久しぶりに書籍のレビューとなります。
ヘルダー・ギマレス(Hélder Guimarães)はFISM2006で、ポルトガル人初となるカード部門第1位入賞を果たします。
DVDではSmall Miracles、Red Mirrorといったものが既に発行されています。
他に彼はTEDに『マジックでたどる「偶然」を探す旅』と題して出演しております。リンク先で、日本語字幕付きの動画を見ることができます。
リフレクションズ(REFLECTIONS)は彼の作品を作る時の発想する術と、実際のサトルティの工夫、いかに現象が起こるのと、ダーティーワークを行うタイミングをずらすかの戦略について、彼の持ちネタにおいて説明していくという、クロースアップマジックの理論書となっております。
端的に言いますと、入門者が買ってもさっぱりわからないので、後回しにした方が良いと思います。
そうでない方でも結構本書を読みこなすのは大変だと思われます。
まず、現象は相当不思議なことが何の手がかりもなく起こるようなものなのですが、これを書籍の文章だけ読んでイメージすることは相当難しいです。
次に、収録されているマジックは、『カード、サイン、グラス』『スリーカード&ボックス』『スリー・プログレッシブ・チョイス』『エース&グラス』『カード、数字、マッチ』の5つだけなのですが、いずれも結構セッティングが面倒なものとなっております。そのため、実際に手に取ってセッティングしないと中々何のことか理解しにくくなっています。
おそらく、これを読んでも、実際に自分のレパートリーにしようと思う人は少ないと思います。
『カード、サイン、グラス』は2つのグラスに入れた青い10枚のパケットと赤い10枚のパケットのうち、赤いパケット2枚に客にサインさせて、何の痕跡も残さず、青いパケットにサイン付赤カードを2枚とも移動させるという、カードアクロスの手順です。
ワイングラスを使いながら、客との距離を生かして、巧みにカードを入れ替えるのですが、最終段階では何もしていないのに、サインカードが飛び移ったかのように見えます。
『スリーカード&ボックス』:3人の客にカードを1枚ずつ選んでもらいます。そのうち1枚だけ(この場合ハートのAとします)に表側にサインをしてもらいます。空のカードケースにデック1組をぱらぱらと弾いて風を起こすと、箱が動き、ケースの下から1人目の客の選んだカードが出てきます。もう一度デックを同じように弾いてみると今度はカードケースとそれを覆うセロファンの間に2人目の客の選んだカードが挟まっています。デックをリボン状に広げると3人目の客の選んだハートのAが 入っているのが見えます。デックを閉じて揃えて、もう一度デックを弾いて風を起こします。すると、またセロファンの間に3人目の客のカードが入ったかと思うと、今度は箱にマジシャンが手も触れないのに、箱の中からサインされたカードが折りたたまれて出てきます。
『スリーカード&ボックス』:3人の客に3枚のカードを覚えてもらいます。1人目の客に覚えたカードの名前を言ってもらいます。すると、マジシャンは客のカードは22枚目にある、と言って、人差し指でデックの半分を跳ね上げて上半分を表替えします。22枚目を数えると、1人目の客のカードが出てきます。
次の客に覚えたカードを言ってもらい、『スペードの7』と答えたら『SEVEN OF SPADE』という文字の数“5+2+5=12枚目”から客の選んだスペードの7が出てきます。
デック全体をスプレッドしていくとすべて白いカードになっています。 そして中央に1枚裏向きのカードがあります。3人目の客に選んだカードを言ってもらうと、1枚裏向きのカードが3人目の客のカードとなっています。
『エース&グラス』:2枚の赤いエースと2枚の黒いエースを取り出します。黒いエース2枚を机の上に裏返しに置きます。赤いエース2枚はグラスにエースの側が客に見えるように置きます。ハンカチを掛けておまじないを唱えると、一瞬でグラスの中のカードが2枚の黒いエースに変わります。机の上の2枚は赤いエースに変わっています。
『カード、数字、マッチ』:エニーカード・アット・エニーナンバーの現象です。客にデックの表がバラバラなことを示します。シャッフルした後、リボンスプレッドします。客に1枚選んでもらい、カードを覚えてもらいます。覚えたら再びデックにカードを戻し混ぜます。続いて客にマッチ箱を持ってもらい、1~52までのカードで好きな数字を言ってもらいます。『18』と言われると、18枚目から客のカードが出てきます。そして、マッチ箱の中からは客の選んだカードと同じカードが折りたたんで予言されています。
ギマレスはこれらのマジックを3段階の手順を踏んで、一足先にセッティングを済ませてしまい、種の手がかりさえつかませない巧妙さで現象を実現させます。それもあまり高度な技法に頼らず行ってしまうため、非常にクリアーな現象となっています。
ただし、前にも書いたようにセットアップが相当必要なものが多いので、デックスイッチが必要と一見思わせますが、セッティングされていないカードで他のカードマジックを行うなどして、仕掛けの影さえ見せぬなど、どうやって不思議さを構築していくかの詳細を解説しています。
自分がやってみたい現象を実現するためにどうすべきか、ということに対し、何らかの指針にはなると思いますが、大変高度な内容です。
2015年9月20日日曜日
2015年4月16日木曜日
図解カードマジック大事典
誰が読むのか、と思いながらブログを書いている一方で、多少なりともPV(ページビュー)が増えてくれるといいな、という虫のいいことを考えている自分がいます。
正直、PV増やすには種明かしすればいいのですが、さすがにそんなことは私にはできません。大体なんで自分が苦労して集めたり、練習したりした種や工夫をそんな安売りしないといけないのだ、というのが本当の所です。種明かしブログにしないのは、表向きはマジックのマナーや常識云々とか、他の人が楽しめなくなるから、とかみたいな高尚なことを言いながらも、本音ベースでは苦労して得たものを独占したいという多少自己中心的な理由が大きいです。こう思うのは私だけでしょうか?
