例えばカードの場合、私の部屋にある書籍だけでも相当ありますが、初心者向け、と言われると考えてしまいます。
今でこそ多くの書籍を保有しておりますが、小さい頃にマジックを始めようとして近くの本屋さんにあった、トランプ手品(真次久著、高橋書店)というのを買って練習したのが始まりです。
正直、読んでやり方を理解できればなんでもいいのですが、今更初心者に戻れないので、複数のマジックが掲載され、比較的評判の良い物を紹介します。絶版のものが多いですが、中古で入手可能だったりします。
カードマジックについて
DVDで覚えるカードマジック:ヒロサカイ著、成美堂出版、2005
・絶版ですが、分かりやすく解説されており、初心者にも親切な内容となっているようです(すみません、持っていないので間接情報です)。
トランプ・マジック:松田道弘著、ちくま文庫、1989
・技法的な物を必要とせず、セリフや現象の背景にあるものを細かく描写しており、慣れていないとくどい本かもしれませんが、非常にためになり、初心者が覚えるマジックには良いと思います。
奇術入門シリーズ カードマジック:高木重朗著、東京堂出版、1987
・前半はやさしいカードマジックとして技法をほとんど用いないマジックで後半は本格的なカードマジックということで、名手たちの有名マジックが解説されています。
本当の初心者にはこれでも難しいかもしれませんが、マジックの選択眼が非常に良く、これ一冊マスターしていると、カードマジックのエキスパートと思われるくらいのレパートリーとなるでしょう。
今では前田知洋演技で有名となったトライアンフやダイヤのAとハートのAを用いたお金と愛情のカードマジックですが、ダイ・バーノンやDr.Daleyのラストトリックの原案が記載されております。
カードマジック入門事典:高木重朗・麦谷真里編、東京堂出版、1987
・事典なので、ひたすらアウトラインと多数の有名マジックが現象ごとに記載されています。一応最低限の絵とか解説があるので、慣れていれば演じることは可能です。上記に挙げた本で慣れてから読み進めた方が良いと思います。ただし、コントロールの章にある『カード奇術の見せ方』の内容は非常にクロースアップマジックを演じる上で直面する問題点への対処法記載されており、参考になるので、見ておいた方が良いです。
本書も絶版のようです。
ロベルト・ジョビーのカードカレッジ(1~4巻):Robbert Giobbi著、加藤友康訳(1、2巻)、壽里竜訳(3、4巻)、東京堂出版
・カードのあらゆる技法の詳細が記載されたまさに、大事典といった感じの本。よくこれだけの内容を執筆したな、という大作です。ここに掲載されている技法をマスターすれば十分というか、達人とみなされるでしょう。各技法の動きに疑問を感じたら、本書で確認する、という使い方が良いかもしれません。
比較的新しめの技法は掲載されておりませんが、そういうものは個々が必要に応じて購入してください。
あと、DVDでは難易度高くなってしまうのですが
Easy to Master Card Miracles(Vol.1~7)日本語字幕版、Michael Ammar、スクリプトマヌーヴァ
・元々L&L Publishingというところから9巻セットで発売された動画レクチャーです。Ammarの演技自体はほぼ原作に近いスタイルで行われていますので、比較的癖のないオーソドックスな演技が学べます。色々な角度からの解説が見れるので、勉強になります。スクリプトマヌーヴァにて日本語字幕を付けていますので、内容の理解も十分できます。ただし、英語わかる人が聞くと気づきますが、そのまま直訳していませんので、何となく英語で聞いたときのイメージと違う表現になっていることがあります。どういうわけか8巻と9巻は日本語字幕版がありません。たぶん後半の巻はマニアックなので、需要がないと判断したのでしょう。
DVDには本編で使われるマジックのギミックカードが付属しています。
コインについて
基礎からはじめるコインマジック:二川滋夫著、東京堂出版、2006
・かつて発売されていた『季刊ザ・マジック』に講座として連載されていた内容をまとめたものです。書籍のコインマジック本はあまりなく、さらに初心者にお勧めとなると、この本くらいしか思いつきません(もちろん、他にもコインマジックの入っている本は色々ありますが)。
