引き続き、カードに関する雑学となります。
今回は、特殊デザインのカード(主に裏面の話)となります。いわゆるギミックデックの話はありません。さっさとクロースアップマジックの基礎を知りたい人はこんなことを覚えておかなくてもいいのし、コレクション自慢みたいになってしまっているので、スルーしてください。
マジックに使われるカードはRider Backと呼ばれる物がほとんどですが、それにも青や赤以外にもバリエーションがあります。色が写真1、2に示すような橙・黄・緑のようなものがあります。価格は通常のRider Backより高めです。カードのカラーチェンジするようなマジックで数枚使うことがありますが、普通に使うデックとしては勿体ないので、普通に使うことはお勧めしません。ただ、間違いなく、こんな色のトランプを通常使っているクロースアップマジシャンはいませんので、目立ちたいとか、キャラを確立させたいとかの熱意のある方に対しては、まあそこまで切羽詰っているのなら使ってみれば、としか言いようがありません。
写真1.Rider Backカラーバージョン(箱表面)。
写真2.Rider Backカラーバージョン(箱裏面)。ちょっと黄色は目にまぶしい感じの色合いです。右端は写真だと赤のように見えますが、橙です。実物だとはっきり赤とは異なります。
そして、コレクター向けアイテムとして、箱に鎮座している金・銀のデックがあります(写真3~5)。
なかなか綺麗な色合いですが、勿体なくて使えません。 当然、お値段も上記のカラーデックより高いです。
写真3.金・銀デックの外箱
写真4.金・銀デックの箱の中に入った状態
写真5.金・銀デックの箱裏面
Bicycleではなく、カジノなどのギャンブルに用いられるトランプにBeeというものがあります(写真6、7)。このトランプはふちが白くなく、端まで模様があります。単純な幾何学模様のため、裏側にマークを付けていかさまをすることがしにくくなっています。また端まで模様があるため、ダ○○○○トとか呼ばれるマジックの技法は難しくなります。その代り、セ○○○デ○○とかのギャンブルテクニックはRider Backの物よりやりやすくなります。BeeはRider Backより固めとなっています。また、この幾何学模様のため、ミリオンカードと呼ばれるステージでのカードマジックに用いられたりすることもあります。
Beeも表面にエンボス加工(突起がついて摩擦を減らす加工)がなされており、写真6のようにマット上で容易に広げることができます。 ジョーカーが2枚ついており、広告カードが2枚あります。
写真6.Bee外箱表面
写真7.Bee裏面
写真8.Bee表面。非常に広げやすいです。
実は、日本製でもBeeのようなトランプがあります。エンゼルプレイングカード(株)製で、相当前に購入したものですが、見た目Beeそっくりです。現在、エンゼルプレイングカード(株)HPでラインナップを見ると、このように縁なしのBeeみたいなものは製造していないようです(写真9~12)。どこで購入したかはっきり覚えていませんが、大昔スキーに行ったときに、暇つぶしのため、どこかの駅の売店で購入しました。
エンボス加工はされているのですが、古いせいか滑りはあまり良くありません。
写真10で見た通り、まったくBeeと同じ柄であるため、ひょっとしたら、会社として、商標等の関係から、縁付のカードへ移行したのかもしれませんが、推測の域を出ません。
スペードのエースはやはりどのカードも模様は異なります。エンジェルクラブスペシャルのものも独自模様となっております。
そして、ジョーカーが4枚あり、そのうち1枚だけカラージョーカーとなっています。U.S.Playing社製ポーカーサイズカードのジョーカーは違う模様のものが2枚であるため、デュプリケイトを使うマジックの場合、エンジェルクラブスペシャルは便利です。ただ、Rider Backでも、ブリッジサイズは同じ柄のジョーカーが2枚ついています。
写真9.エンジェルクラブスペシャル箱表面
写真10.エンジェルクラブスペシャル箱裏面
写真11.エンジェルクラブスペシャル裏側スプレッド
写真12.エンジェルクラブスペシャル表側スプレッド
番外編として、コインマジック等で金貨や銀貨を使うときに、本当にゴールド柄のトランプを使いたいな、というマニアックな希望を持ったことがあります。そのとき探し出したら、こんなカードが見つかりました(写真13~15)。GOLDEN CARDSと表記されてます。プラスチック製ですが、全面金色にコーティングされており、まさにゴールドそのものの外見です。ただし、普通のトランプゲームをするにはマークと数字の認識がしづらく、全く向いておりません。滑りはプラスチック製ですので悪いです。
何かのマジックに使える日がそのうち来るかもしれません。
写真13.GOLDEN CARDS外箱
写真14.GOLDEN CARDS裏面
写真15.GOLDEN CARDS表面
他にもU.S.Playing社製カードには裏模様が違うものが存在します。サークルバック以外のデック自体は持っておらず、ギャフカードがあったので、下に示しております(写真16)。 タリホーのファンバックは団扇で、バイシクルのファンバックは扇子となっています。
タリホーサークルバックは前田知洋が使用して有名となり、若い方では使う人が増えてきました。私のような平凡愛好家はバイシクルライダーバックを使っております。サークルバックはDai Vernonという伝説的マジシャンが良く使っていたカードで、FINISHの種類がLinoid Finishとなっております。BicycleはAir Cushion Finishとなっており、正直、何がどう違うのかは私には分かりませんし、U.S.Playing社のサイトを見てもちっともわかりませんので、気にしなくて結構です。
クロースアップマジシャンでタリホーを使う人は、ギミックを使わないと宣言しているようなもので、マニアな方やプロの方からすると、何で読んだか忘れましたが、挑戦的に感じられるそうです。でもそんなの関係なしに使いたいんだから仕方がない、ということで、好きに使ってください。そんな感覚を持つマジシャンが異常だと思って結構です。
写真16.左:タリホー ファンバック、中央:タリホー サークルバック、右:バイシクル ニュー ファンバック
レギュラー(普通のサイズ)のカードでも色々な裏面のものが存在しております。他にもカジノで使われていた専用カードとか、何らかの記念に製作されたカードとか、色違いのものとか多数存在しますので、興味ある方はコレクター路線を突っ走って下さい。私はこれ以上深い領域まで突っ込む気はありませんので、ご自由にやって下さい。
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