2016年1月31日日曜日

大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その3 書籍

非常識なマジック入門講座もステージ・サロン編に入り更新が滞ってしまい申し訳ありません(別に誰も読んでないですよね!?)。

ステージ・サロンマジックの資料が少ないということで、書籍について紹介しようと思い記事を書こうと思いましたが、ただ単純に書籍を羅列するだけでは入門者の方には全く役に立たないだろうと思い、構成を考えていたら、 予想以上に調査等に時間がかかってしまいました。

まず、ステージマジックとクロースアップマジックでは経験則で言うと、お年寄りではステージマジックから始める方が圧倒的に多く、若い方では学生マジック出身者や小さい頃からプロに師事していたという特殊な方以外はほぼ100%と言ってもいいくらいクロースアップマジックから始めております。
ということで、クロースアップマジックの経験はある若い方がステージ・サロンマジックを独学で始めるという前提で以下記載していきます。お年寄り等マジック教室に行ける方は教室でプロの方やアマチュアのベテラン指導員のような方から教わった方が良いでしょう。この手の教室ではマジック用の道具等も斡旋してくれるので、自分の頭を使う必要がありませんから、指導に従い練習していくだけで、曲がりなりにもステージマジックができるようになります。

こういった教室に通えない方については自分で頭を使って、マジックを始める必要がありますので、導入部には結構壁がありますが、独学は不可能ではありません。独学を可能にする条件として、

①ステージ・サロンマジックを絶対やってみたいという熱意
当然、やりたいという意思がなければ私が無理やり教えても身につくことはありません。モチベーションを出させることが一番の難点です。モチベーションさえあれば、正直、私が何も言わなくても勝手に学び、勝手に上手くなっていきます。

②ステージ・サロンマジックを見せる環境を作り出せること
忘れてはならないことがマジックを人に見せる場があることです。ステージ・サロンマジックの場合は人に見せるモチベーションが無いと正直練習も続きません。例外としてはミリオンカードや四つ玉と言ったマニピュレーション系と言われる手の器用さ練習量が要求される分野についてであれば、一人でシコシコ練習していてもそれは辛いけど楽しい、となる可能性があります。 
ステージ・サロンマジックを見せる場は親戚や会社の人にマジック見せるよ、と告知するか、マジックサークルに加入して、子供会やデイサービスなどへ見せに行くなどする行動力は必要となります。勝手に出演機会はやって来ません。

③金と時間があること
ステージ・サロン系はお手軽に始める方法もあるのですが、ある程度その人風のマジックスタイルを確立するためには初期投資及びネタの開発に時間とお金がかかります。もちろんマニピュレーション系の四つ玉やシンブル等のマジックでは初期投資が比較的安く済みますが、その代り、そういったマジックでは人に見せられるレベルに辿り着くまでの時間がとてつもなくかかります。
そういうわけで、年収がめちゃくちゃあるとか、お家が資産家であるといった方以外は、デートその他に使う金も時間もないので、ステージ・サロン系ではマジックに人生を捧げたような独身者か、子育ても終わった定年退職後のお年寄りがその趣味人口の大部分を占めることになります(こんなこと書いたら、ステージ・サロン系始める人がいなくなりますね・・・・・汗)。そんなわけで、アマチュアマジシャンが結婚すると、『ああ、もうこの人はこのマジックサークルには来なくなるんだな』っといったような逸話がある、というのを何かで読んだ記憶がありますが、参考文献が見当たりません。
もちろん、趣味の重要性をわかる、我慢強く立派な奥様、旦那様の理解があり、ステージ・サロン系マジックをやっている方も当然おられますが、少数派となります。

④孤独に強いこと
上記にも書いたように、結構一人でシコシコ練習することも多いので、割と内向的な部分を持っていないと、ステージ・サロン系マジックと言っても続きません。
そういったこともあり、マジシャンの集団は他の団体スポーツや音楽等の趣味の集団と比べて、あまり協調性がないことが特徴です。そうは言っても、一緒に出演することもあるので、多少嫌なことが人間関係であっても我慢も必要ですが、マジックするための関係と割り切ることも必要です。 特にマジシャンは自己顕示欲とプライドの塊なので、説教っぽいことを言って来たら、笑って、『おっしゃる通りですね』とある程度必要でない部分以外は聞き流しましょう。

⑤自分で学ぶことを苦としないこと
ステージ・サロンマジックにかかわらず、マジックという物自体が希少性や突然の驚きを主体としたエンタテイメントなので、どうしても独自情報入手や独自の工夫を行う必要があります。既存情報を生かして改良したり、何かさらに詳しい資料がないかリサーチして、何とか手に入れようと努力したりしないと、他の人のマジックとの差別化が難しいです。なので、人が教えてくれないからできない、とか言っているタイプの人にはステージ・サロン系マジックの上達は難しいかもしれません。

こういった独学できる体質を持った方向けに学んでいく場合の書籍について次回以降に述べていきます。

今回は全然書籍と関係ない内容になってしまいました。