なので、他人の種は明かせないので、自分がなぜ『図解カードマジック大事典』の記事を唐突に書こうとしているかというと、まだ比較的出版されて新しいし、あまり書評も出ていないので、多少なりとも注目されたいからです(あっ、本音を言ってしまった。こういう種は明かしてもいいよね、たぶん)。
東京堂出版からは『カードマジック事典』という高木重朗編の昭和58年(1983年)初版の有名な書籍があります。これ以前にはさほど詳しいカードマジックの本はマニア向け以外にほとんどありませんでしたが、海外の最新マジックを紹介しまくっている名著です。しかし、あくまで事典ということで、技法の解説はあるものの、奇術の紹介の部分はほぼ箇条書きで、これだけ見てまともに演じられる人は少なくとも中級以上の人でなければなりませんでした。
また、本書は出版されてから30年以上経過し、編者も既に故人ということで、新たな事典である『図解カードマジック大事典』宮中桂煥著 として全く新しい本として生まれ変わったものです。
『図解カードマジック大事典』の特徴として、カードマジック事典より、でかく、分厚いです。とても普通に持ち歩くのには適していないので、お家で一人静かに少しずつ読んでいくような本となっています。
内容的にはカードマジック事典と同様に技法編、奇術編があり、さらに学習編という章が加わり、海外の洋書の紹介や実際に奇術を行うときのヒント的が示されており、パフォーマーとしてやりたい人には参考になります。
技法編は絵で説明されており、ほぼカードマジック事典と同じ内容は含まれておりますが、一部変更があります。以前は独立した章であったグライドがフォールスディールの中に入れられてしまっているのは時代を感じます。確かにグライドを行うマジックも最近ではほとんどないような気がします。
また、新しい技法ではレナート・グリーンのスナップ・ディールとかが加えられています。スナップ・ディールの冊子を単体で購入した身としては、若干悲しいですが、まあ、そんなに詳しく載っていないので良しとします。
ただ、技法的には比較的クラシックなマジックを演じるためのものがほとんどで、もっと新しくマニアックな技法(アッシャーツイストやロードランナーカル、レイズライズ等)は記載されていないので、個々の技法のDVD等を購入して学習してください。
奇術編については、こちらの説明は写真となっています。カードマジック事典、カードマジック入門事典との内容重複は相当数あります。原題と考案者について全てに記載されております(一部はっきりしないものは不明となっています)。内容的にはクラシックなマジックが網羅され、今まで日本の書籍で解説されたものが存在していなかったポール・ハリスの『リセット』原案の解説もされています。また片倉雄一『ダブルショック』や初出の『片倉のラスト・トリック』など日本人の作品も取り上げています。
クラシックなカードマジックの原案者や手順を学ぶのには非常に役に立つ書籍です。
ただし、現在のようにDVDで動画見てマジックを学ぶことに慣れた人たちにとっては、この書籍の説明では不親切、とかいうコメントをつけてしまうかもしれません。本で学ぶことに慣れている人であれば、相当数のクラシックなマジックを習うことができお得だとおもいます。
現在はマジック関係含め書籍が売れなくなっていますので、早めに購入しておかないと、再販されずに絶版になってしまい、購入機会を永遠に失ってしまうかもしれません。
マジックにだいぶどっぷりつかっているので感覚狂っているかもしれませんが、6400円+消費税の価格が高いと思う方も今だと多いでしょうね。これより遥かに薄いレクチャーノートが3000円とか5000円とかだったりするのを知っていると、この厚さでなんと格安なのだろう、というのが本音の所です。
ただ、初心者の方はこの本を買って最初から読んで学ぼうとすると、挫折する可能性大なので、もっと簡単な取り組みやすいものからスタートした方が良いと思います。
正直、PV増やすには種明かしすればいいのですが、さすがにそんなことは私にはできません。大体なんで自分が苦労して集めたり、練習したりした種や工夫をそんな安売りしないといけないのだ、というのが本当の所です。種明かしブログにしないのは、表向きはマジックのマナーや常識云々とか、他の人が楽しめなくなるから、とかみたいな高尚なことを言いながらも、本音ベースでは苦労して得たものを独占したいという多少自己中心的な理由が大きいです。こう思うのは私だけでしょうか?
なので、他人の種は明かせないので、自分がなぜ『図解カードマジック大事典』の記事を唐突に書こうとしているかというと、まだ比較的出版されて新しいし、あまり書評も出ていないので、多少なりとも注目されたいからです(あっ、本音を言ってしまった。こういう種は明かしてもいいよね、たぶん)。
東京堂出版からは『カードマジック事典』という高木重朗編の昭和58年(1983年)初版の有名な書籍があります。これ以前にはさほど詳しいカードマジックの本はマニア向け以外にほとんどありませんでしたが、海外の最新マジックを紹介しまくっている名著です。しかし、あくまで事典ということで、技法の解説はあるものの、奇術の紹介の部分はほぼ箇条書きで、これだけ見てまともに演じられる人は少なくとも中級以上の人でなければなりませんでした。
また、本書は出版されてから30年以上経過し、編者も既に故人ということで、新たな事典である『図解カードマジック大事典』宮中桂煥著 として全く新しい本として生まれ変わったものです。
『図解カードマジック大事典』の特徴として、カードマジック事典より、でかく、分厚いです。とても普通に持ち歩くのには適していないので、お家で一人静かに少しずつ読んでいくような本となっています。
内容的にはカードマジック事典と同様に技法編、奇術編があり、さらに学習編という章が加わり、海外の洋書の紹介や実際に奇術を行うときのヒント的が示されており、パフォーマーとしてやりたい人には参考になります。
技法編は絵で説明されており、ほぼカードマジック事典と同じ内容は含まれておりますが、一部変更があります。以前は独立した章であったグライドがフォールスディールの中に入れられてしまっているのは時代を感じます。確かにグライドを行うマジックも最近ではほとんどないような気がします。
また、新しい技法ではレナート・グリーンのスナップ・ディールとかが加えられています。スナップ・ディールの冊子を単体で購入した身としては、若干悲しいですが、まあ、そんなに詳しく載っていないので良しとします。
ただ、技法的には比較的クラシックなマジックを演じるためのものがほとんどで、もっと新しくマニアックな技法(アッシャーツイストやロードランナーカル、レイズライズ等)は記載されていないので、個々の技法のDVD等を購入して学習してください。
奇術編については、こちらの説明は写真となっています。カードマジック事典、カードマジック入門事典との内容重複は相当数あります。原題と考案者について全てに記載されております(一部はっきりしないものは不明となっています)。内容的にはクラシックなマジックが網羅され、今まで日本の書籍で解説されたものが存在していなかったポール・ハリスの『リセット』原案の解説もされています。また片倉雄一『ダブルショック』や初出の『片倉のラスト・トリック』など日本人の作品も取り上げています。
クラシックなカードマジックの原案者や手順を学ぶのには非常に役に立つ書籍です。
ただし、現在のようにDVDで動画見てマジックを学ぶことに慣れた人たちにとっては、この書籍の説明では不親切、とかいうコメントをつけてしまうかもしれません。本で学ぶことに慣れている人であれば、相当数のクラシックなマジックを習うことができお得だとおもいます。
現在はマジック関係含め書籍が売れなくなっていますので、早めに購入しておかないと、再販されずに絶版になってしまい、購入機会を永遠に失ってしまうかもしれません。
マジックにだいぶどっぷりつかっているので感覚狂っているかもしれませんが、6400円+消費税の価格が高いと思う方も今だと多いでしょうね。これより遥かに薄いレクチャーノートが3000円とか5000円とかだったりするのを知っていると、この厚さでなんと格安なのだろう、というのが本音の所です。
ただ、初心者の方はこの本を買って最初から読んで学ぼうとすると、挫折する可能性大なので、もっと簡単な取り組みやすいものからスタートした方が良いと思います。
2015年3月1日日曜日
マジックの始め方(クロースアップ)⑤カードの雑学
④までではカードの外見に関する知見を得るための雑学をお届けしましたが、今回はカードの表面に関する知識編となります。
まず、日本でカードのことをトランプと呼ぶようになった由来についてです。
元々は西洋でカードとかDeck of CardsとかPlaying Cardsと呼ばれているものを日本ではトランプと呼ばれます。これは元々切り札ということを意味しておりました。外国人がカードゲームをしているときにしきりに『トランプ』と叫ぶので、日本人はカードゲームのことを『トランプ』と呼ぶのだ、と勘違いし、今に至るようです。事の始まりは鹿鳴館時代の明治20年前後のこととのことです。
参考文献:松田道弘『トランプ・マジック』(1989)p.13筑摩書房
参考リンク:『トランプ-語源由来辞典』
トランプは52枚なのは1年が52週だから、という資料がありました。
参考リンク『実は意味があった!トランプに隠された5つの秘密』
また、スート(♤♡♢♧)については、14世紀後半から15世紀前半頃、昔から使われていたコイン、剣、杖、杯が今でいうクラブ、スペード、ダイヤ、ハートにデザインしなおされたとのことです。
しかし、イタリアでは一組40枚のトランプ 、スペインでは48枚のトランプで、昔ながらの杯、剣、コイン、杖という模様の物を使っているというような記載があります。
参考文献:(John Scarne "Scarne's new complete guide to gambling"(1986)p.625-636 Simon & Schuster, inc.)
