2016年2月1日月曜日

大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その4 書籍②

ステージ・サロン系マジックを始めるにあたって、本当は基本的な所から学んでステップバイステップで習熟していくのが良いのでしょうが、独学の場合は人に見せるという目的があるので、そんな悠長な方法はとっていられないでしょう。
それにいきなり書籍にお金をかけるのに躊躇するかもしれません。なので、本サイトの記事

大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その2 ネット上の資料

にあるサイトを舐めるように見まくった後に書籍を買ってみましょう。おそらく、ネット上の資料をある程度見ていれば、自分に必要な情報は整理されてると思います。

まずは何はともあれ、ステージ・サロン系のマジックにどんな系統のネタがあるのかを知る必要があります。そのための書籍としては、 カズ・カタヤマ氏によるステージマジック3部作です。出版された年代順に

図解マジックテクニック入門

図解ステージマジック入門

図解マジックパフォーマンス入門
(いずれも東京堂出版) 

がどのようなマジックがあるかを知るためには良いでしょう。もちろん、マジックのミスディレクションやトークの練り方、練習の仕方などが多岐に亘って紹介されています。
この3冊については図解マジックテクニック入門 にサーストンの3原則やミスディレクションについて記載されているので、この本から読み始めるのが良いのでしょうが、ある程度クロースアップで基礎知識のある方はこの3冊であれば興味のある内容どれから読んでも構わないような気がします。

カズ・カタヤマ氏はステージマジックのみならずクロースアップマジックにも精通されており、こういったプロ中のプロがここまで渾身の力を込めて書いた書籍は日本で今後中々出てこないでしょう。実際、マジックの書籍はあまり売れないらしくて、カズ・カタヤマ氏の本でさえ、出版社から『重版はありません』と言われているというのをYoutube動画で見ました。なので、ステージ・サロン系マジックをやろうと思っている方は絶版になる前に購入しておいた方が良いでしょう。

書籍の内容はマニピュレーション系の基礎演目や自作小道具を使ったものまで幅広く取り扱っているので、大雑把なステージマジックの全体像を演目的には把握できるようになると思います。
コラム欄もMr.マリック氏やボールやカードを花に見立てた演技でFISM2位入賞した、ゆみ氏、故人のマーカテンドー氏のインタビューなども掲載され、日本の有名マジシャンの詳細に触れることができる興味深い内容となっています。

カズ・カタヤマ氏の主張は色々ありますが、主として
・自分の演技の台本は挨拶も含めて作っておきましょう
・クロースアップマジック専門で演じるのは構わないが、ステージマジックもできるようにしておきましょう

といったものです。本を読むと何となくクロースアップマジックを下に見ているように感じられるかもしれません。しかし、そういうわけではなく、クロースアップマジックをする上でも、ネタ頼りではなく、ステージマジックのエンタテイメント性やショーマンシップを理解し、そういった内容を反映させて、エンタテイメントとしてクロースアップマジックを演じてください、といったメッセージとなっています。

奇術入門シリーズ ステージマジック 北見マキ著(東京堂出版)
マジック関係の専門書はどうしても質の高い物は東京堂出版に偏ってしまいます。こちらは2015年8月に亡くなられましたが、日本のトッププロであった北見マキ氏が若かりし頃に書いたステージマジックの入門書を基に改定した内容となっています。
なので、結構書籍中に挟んだコラムはプロとしての矜持や若手マジシャンに対する叱咤激励にあふれた強烈な内容となっています。
プロマジシャンになる心構えも記載されており、損得抜きにマジックに熱中して、孤独に耐え、チャンスを生かさないとプロにはなれない、といった、プロ志願の人へのメッセージとなっています。

マジックの選択も、ダンシングケーンやハト出し、マイザーズドリームやフローティング・ボール等、プロが今でも演技しているような内容の初歩的なものまで含まれております。
本内容を書籍だけで理解して演技するのは結構難しい点あるでしょうが、ステージ系演目を理解する上では非常に役立つ書籍となっています。ただし、この本も絶版となっていますので、古本屋かネットオークションで入手するかしてください。
マジックの書籍はあるうちに購入しないとすぐ絶版になってしまいます。

マジック演じ方45 長谷川ミチ著 (小学館)
こちらの書籍も小学校の頃に購入したので、昔は持っていたのですが今は手放してしまいました。 この本で紹介されている道具が作ったり購入できず、また、小学生にとって本だけ見てもあまり面白い内容とも思えなかったので、実演したことはありません。
数年後にはMr.マリックの超魔術が流行り、そちらへ興味が移り、ステージ系については本を持っている、という状態でした。
今であればシルクとかも普通に持っているので、結構できる内容でしたね。ということで元々小学生向けのマジック本となっていた割には本格的なサロン・ステージ系マジックが紹介されていました。こちらも1981年初版で、当然のことながら絶版です。

とまあ、こんな絶版や重版かからない状況で、一般アマチュアマジシャンがステージ・サロン系マジックを始めるには結構制約があります。ただ、逆に言えば、入手しにくい物を入手してしまえば、同じネタをするライバルのマジシャンは少ないので、独自性を出すチャンスでもあります。

ということで、本当にマジック入門者ならこんなサイト見つける根性もないでしょうから、結局はマニアな人しか記事を読まないのではないかというジレンマはありますが、自分の知識の整理用として本ブログを利用していけばいいかな、と思っています。

0 件のコメント:

コメントを投稿