2016年2月24日水曜日

『シルクマジック大事典6』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その16 書籍

地味な更新を続けてきた本ブログですが、おかげさまで、1万PVに到達しました。1年2か月ほど掛かっていますので、やはりマイナーではありますが。

今まで連載を続けていました 

シルクマジック大事典6、マーク・E・トリンブル著、二川滋夫訳、東京堂出版、1997
 
ということで最終巻の紹介となります。
第6巻だけは他の巻と異なり、著者がハロルド・R・ライスからマーク・E・トリンブルに変更となっています。これは、1~5巻までの内容で不十分なものや新たな知見が加わったものの補足をハロルド・R・ライスの死後、行ったためです。1993年にこの内容の原著が発行され全6巻完結となりました。

内容は
・ハロルド・ライス、大事典と生涯
・第1・2巻再訪
・第2・3・4巻再訪
・第4・5巻再訪
と前半部分は以前に出版されたものの見直し及び追加が主となっています。

・ロードとスティール
ここではありとあらゆるシルクの隠し方や取りやすくする工夫が記載されています。助手を用いたスティールについても言及されているので、派手なステージ系マジックを行い方にも役立つ章となっています。

・子供向けのシルク・マジック
こちらではモンキーバーのシルクバージョンやマーチン・ルイスのスナックアライブの原型のような内容等が紹介されています。ユーモラスなコメディータッチのものが多いです。

・ウォーレン・スティーブンスのシルクマジック
本章ではウォーレン・スティーブンスのユニークな仕掛けを用いたビジュアルな現象を多数紹介しています。結構凝った、今まであまり見たことのないような構造が色々紹介されています。ちょっと道具を作るのが大変で、実際にこれを他の人が演じることは少ないかもしれません。

・シルクについて(再訪)
第1巻でも取り上げられた内容ですが、1990年代までの新しい知見がこちらで記載されています。
シルクマジックの歴史やシルクの入手方法、手入れ方法等について言及されています。

・シルクの染色
こちらも第1巻でも取り上げられた内容の最新情報が取り上げられています。
今ではマジックショップでシルクも多数取り扱われていますが、自ら染色したい方には参考になる章です。

・章索引
その名の通り全巻の索引が掲載されています。

以上全6巻の紹介を今回で終わりますが、このページ数の物をよく約2年の短期間で日本語に翻訳したな、と思います。編者、訳者達の熱意には驚嘆するしかありません。

マジックの世界は種や仕掛けの秘密性がある程度保たれなければ成り立たないので、マジックを演じようとすると良い資料が見つかりにくい現状があります。しかし、探せば、日本語だけでも相当な資料が存在しますので、諦めずに良いマジックの書籍を入手してください。
またDVDと違い、絵と文章で現象を理解し、練習していくこととなるので、書籍で勉強するほうが独自の演技を構築しやすいと思います。なので、書籍も毛嫌いせず読むことをお勧めします。

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