ということで、トランプの枚数が1年を表す、という説はどうも無理があるようです。しかし、マジックのストーリーとしては何となくおしゃれですので、そういう説もあるとして使うと、何となく、いい薀蓄のように聞こえるのも確かです。本内容は見なかったことにして、その話を使っておきましょう。
トランプの由来についても、 原始的な妖術師が将来を占うために使っていた矢や四足獣の骨などが進化してできたもの、といったような内容含め、上記のJohn Scarneの本に色々歴史が記載されております。私はこれ以上英文読んで説明するのが面倒なので、興味のある人は元文献に当たって読んでください。
ジャック、クイーン、キングの絵札がありますが、これらそれぞれのスートごとにモデルがいるとのことです。
絵札の由来については
参考リンク:『トランプ(プレイングカード)について コラム』トランプの絵札、絵柄の人物
の解説に全面依存しております。
♤K スペードのキング「ダビデ王」(?~970BC)
♡K ハートのキング 「シャルルマーニュ」(742年~814年)
♧K クラブのキング 「アレキサンダー大王」(356BC~323BC)
♢K ダイヤのキング 「ジュリアス・シーザー」(100BC~44BC)
あまり気づきませんでしたが、ハートのキングだけひげがありません。どうも、最初に木版の原板を作った時に、職人がひげを誤って削ってしまったので、それ以来ひげなしのキングとなったようです(本当なんでしょうか?)
これら4人のキングは、西欧文化の基礎となった4つの文明「ヘブライ(イスラエル・ユダヤの別称)」「神聖ローマ帝国」「ギリシャ」「古代ローマ帝国」を表しているとのことです。 キングについて、「シャルルマーニュ」さんだけはあまりなじみがありませんが、他の方はさすがに日本でも有名な方々ですね。
♤Q スペードのクイーン「パラス・アテナ」(Pallas Athena)
♡Q ハートのクイーン 「ジュディス」(Judith)
♧Q クラブのクイーン 「アージン」(Argine、アルジーヌ)
♢Q ダイヤのクイーン 「ラケル」(Rachel、英語読みレイチェル)
クイーンについては聖書に登場する方や、有名な王の妻とかで、いまいちなじみがありませんが、まあそれはそれは素晴らしい方々のようです。
♤J スペードのジャック 「オジェ・ル・ダノワ」(Ogier le danois)
♡J ハートのジャック 「ラハイヤ」(La Hire)
♧J クラブのジャック 「ランスロット」(Lancelot)
♢J ダイヤのジャック 「ローラン」又は「ヘクトール」
ジャックは従者ということで、勇者揃いのようですが、こちらも歴史的には日本人にあまりなじみがないようです(私だけかも?)。
ということで、絵札の人物にかこつけたストーリーを作ってマジックをすると楽しくなるかもしれません。
ただし、これまで、全く本題の手品・マジックの話を行っていませんので、まだまだ道のりは遠いですが。
非常識なマジック入門講座としては、この辺の話は本筋ではないので、さっさとマジックをできるようになりたい方は飛ばしましょう、というのが結論です。
まず、日本でカードのことをトランプと呼ぶようになった由来についてです。
元々は西洋でカードとかDeck of CardsとかPlaying Cardsと呼ばれているものを日本ではトランプと呼ばれます。これは元々切り札ということを意味しておりました。外国人がカードゲームをしているときにしきりに『トランプ』と叫ぶので、日本人はカードゲームのことを『トランプ』と呼ぶのだ、と勘違いし、今に至るようです。事の始まりは鹿鳴館時代の明治20年前後のこととのことです。
参考文献:松田道弘『トランプ・マジック』(1989)p.13筑摩書房
参考リンク:『トランプ-語源由来辞典』
トランプは52枚なのは1年が52週だから、という資料がありました。
参考リンク『実は意味があった!トランプに隠された5つの秘密』
また、スート(♤♡♢♧)については、14世紀後半から15世紀前半頃、昔から使われていたコイン、剣、杖、杯が今でいうクラブ、スペード、ダイヤ、ハートにデザインしなおされたとのことです。
しかし、イタリアでは一組40枚のトランプ 、スペインでは48枚のトランプで、昔ながらの杯、剣、コイン、杖という模様の物を使っているというような記載があります。
参考文献:(John Scarne "Scarne's new complete guide to gambling"(1986)p.625-636 Simon & Schuster, inc.)
ということで、トランプの枚数が1年を表す、という説はどうも無理があるようです。しかし、マジックのストーリーとしては何となくおしゃれですので、そういう説もあるとして使うと、何となく、いい薀蓄のように聞こえるのも確かです。本内容は見なかったことにして、その話を使っておきましょう。
トランプの由来についても、 原始的な妖術師が将来を占うために使っていた矢や四足獣の骨などが進化してできたもの、といったような内容含め、上記のJohn Scarneの本に色々歴史が記載されております。私はこれ以上英文読んで説明するのが面倒なので、興味のある人は元文献に当たって読んでください。
ジャック、クイーン、キングの絵札がありますが、これらそれぞれのスートごとにモデルがいるとのことです。
絵札の由来については
参考リンク:『トランプ(プレイングカード)について コラム』トランプの絵札、絵柄の人物
の解説に全面依存しております。
♤K スペードのキング「ダビデ王」(?~970BC)
♡K ハートのキング 「シャルルマーニュ」(742年~814年)
♧K クラブのキング 「アレキサンダー大王」(356BC~323BC)
♢K ダイヤのキング 「ジュリアス・シーザー」(100BC~44BC)
あまり気づきませんでしたが、ハートのキングだけひげがありません。どうも、最初に木版の原板を作った時に、職人がひげを誤って削ってしまったので、それ以来ひげなしのキングとなったようです(本当なんでしょうか?)
