2015年2月9日月曜日

マジックの趣味としての楽しみ方⑰(修行)

⑯マジックで生計を立てるために、修行を行っている

こういう人は既に趣味ではなく、生活の糧となりかかっている方です。
若い方には結構、マジックで生きていこう、と考えている方がいるようです。ありとあらゆる機会を利用して、マジックを演じる場を求め、少しでも、有名なマジシャンやプロデューサーに見いだされようと苦労しておられます。

これは歌手などと同じようにストリートでマジックをされる方や、マジックバーへ交通費だけや、無報酬で出演して経験を積むとか、コンテストに出まくって、プロマジシャンデビューの機会を伺っている方も多いでしょう。

これらの人から見れば、マジックの趣味としての楽しみ方シリーズで挙げたような楽しみ方など、何を生ぬるいことを言っているんだ、となり、相容れないことになるでしょう。
しかし、こういう努力をしていても、成功する方は一握りで、夢破れる方が多いです。何をしたり顔で言っているんだ、と思われるでしょうが、現実的に、マジックでどのように生計を立てていけるか考えてみましょう。

①TV出演:これはMr.マリック並の出演回数を誇れば何とか生計が立つでしょう。しかし大部分のマジシャンは TVを宣伝の場くらいに考え、使い捨て覚悟、種明かしややらせも辞さずで出演し、名前を売ってから、別の営業で稼ぐスタイルがほとんどです。TV出演など芸能事務所所属者並の仕事で生計は立ちません。
②プロマジシャンとしてステージなどで営業:いわゆる日本奇術連盟所属のプロの方やオーソドックスなプロマジシャンはこのスタイルで生計を立ててきました。クロースアップマジック専業でプロが出てきたのは日本ではごく最近のことです。何故プロマジシャンはステージマジックやサロンマジックをすることが多いかというと、単純に大人数を相手にするので、一人当たりから徴収する金額が少額で済むからです。(もちろん、お金を出して依頼してくるクライアントは圧倒的にステージ系の方が多いというのもあります)。
③バーマジシャン:これは自分で経営する場合と雇われの場合があります。マジックバーも実際、そんな新規なお客がいつも来るわけではないので、結局、普通の水商売と同じく、人柄やトーク力がマジックの技術より重視されますので、コミュ力に自信のない方には向きません。
④クロースアップでの営業:これもマジックバー等でバイトして、それ以外に自己の営業力で企業様のクロースアップマジックショーやテーブルホッピングで稼ぐ方法です。しかしクロースアップ専門と言っても、それだけでは食っていけないので、サロン等もやらないといけなくなってしまう例がほとんどです。
⑤マジック道具のクリエイター:ミカメクラフトとかクライスとか言うような、マジック道具を作っている会社があります。しかし、そうは言ってもそんな新規なものをしょっちゅう作れたりしませんし、市場も小さいため、苦労が多いようです。
⑥マジックショップやマジックディーラー:道具を作るのではなく道具を売るという職もあります。しかし最近はマジックショップも増加し、同じような品揃えになってきて、値段勝負的な部分も強くなり、経営環境は厳しくなっています。さらに、マジック道具の価格も一昔前から比べると相当安くなり、利益率は低下しているものと考えられます。
それにマジックマニア相手の商売なので、ちょっとでも変な物を売ると、今の時代すぐにTwitter等で拡散してしまうので、生きた心地がしません。ディーラーも昔はデパートにいっぱいあった手品用品売り場もどんどん無くなってきております。また歩合だったりするので、もう販売に必死です。

結論は、こういった修行している方は普通の趣味の方と違う覚悟が必要です。また、前途は正直多難ですが、自分の人生ですので、やりたいようにやってみましょう、という私の意見です。

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