中にはコインボックスやパースフレームを使った、著者の趣味が多分に反映された内容となっています。
DVD
David Stone Coin magic, David Stone, Stephane Jardonnet Productions
デビッド・ストーンによるコインマジック2巻組。フランス語話者デビッド・ストーンの英語吹き替え版です。基本的なコインマジックから上級者向けのコインマジックまでを解説されています。
$ドルShockショック、黒田文彦、マジックムーブメント
他にも日本人のコインDVDあるのですが、初心者から学べるものとして本DVDを挙げました。
タイトルは何だか良くわからないふざけた内容ですが、実際の中身は至ってまともで、基本的な技法の解説もあります。黒田氏は大変博識で、作品のクレジット等も色々言ってくれるので、中上級者の方にも参考になります。ただし、価格が高いので、必ず買いなさい、ということではないからあしからず。
クロースアップマジック全般について
即席マジック入門:松田道弘、ちくま文庫、1987
・元々は金沢文庫より1974年に『クロースアップ・マジック』として刊行されたものがリニューアルされたものですが、本書もまた絶版となっております。マジック関係の書籍は売れないためかすぐ絶版になりますので、書店にあるあいだに入手しておきましょう。
本書はコインマジックやそれ以外の比較的テクニックを必要とし、練習しないとまともに見せることのできないマジックを揃えています。そういう意味ではマジック的動きの練習にもってこいの内容です。スムーズにできるようになれば、一人前のマジシャンとして皆から認められうる内容だとおもいます。
当然DVDとかありませんので、文字と挿絵だけで学ぶことになれていないと辛いかもしれません。
即席マジック入門事典:麦谷真里編、東京堂出版、1997
・色々なシチュエーションごとにマジックを分け、解説した事典です。ポイント、デバック、バックアップと言った、普通のマジック本にはない、演技する上で、客から言われて困る内容への対処方法や準備する際のポイント等を解説した、事典とはいえ、実際にマジックを見せることを想定した良書です。
比較的難易度の低い物が多いですが、準備面倒なものもあります。やれそうな内容から選んで練習すればいいと思います。
ただし、麦谷氏の書籍は入門という名前でも大抵難しく、中上級以上向けと考えていた方が良いです。
前田知洋の女性のためのマジックレッスン:前田知洋、角矢辛繁著、東京堂出版、2014
女性のための、 ということで、今までのマジック本のような手の絵とややこしい技法の解説に終始した本とは一線を画す書籍です。おしゃれな道具仕立てで、写真を見ているだけで楽しくなる内容です。マジック初めての人にも演じられる内容を選択されています。女性のための、とはなっていますが、男性でも何の問題もなく演技できます。
DVD
クロースアップマジック全般を取り扱ったものというのは難しいですが、
Incredible Magic at the Bar(Vol.1~6),Michael Maxwell,A-1 Magicalmedia
パッケージのカクテルグラス持った姿は何となく恰好良さそうに見えますが、実際の動画にでてくるMichael Maxwellは妙に陽気な、太ったおじさんですので、結構ギャップがあります。
元々はバーマジックのDVDですので、バーカウンターでの演技が主ですが、バーベットとかのゲームみたいなものも含まれています。6巻セットで、ネタは大量に紹介されていますが、中にはどうしようもないネタも入っています。ただ、玉石混合で色々な演技が見られますので、この中から1つや2つやってみたいと思う内容を見つけるのには良いかもしれません。
とても紹介しきれませんが、初心者が見てやってみたい、と思うのに参考になるのではないか、と思われる物を挙げてみました。ただし、これを買え、ということではないので、あくまで自己責任で購入するかどうかは決めて下さい。もちろん人とは違うマジックをするんだ、という方は是非自分でネタ探してきてマスターしていただいて結構です。
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