これら4人のキングは、西欧文化の基礎となった4つの文明「ヘブライ(イスラエル・ユダヤの別称)」「神聖ローマ帝国」「ギリシャ」「古代ローマ帝国」を表しているとのことです。 キングについて、「シャルルマーニュ」さんだけはあまりなじみがありませんが、他の方はさすがに日本でも有名な方々ですね。
♤Q スペードのクイーン「パラス・アテナ」(Pallas Athena)
♡Q ハートのクイーン 「ジュディス」(Judith)
♧Q クラブのクイーン 「アージン」(Argine、アルジーヌ)
♢Q ダイヤのクイーン 「ラケル」(Rachel、英語読みレイチェル)
クイーンについては聖書に登場する方や、有名な王の妻とかで、いまいちなじみがありませんが、まあそれはそれは素晴らしい方々のようです。
♤J スペードのジャック 「オジェ・ル・ダノワ」(Ogier le danois)
♡J ハートのジャック 「ラハイヤ」(La Hire)
♧J クラブのジャック 「ランスロット」(Lancelot)
♢J ダイヤのジャック 「ローラン」又は「ヘクトール」
ジャックは従者ということで、勇者揃いのようですが、こちらも歴史的には日本人にあまりなじみがないようです(私だけかも?)。
ということで、絵札の人物にかこつけたストーリーを作ってマジックをすると楽しくなるかもしれません。
ただし、これまで、全く本題の手品・マジックの話を行っていませんので、まだまだ道のりは遠いですが。
非常識なマジック入門講座としては、この辺の話は本筋ではないので、さっさとマジックをできるようになりたい方は飛ばしましょう、というのが結論です。
2015年2月28日土曜日
マジックの始め方(クロースアップ)④カードの道具
そんなにいっぱい書くつもりのなかったカード編ですが、最後に、形状の異なったカードを紹介します。
普通のポーカーサイズ以外に、ソリテアといった一人遊びに用いられるミニカードや、パーラー、サロンマジックといった大人数に用いられるジャンボカードがあります(写真1、2)。
ミニカードとジャンボカードはサイズが異なるだけでなく、エンボス加工がないので、ポーカーサイズのように滑らず、テーブルで綺麗に広げるのは困難です。
各カードは写真2に定規を当てているので、参考にしてください。ミニカードはポーカーサイズの2分の1の面積で、ジャンボカードはポーカーサイズの4倍の面積となっています。また、ジャンボカードの厚みはボール紙といった感じの分厚さで、相当重いです。ただ、現在販売されているジャンボカードの赤色は相当薄いものになっているようです。
これ以外にポーカーサイズの2倍の面積あるセミジャンボトランプといったサイズの物も100均では販売されております。
写真1.左:ミニカード、中央:レギュラーのポーカーサイズ、右:ジャンボカード
写真2.各種カードのサイズ比較
形自体が特殊なカードにCrooked Cardというものがあります。これはカード自体がねじれたジグザグ状になったものです(写真3)。写真3の外箱のようなカードが入っておりますが、非常に取扱いしにくそうなカードです。
写真3.Crooked Cardの外箱(未開封)
これ以外にも円形のカードとかが存在します。
参考リンク⇒『ペンタクル』丸形トランプ
ということで、カードも色々な裏模様や種類、形状のものが存在しているという雑学をお届けしました。
普通のポーカーサイズ以外に、ソリテアといった一人遊びに用いられるミニカードや、パーラー、サロンマジックといった大人数に用いられるジャンボカードがあります(写真1、2)。
ミニカードとジャンボカードはサイズが異なるだけでなく、エンボス加工がないので、ポーカーサイズのように滑らず、テーブルで綺麗に広げるのは困難です。
各カードは写真2に定規を当てているので、参考にしてください。ミニカードはポーカーサイズの2分の1の面積で、ジャンボカードはポーカーサイズの4倍の面積となっています。また、ジャンボカードの厚みはボール紙といった感じの分厚さで、相当重いです。ただ、現在販売されているジャンボカードの赤色は相当薄いものになっているようです。
これ以外にポーカーサイズの2倍の面積あるセミジャンボトランプといったサイズの物も100均では販売されております。
写真1.左:ミニカード、中央:レギュラーのポーカーサイズ、右:ジャンボカード
写真2.各種カードのサイズ比較
形自体が特殊なカードにCrooked Cardというものがあります。これはカード自体がねじれたジグザグ状になったものです(写真3)。写真3の外箱のようなカードが入っておりますが、非常に取扱いしにくそうなカードです。
写真3.Crooked Cardの外箱(未開封)
これ以外にも円形のカードとかが存在します。
参考リンク⇒『ペンタクル』丸形トランプ
ということで、カードも色々な裏模様や種類、形状のものが存在しているという雑学をお届けしました。
2015年2月22日日曜日
マジックの始め方(クロースアップ)③カードの道具
引き続き、カードに関する雑学となります。
今回は、特殊デザインのカード(主に裏面の話)となります。いわゆるギミックデックの話はありません。さっさとクロースアップマジックの基礎を知りたい人はこんなことを覚えておかなくてもいいのし、コレクション自慢みたいになってしまっているので、スルーしてください。
マジックに使われるカードはRider Backと呼ばれる物がほとんどですが、それにも青や赤以外にもバリエーションがあります。色が写真1、2に示すような橙・黄・緑のようなものがあります。価格は通常のRider Backより高めです。カードのカラーチェンジするようなマジックで数枚使うことがありますが、普通に使うデックとしては勿体ないので、普通に使うことはお勧めしません。ただ、間違いなく、こんな色のトランプを通常使っているクロースアップマジシャンはいませんので、目立ちたいとか、キャラを確立させたいとかの熱意のある方に対しては、まあそこまで切羽詰っているのなら使ってみれば、としか言いようがありません。
写真1.Rider Backカラーバージョン(箱表面)。
写真2.Rider Backカラーバージョン(箱裏面)。ちょっと黄色は目にまぶしい感じの色合いです。右端は写真だと赤のように見えますが、橙です。実物だとはっきり赤とは異なります。
そして、コレクター向けアイテムとして、箱に鎮座している金・銀のデックがあります(写真3~5)。
なかなか綺麗な色合いですが、勿体なくて使えません。 当然、お値段も上記のカラーデックより高いです。
写真3.金・銀デックの外箱
写真4.金・銀デックの箱の中に入った状態
写真5.金・銀デックの箱裏面
Bicycleではなく、カジノなどのギャンブルに用いられるトランプにBeeというものがあります(写真6、7)。このトランプはふちが白くなく、端まで模様があります。単純な幾何学模様のため、裏側にマークを付けていかさまをすることがしにくくなっています。また端まで模様があるため、ダ○○○○トとか呼ばれるマジックの技法は難しくなります。その代り、セ○○○デ○○とかのギャンブルテクニックはRider Backの物よりやりやすくなります。BeeはRider Backより固めとなっています。また、この幾何学模様のため、ミリオンカードと呼ばれるステージでのカードマジックに用いられたりすることもあります。
Beeも表面にエンボス加工(突起がついて摩擦を減らす加工)がなされており、写真6のようにマット上で容易に広げることができます。 ジョーカーが2枚ついており、広告カードが2枚あります。
写真6.Bee外箱表面
写真7.Bee裏面
写真8.Bee表面。非常に広げやすいです。
実は、日本製でもBeeのようなトランプがあります。エンゼルプレイングカード(株)製で、相当前に購入したものですが、見た目Beeそっくりです。現在、エンゼルプレイングカード(株)HPでラインナップを見ると、このように縁なしのBeeみたいなものは製造していないようです(写真9~12)。どこで購入したかはっきり覚えていませんが、大昔スキーに行ったときに、暇つぶしのため、どこかの駅の売店で購入しました。
エンボス加工はされているのですが、古いせいか滑りはあまり良くありません。
写真10で見た通り、まったくBeeと同じ柄であるため、ひょっとしたら、会社として、商標等の関係から、縁付のカードへ移行したのかもしれませんが、推測の域を出ません。
スペードのエースはやはりどのカードも模様は異なります。エンジェルクラブスペシャルのものも独自模様となっております。
そして、ジョーカーが4枚あり、そのうち1枚だけカラージョーカーとなっています。U.S.Playing社製ポーカーサイズカードのジョーカーは違う模様のものが2枚であるため、デュプリケイトを使うマジックの場合、エンジェルクラブスペシャルは便利です。ただ、Rider Backでも、ブリッジサイズは同じ柄のジョーカーが2枚ついています。
写真9.エンジェルクラブスペシャル箱表面
写真10.エンジェルクラブスペシャル箱裏面
写真11.エンジェルクラブスペシャル裏側スプレッド
写真12.エンジェルクラブスペシャル表側スプレッド
番外編として、コインマジック等で金貨や銀貨を使うときに、本当にゴールド柄のトランプを使いたいな、というマニアックな希望を持ったことがあります。そのとき探し出したら、こんなカードが見つかりました(写真13~15)。GOLDEN CARDSと表記されてます。プラスチック製ですが、全面金色にコーティングされており、まさにゴールドそのものの外見です。ただし、普通のトランプゲームをするにはマークと数字の認識がしづらく、全く向いておりません。滑りはプラスチック製ですので悪いです。
何かのマジックに使える日がそのうち来るかもしれません。
写真13.GOLDEN CARDS外箱
写真14.GOLDEN CARDS裏面
写真15.GOLDEN CARDS表面
他にもU.S.Playing社製カードには裏模様が違うものが存在します。サークルバック以外のデック自体は持っておらず、ギャフカードがあったので、下に示しております(写真16)。 タリホーのファンバックは団扇で、バイシクルのファンバックは扇子となっています。
タリホーサークルバックは前田知洋が使用して有名となり、若い方では使う人が増えてきました。私のような平凡愛好家はバイシクルライダーバックを使っております。サークルバックはDai Vernonという伝説的マジシャンが良く使っていたカードで、FINISHの種類がLinoid Finishとなっております。BicycleはAir Cushion Finishとなっており、正直、何がどう違うのかは私には分かりませんし、U.S.Playing社のサイトを見てもちっともわかりませんので、気にしなくて結構です。
クロースアップマジシャンでタリホーを使う人は、ギミックを使わないと宣言しているようなもので、マニアな方やプロの方からすると、何で読んだか忘れましたが、挑戦的に感じられるそうです。でもそんなの関係なしに使いたいんだから仕方がない、ということで、好きに使ってください。そんな感覚を持つマジシャンが異常だと思って結構です。
写真16.左:タリホー ファンバック、中央:タリホー サークルバック、右:バイシクル ニュー ファンバック
レギュラー(普通のサイズ)のカードでも色々な裏面のものが存在しております。他にもカジノで使われていた専用カードとか、何らかの記念に製作されたカードとか、色違いのものとか多数存在しますので、興味ある方はコレクター路線を突っ走って下さい。私はこれ以上深い領域まで突っ込む気はありませんので、ご自由にやって下さい。
今回は、特殊デザインのカード(主に裏面の話)となります。いわゆるギミックデックの話はありません。さっさとクロースアップマジックの基礎を知りたい人はこんなことを覚えておかなくてもいいのし、コレクション自慢みたいになってしまっているので、スルーしてください。
マジックに使われるカードはRider Backと呼ばれる物がほとんどですが、それにも青や赤以外にもバリエーションがあります。色が写真1、2に示すような橙・黄・緑のようなものがあります。価格は通常のRider Backより高めです。カードのカラーチェンジするようなマジックで数枚使うことがありますが、普通に使うデックとしては勿体ないので、普通に使うことはお勧めしません。ただ、間違いなく、こんな色のトランプを通常使っているクロースアップマジシャンはいませんので、目立ちたいとか、キャラを確立させたいとかの熱意のある方に対しては、まあそこまで切羽詰っているのなら使ってみれば、としか言いようがありません。
写真1.Rider Backカラーバージョン(箱表面)。
写真2.Rider Backカラーバージョン(箱裏面)。ちょっと黄色は目にまぶしい感じの色合いです。右端は写真だと赤のように見えますが、橙です。実物だとはっきり赤とは異なります。
そして、コレクター向けアイテムとして、箱に鎮座している金・銀のデックがあります(写真3~5)。
なかなか綺麗な色合いですが、勿体なくて使えません。 当然、お値段も上記のカラーデックより高いです。
写真3.金・銀デックの外箱
写真4.金・銀デックの箱の中に入った状態
写真5.金・銀デックの箱裏面
Bicycleではなく、カジノなどのギャンブルに用いられるトランプにBeeというものがあります(写真6、7)。このトランプはふちが白くなく、端まで模様があります。単純な幾何学模様のため、裏側にマークを付けていかさまをすることがしにくくなっています。また端まで模様があるため、ダ○○○○トとか呼ばれるマジックの技法は難しくなります。その代り、セ○○○デ○○とかのギャンブルテクニックはRider Backの物よりやりやすくなります。BeeはRider Backより固めとなっています。また、この幾何学模様のため、ミリオンカードと呼ばれるステージでのカードマジックに用いられたりすることもあります。
Beeも表面にエンボス加工(突起がついて摩擦を減らす加工)がなされており、写真6のようにマット上で容易に広げることができます。 ジョーカーが2枚ついており、広告カードが2枚あります。
写真6.Bee外箱表面
写真7.Bee裏面
写真8.Bee表面。非常に広げやすいです。
実は、日本製でもBeeのようなトランプがあります。エンゼルプレイングカード(株)製で、相当前に購入したものですが、見た目Beeそっくりです。現在、エンゼルプレイングカード(株)HPでラインナップを見ると、このように縁なしのBeeみたいなものは製造していないようです(写真9~12)。どこで購入したかはっきり覚えていませんが、大昔スキーに行ったときに、暇つぶしのため、どこかの駅の売店で購入しました。
エンボス加工はされているのですが、古いせいか滑りはあまり良くありません。
写真10で見た通り、まったくBeeと同じ柄であるため、ひょっとしたら、会社として、商標等の関係から、縁付のカードへ移行したのかもしれませんが、推測の域を出ません。
スペードのエースはやはりどのカードも模様は異なります。エンジェルクラブスペシャルのものも独自模様となっております。
そして、ジョーカーが4枚あり、そのうち1枚だけカラージョーカーとなっています。U.S.Playing社製ポーカーサイズカードのジョーカーは違う模様のものが2枚であるため、デュプリケイトを使うマジックの場合、エンジェルクラブスペシャルは便利です。ただ、Rider Backでも、ブリッジサイズは同じ柄のジョーカーが2枚ついています。
写真9.エンジェルクラブスペシャル箱表面
写真10.エンジェルクラブスペシャル箱裏面
写真11.エンジェルクラブスペシャル裏側スプレッド
写真12.エンジェルクラブスペシャル表側スプレッド
番外編として、コインマジック等で金貨や銀貨を使うときに、本当にゴールド柄のトランプを使いたいな、というマニアックな希望を持ったことがあります。そのとき探し出したら、こんなカードが見つかりました(写真13~15)。GOLDEN CARDSと表記されてます。プラスチック製ですが、全面金色にコーティングされており、まさにゴールドそのものの外見です。ただし、普通のトランプゲームをするにはマークと数字の認識がしづらく、全く向いておりません。滑りはプラスチック製ですので悪いです。
何かのマジックに使える日がそのうち来るかもしれません。
写真13.GOLDEN CARDS外箱
写真14.GOLDEN CARDS裏面
写真15.GOLDEN CARDS表面
他にもU.S.Playing社製カードには裏模様が違うものが存在します。サークルバック以外のデック自体は持っておらず、ギャフカードがあったので、下に示しております(写真16)。 タリホーのファンバックは団扇で、バイシクルのファンバックは扇子となっています。
タリホーサークルバックは前田知洋が使用して有名となり、若い方では使う人が増えてきました。私のような平凡愛好家はバイシクルライダーバックを使っております。サークルバックはDai Vernonという伝説的マジシャンが良く使っていたカードで、FINISHの種類がLinoid Finishとなっております。BicycleはAir Cushion Finishとなっており、正直、何がどう違うのかは私には分かりませんし、U.S.Playing社のサイトを見てもちっともわかりませんので、気にしなくて結構です。
クロースアップマジシャンでタリホーを使う人は、ギミックを使わないと宣言しているようなもので、マニアな方やプロの方からすると、何で読んだか忘れましたが、挑戦的に感じられるそうです。でもそんなの関係なしに使いたいんだから仕方がない、ということで、好きに使ってください。そんな感覚を持つマジシャンが異常だと思って結構です。
写真16.左:タリホー ファンバック、中央:タリホー サークルバック、右:バイシクル ニュー ファンバック
レギュラー(普通のサイズ)のカードでも色々な裏面のものが存在しております。他にもカジノで使われていた専用カードとか、何らかの記念に製作されたカードとか、色違いのものとか多数存在しますので、興味ある方はコレクター路線を突っ走って下さい。私はこれ以上深い領域まで突っ込む気はありませんので、ご自由にやって下さい。
2015年2月20日金曜日
マジックの始め方(クロースアップ)②カードの道具
前回に引き続き、クロースアップ編②として、少しでも使用する素材に興味を持っていただくため、カード・トランプに関する薀蓄をお届けします。
実のことを言うと、この辺りの内容はクロースアップでカードマジックをするのに直接関係のない雑学です。よって、手っ取り早く基礎知識を習いたいという人にはほとんど不要ですので、さらりと読み流してください。
まず、マジックに使われるカードそのものはどんな模様やタイプがあるか、実例を挙げてお見せします。
現在標準的に用いられているBicycleのカードは、『STANDARD』と書かれた、写真1、2のような箱に入っています。箱の裏模様は従来の物と異なり、広告のような模様が描かれています。
写真1.Bicycle Standard箱の表側
写真2. Bicycle Standard箱の裏側
そして、Bicycle Standardの底面には、写真3の通り、製造年と製造工場(この場合、2009年製で、KY:ケンタッキー工場)が記載されています。U.S.Playing社の番号では808と従来のBicycleの番号が継承されています。
写真3.Bicycle Standard箱の底面
写真1~3が何を意味しているのかを理解するために、旧Bicycle Rider Bacのデザインを説明します。
Bicycle Standardが製造開始される前まで使われていた、100年以上歴史のある模様です。 箱の裏側の模様が中のトランプの裏模様と同じとなっており、これを利用したマジックも多数存在しています。このため、Bicycle Standardになってから、出来なくなった名作が相当数あります。
写真4.旧Bicycle Rider Back箱の表側
写真5.旧Bicycle Rider Back箱の裏側
ただし、旧Bicycle Rider Backデザインの箱でも一部底面の表示が写真6.のように『807-R-TG』という番号の物が存在します。大抵、トリックデックとかギャフデックとか呼ばれる手品に使われる特殊製品で見かける番号ですが、普通のデック(デックとは一組のトランプのこと)も存在します。
『807-R-TG』が何を意味するのか調べたのですが、『あすぱら』カード別使用感 BICYCLE807の記事に言及されています。どうも、マジシャン用に後ほど述べるMandlin Backデザインの物を作ったが、それでも旧Bicycle Rider Backデザインの箱の要望が強く、識別番号807とした、同じデザインのものを復活させたようです。2015年2月現在のU.S.Playing Cardの公式サイトにはBicycle@807 deckとしてラインナップにあります。
正直言えば、そうやって復活させるよりは、Bicycle Standardを廃止して、元の旧Bicycle Rider Backを808に戻せば、デザインの統一が図れ、生産量も増やせ、商品管理も楽になると思うのですが、アメリカ人の考えることは私にはよくわかりません。
現在流通しているのはU.S.Playing 社のケンタッキー工場製のものとなっていますが、オハイオ製のカードの方がマジシャンにとって都合のいい仕上がりのカードとなっているので、オハイオ製は 人気があります。旧バイシクルの箱でもケンタッキー製の物が存在しております。区別方法としては、旧バイシクルの箱でも黒いシールの物はケンタッキー製で ある可能性が高いです。また、ケンタッキー製の物の方がフィルム外装がぴったりくっついた感じで、オハイオ製はフィルムと箱に隙間がある感じになっている という情報もあります。
写真6.旧Bicycle Rider Backデザインの箱『807-R-TG』
旧デザインのBicycleの生産が中止され、旧デザインのBicycle箱を惜しむ人々(たいてい、マジック愛好家)からの要望により、マジシャン用にカードの裁断や旧Bicycleデザインに似せたカード『Mandlin Back』と呼ばれる物が製作されました(写真7~9)。Rider Backが自転車に乗った天使のデザインなのに対し、Mandlin Backは良く見ると、マンドリンを持った天使のデザインとなっております。パッと見はRider Backとそっくりで、ほとんど、Rider Backと見分けのつかないデザインのため、あまり違和感なく、マジックに使えると思います。
写真8.の箱の底面を見てわかる通り、ここは、Bicycle Standardと同様に製造年と製造工場(この場合、2010年製で、KY:ケンタッキー工場)が記載されています。U.S.Playing社の番号では809という番号が割り付けられています。
このようにマジシャン向けにデザインされたのですが、現在は流通が極端に減っているようで、取り扱っていないマジックショップも多いです。
写真7.Mandlin Backの箱表側。ほぼRider Backのデザインを踏襲。
写真8.Mandlin Backの箱裏側。ほぼRider Backのデザインを踏襲。
写真9.Mandlin Back箱の底面。番号は809となっています。
カードマジックをたくさん練習すると、当然紙製トランプですので、消耗してきて、側面が黒くなったり、表面に黒いツブツブがついてきて滑りが悪くなります。カードフラリッシュや難関技法、カードを曲げて飛ばしたりするようなことをする人は消耗が激しいため、大量にカードを購入することになります。
よくある購入単位としては、鉛筆とかと同じく、ダース(12個入り)があります(写真10、11)
Bicycle Standardの物は箱の形が異なっております。そして、通常は赤6個、青6個入りとなっていますが、ショップによっては、赤12個とか青12個とかのダースも購入できます。
安価に購入する方法としては、Yahooオークションをよく見ていれば、格安で購入できるところが必ずあります。
通常店舗で購入する場合、コストコがあれば、会員になる必要はありますが、格安で購入することができます。会員でなければ、知り合いの会員に連れて行ってもらうとか、買ってきてもらうとかすれば購入できます。
そこまでマニアでなければ、1ダースあれば相当カードマジックが練習できます。しかし、さらに極めたい、とか、テーブルホッピングと呼ばれる、前田知洋スタイルで、テーブルごとに新しいデックを使いたい、という方の場合、ダースでは物足りず、グロスという単位で購入することになります。1グロスは12ダースで、144個入りとなります。
個人輸入する手もありますが、重さが重く、船便になるため、到着までに時間がかかり、相当大量に購入しない限りは、代理店やコストコなどで購入した方がBicycleの方は安くなると思います。
写真10.旧Bicycle Rider Backダース箱
写真11.オハイオ製旧Bicycle Rider Back内容(今回の物は赤12デック入り)
ということで、Rider Backのデザインのものをメインに紹介してきましたが、次回は、もう少し特殊なデザインのカードについて、ほんの少し述べたいと思います。
実のことを言うと、この辺りの内容はクロースアップでカードマジックをするのに直接関係のない雑学です。よって、手っ取り早く基礎知識を習いたいという人にはほとんど不要ですので、さらりと読み流してください。
まず、マジックに使われるカードそのものはどんな模様やタイプがあるか、実例を挙げてお見せします。
現在標準的に用いられているBicycleのカードは、『STANDARD』と書かれた、写真1、2のような箱に入っています。箱の裏模様は従来の物と異なり、広告のような模様が描かれています。
写真1.Bicycle Standard箱の表側
写真2. Bicycle Standard箱の裏側
そして、Bicycle Standardの底面には、写真3の通り、製造年と製造工場(この場合、2009年製で、KY:ケンタッキー工場)が記載されています。U.S.Playing社の番号では808と従来のBicycleの番号が継承されています。
写真3.Bicycle Standard箱の底面
写真1~3が何を意味しているのかを理解するために、旧Bicycle Rider Bacのデザインを説明します。
Bicycle Standardが製造開始される前まで使われていた、100年以上歴史のある模様です。 箱の裏側の模様が中のトランプの裏模様と同じとなっており、これを利用したマジックも多数存在しています。このため、Bicycle Standardになってから、出来なくなった名作が相当数あります。
写真4.旧Bicycle Rider Back箱の表側
写真5.旧Bicycle Rider Back箱の裏側
ただし、旧Bicycle Rider Backデザインの箱でも一部底面の表示が写真6.のように『807-R-TG』という番号の物が存在します。大抵、トリックデックとかギャフデックとか呼ばれる手品に使われる特殊製品で見かける番号ですが、普通のデック(デックとは一組のトランプのこと)も存在します。
『807-R-TG』が何を意味するのか調べたのですが、『あすぱら』カード別使用感 BICYCLE807の記事に言及されています。どうも、マジシャン用に後ほど述べるMandlin Backデザインの物を作ったが、それでも旧Bicycle Rider Backデザインの箱の要望が強く、識別番号807とした、同じデザインのものを復活させたようです。2015年2月現在のU.S.Playing Cardの公式サイトにはBicycle@807 deckとしてラインナップにあります。
正直言えば、そうやって復活させるよりは、Bicycle Standardを廃止して、元の旧Bicycle Rider Backを808に戻せば、デザインの統一が図れ、生産量も増やせ、商品管理も楽になると思うのですが、アメリカ人の考えることは私にはよくわかりません。
現在流通しているのはU.S.Playing 社のケンタッキー工場製のものとなっていますが、オハイオ製のカードの方がマジシャンにとって都合のいい仕上がりのカードとなっているので、オハイオ製は 人気があります。旧バイシクルの箱でもケンタッキー製の物が存在しております。区別方法としては、旧バイシクルの箱でも黒いシールの物はケンタッキー製で ある可能性が高いです。また、ケンタッキー製の物の方がフィルム外装がぴったりくっついた感じで、オハイオ製はフィルムと箱に隙間がある感じになっている という情報もあります。
写真6.旧Bicycle Rider Backデザインの箱『807-R-TG』
旧デザインのBicycleの生産が中止され、旧デザインのBicycle箱を惜しむ人々(たいてい、マジック愛好家)からの要望により、マジシャン用にカードの裁断や旧Bicycleデザインに似せたカード『Mandlin Back』と呼ばれる物が製作されました(写真7~9)。Rider Backが自転車に乗った天使のデザインなのに対し、Mandlin Backは良く見ると、マンドリンを持った天使のデザインとなっております。パッと見はRider Backとそっくりで、ほとんど、Rider Backと見分けのつかないデザインのため、あまり違和感なく、マジックに使えると思います。
写真8.の箱の底面を見てわかる通り、ここは、Bicycle Standardと同様に製造年と製造工場(この場合、2010年製で、KY:ケンタッキー工場)が記載されています。U.S.Playing社の番号では809という番号が割り付けられています。
このようにマジシャン向けにデザインされたのですが、現在は流通が極端に減っているようで、取り扱っていないマジックショップも多いです。
写真7.Mandlin Backの箱表側。ほぼRider Backのデザインを踏襲。
写真8.Mandlin Backの箱裏側。ほぼRider Backのデザインを踏襲。
写真9.Mandlin Back箱の底面。番号は809となっています。
カードマジックをたくさん練習すると、当然紙製トランプですので、消耗してきて、側面が黒くなったり、表面に黒いツブツブがついてきて滑りが悪くなります。カードフラリッシュや難関技法、カードを曲げて飛ばしたりするようなことをする人は消耗が激しいため、大量にカードを購入することになります。
よくある購入単位としては、鉛筆とかと同じく、ダース(12個入り)があります(写真10、11)
Bicycle Standardの物は箱の形が異なっております。そして、通常は赤6個、青6個入りとなっていますが、ショップによっては、赤12個とか青12個とかのダースも購入できます。
安価に購入する方法としては、Yahooオークションをよく見ていれば、格安で購入できるところが必ずあります。
通常店舗で購入する場合、コストコがあれば、会員になる必要はありますが、格安で購入することができます。会員でなければ、知り合いの会員に連れて行ってもらうとか、買ってきてもらうとかすれば購入できます。
そこまでマニアでなければ、1ダースあれば相当カードマジックが練習できます。しかし、さらに極めたい、とか、テーブルホッピングと呼ばれる、前田知洋スタイルで、テーブルごとに新しいデックを使いたい、という方の場合、ダースでは物足りず、グロスという単位で購入することになります。1グロスは12ダースで、144個入りとなります。
個人輸入する手もありますが、重さが重く、船便になるため、到着までに時間がかかり、相当大量に購入しない限りは、代理店やコストコなどで購入した方がBicycleの方は安くなると思います。
写真10.旧Bicycle Rider Backダース箱
写真11.オハイオ製旧Bicycle Rider Back内容(今回の物は赤12デック入り)
ということで、Rider Backのデザインのものをメインに紹介してきましたが、次回は、もう少し特殊なデザインのカードについて、ほんの少し述べたいと思います。
2015年2月17日火曜日
マジックの始め方(クロースアップ)①カードの道具
①比較的使用する道具が安価である。
と導入編で書きましたが、まず、クロースアップマジックで使う道具について述べます。
(1)カード(トランプ)
(2)コイン
(3)輪ゴム
(4)スポンジ
(5)ポケットリング
(6)その他
と適当に挙げてみました。正直言うとクロースアップマジックに用いる道具は色々考えられますが、収拾つかなくなるので、これくらいにしておきます。比較的バリエーションの多いものを挙げてみました。
まず(1)カードはいわゆるトランプです。使うカードは手品の場合、普通、アメリカのU.S.Playing社の紙製のBicycle RiderBackと呼ばれる模様の物が良く用いられます【以降このカードをBicycleと呼びます】。
Bicycleにはポーカーサイズとブリッジサイズというものが存在します。今、手持ちのカードを測定してみると、ポーカーサイズは縦88㎜、横63㎜で、ブリッジサイズは縦89㎜、横57.5㎜とポーカーサイズの方が5㎜程横長で、ブリッジサイズの方が1㎜程縦長となっています(写真1)。これはコントラクトブリッジの場合、13枚手に持ち、クローズドポーカーの場合5枚手に持つ、ということで、ポーカーサイズの方が比較的横に大きくても枚数が少ないため、横長になっているようです。
また、箱の模様がポーカーサイズは変更がありましたが、ブリッジサイズは昔のままです。
また、ジョーカーも、ブリッジサイズは同じ模様のものが2つで、ポーカーサイズは現在、カラー入りジョーカーとモノクロのエキストラジョーカーとなっています。
昔はオハイオの工場で作られていましたが、現在はケンタッキーの工場製となり、若干腰が柔らかくなったとは言われています。
せっかくですので、古いカードの画像もアップしておきます。
写真1.左ブリッジサイズ、右ポーカーサイズ。真ん中の矢印の向きがブリッジとポーカーで異なります。
写真2.バーコード施行以前の箱を発見しました。
写真3.Hey Presto! 『トランプの賞味期限?』記事から算出すると、上の箱のエースに記載されていたYのマークは1972年製を意味するということらしいです。
写真4.今は無きトランプ類税証紙のついた箱(トランプ類税は1989年消費税導入により廃止)
なぜマジシャンがBicycleのポーカーサイズを使うのかというと、U.S.Playing社の回し者だから、というわけではなく、理由があります。
Bicycleを使うのは、何はともあれ、安価ということが挙げられます。日本でも最近ではダース買い(12個で1箱になっているもの)だと200円台で購入できたりします。また、滑りが良いこと。触ってみると分かりますが、Bicycleは非常に滑りが良く、リボンスプレッドと呼ばれるテーブルにカードを帯状に広げたり、手の間に扇状に広げたりするのに非常に適しています。
またポーカーサイズを使うのは、現在、特殊な仕掛けのあるトランプがほとんどポーカーサイズなので、マジックが上手くなった時にそういったカードを使うのに都合が良いからです。
正直言って横幅が見やすいからポーカーサイズが良い、とか言うのは個人的にどうなのか、と思っています。アメリカとか北欧とかの巨漢で手がグローブみたいな人は確かにポーカーサイズでないと子供用トランプみたいになってしまうでしょうが、手の小さい人が仕掛けカードを使いたい以外の理由でポーカーサイズを使わなくても良いでしょう。ヨーロッパではTommy WonderのDVDではピアトニックのブリッジサイズを使ったりしています。また、お金の問題気にしなければ、好きなカードを使えば良いとも思っています。最近では前田知洋のTV出演の影響か、タリホーのサークルバックを使う人も増えています。ですので、マジック界の常識は気にしないでおきましょう。
裏模様の色は汎用品では赤と青がありますが、マジックで使う場合、赤にしておいた方が良いとされています。 理由は手の中で特殊技法をするときに、赤い裏の方が目立たないからです。ただし、これも気持ちの問題ですので、別に青裏を普通に使っている人も多いし、好きにしたら良いです。この辺に書いている理由に納得すれば選べばよいし、納得しなければ自分の感性で選んで全然構いません。
トランプを買うと、反りが大きい時も良くあります。そういう場合には、カードガードと呼ばれる金属製のクリップで挟んでおけばある程度反りが解消します。
写真5.カードガードにカードの箱ごと挟んだところ
購入時に箱の上から反りを確認したり、箱を上下左右に振ると、反りの具合が少ないと比較的良く動きますので、そういったカードを買うようにしましょう。
私はあまりマニアックでないので、カードの基本的な部分はこれくらいにしておきます。
この他、ステージでミリオンカードやファンカードに使うマニピュレーション用のカードがありますが、これについては別の機会に言及したいと思います。
と導入編で書きましたが、まず、クロースアップマジックで使う道具について述べます。
(1)カード(トランプ)
(2)コイン
(3)輪ゴム
(4)スポンジ
(5)ポケットリング
(6)その他
と適当に挙げてみました。正直言うとクロースアップマジックに用いる道具は色々考えられますが、収拾つかなくなるので、これくらいにしておきます。比較的バリエーションの多いものを挙げてみました。
まず(1)カードはいわゆるトランプです。使うカードは手品の場合、普通、アメリカのU.S.Playing社の紙製のBicycle RiderBackと呼ばれる模様の物が良く用いられます【以降このカードをBicycleと呼びます】。
Bicycleにはポーカーサイズとブリッジサイズというものが存在します。今、手持ちのカードを測定してみると、ポーカーサイズは縦88㎜、横63㎜で、ブリッジサイズは縦89㎜、横57.5㎜とポーカーサイズの方が5㎜程横長で、ブリッジサイズの方が1㎜程縦長となっています(写真1)。これはコントラクトブリッジの場合、13枚手に持ち、クローズドポーカーの場合5枚手に持つ、ということで、ポーカーサイズの方が比較的横に大きくても枚数が少ないため、横長になっているようです。
また、箱の模様がポーカーサイズは変更がありましたが、ブリッジサイズは昔のままです。
また、ジョーカーも、ブリッジサイズは同じ模様のものが2つで、ポーカーサイズは現在、カラー入りジョーカーとモノクロのエキストラジョーカーとなっています。
昔はオハイオの工場で作られていましたが、現在はケンタッキーの工場製となり、若干腰が柔らかくなったとは言われています。
せっかくですので、古いカードの画像もアップしておきます。
写真1.左ブリッジサイズ、右ポーカーサイズ。真ん中の矢印の向きがブリッジとポーカーで異なります。
写真2.バーコード施行以前の箱を発見しました。
写真3.Hey Presto! 『トランプの賞味期限?』記事から算出すると、上の箱のエースに記載されていたYのマークは1972年製を意味するということらしいです。
写真4.今は無きトランプ類税証紙のついた箱(トランプ類税は1989年消費税導入により廃止)
なぜマジシャンがBicycleのポーカーサイズを使うのかというと、U.S.Playing社の回し者だから、というわけではなく、理由があります。
Bicycleを使うのは、何はともあれ、安価ということが挙げられます。日本でも最近ではダース買い(12個で1箱になっているもの)だと200円台で購入できたりします。また、滑りが良いこと。触ってみると分かりますが、Bicycleは非常に滑りが良く、リボンスプレッドと呼ばれるテーブルにカードを帯状に広げたり、手の間に扇状に広げたりするのに非常に適しています。
またポーカーサイズを使うのは、現在、特殊な仕掛けのあるトランプがほとんどポーカーサイズなので、マジックが上手くなった時にそういったカードを使うのに都合が良いからです。
正直言って横幅が見やすいからポーカーサイズが良い、とか言うのは個人的にどうなのか、と思っています。アメリカとか北欧とかの巨漢で手がグローブみたいな人は確かにポーカーサイズでないと子供用トランプみたいになってしまうでしょうが、手の小さい人が仕掛けカードを使いたい以外の理由でポーカーサイズを使わなくても良いでしょう。ヨーロッパではTommy WonderのDVDではピアトニックのブリッジサイズを使ったりしています。また、お金の問題気にしなければ、好きなカードを使えば良いとも思っています。最近では前田知洋のTV出演の影響か、タリホーのサークルバックを使う人も増えています。ですので、マジック界の常識は気にしないでおきましょう。
裏模様の色は汎用品では赤と青がありますが、マジックで使う場合、赤にしておいた方が良いとされています。 理由は手の中で特殊技法をするときに、赤い裏の方が目立たないからです。ただし、これも気持ちの問題ですので、別に青裏を普通に使っている人も多いし、好きにしたら良いです。この辺に書いている理由に納得すれば選べばよいし、納得しなければ自分の感性で選んで全然構いません。
トランプを買うと、反りが大きい時も良くあります。そういう場合には、カードガードと呼ばれる金属製のクリップで挟んでおけばある程度反りが解消します。
写真5.カードガードにカードの箱ごと挟んだところ
購入時に箱の上から反りを確認したり、箱を上下左右に振ると、反りの具合が少ないと比較的良く動きますので、そういったカードを買うようにしましょう。
私はあまりマニアックでないので、カードの基本的な部分はこれくらいにしておきます。
この他、ステージでミリオンカードやファンカードに使うマニピュレーション用のカードがありますが、これについては別の機会に言及したいと思います。
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