今回は
⑥とにかくマジックを見るだけでいい
という楽しみ方について述べます。何となく、趣味というから能動的に何かをしないといけないように感じますが、別に手品をぼーっと見て楽しむというのもありです。
むしろ、プロマジシャンや普通に演技して楽しむアマチュアの場合、いかにして、とにかくマジックを見るだけの趣味の人を増やすかに注力しております。ただし、実際には、見るだけでいい、と思っていたのが、やっぱり自分もやってみたい、となる方が多いです(特に男性の場合)。
どういうわけか、割と女性の方は見るだけにとどまる人が多いです。
まず、見るだけの楽しみ方としては、近くにマジック趣味の方がいない場合、次のようになると思います。
(1)TV番組を見る
これは最もお手軽です。以前に比べ、手品の番組も普通になってきており、放送ネタに困ったTV局(失礼!?)がお手軽に視聴率を得るために企画します。
当然、TVですので、視聴率とってナンボのものなので、過激な演出、期待感を高める細工をして、あの手この手で視聴者を引き付けます。マジックをしている人にとっては、針の筵状態のような種明かしや、痛い演出の場合もありますが、とにかく、そういうことを度外視すると、一般視聴者には楽しめます。
ただし、TVでマジックを見るのが好きな方は、意外と生でマジックを見たことがないため、ただでTVで見られるものを わざわざ金出してまで見に行こうとは思いません。
おそらく、TVでマジックを見る楽しみを持っている方は、生でマジックを見に行かない方が、どっぷりマジックに嵌らなくて、健康的な生活を送れると思います。
(2)マジックバーに通う
割と都市部にお住まいの方だと、マジックバーというものが近年増殖しているので、目の前でマジックを見せてもらえるよういなっております。
マジックバーにはTVで有名な方から、TV的には有名でないものの、マジックの世界ではすごいと言われている方、マジックはおまけで、ドリンク飲んで過ごす方、バイトでマジックやっている方等々色々なタイプのマジシャンがいます。
下ネタ全開の所や、ひたすら純粋にマジック見せてくれる所、ちょっとうざいマジックを見せられるところなど色々ありますので、自分の感性に合った所を見つけて通われると良いでしょう。
しかし、マジックバーも常連のように何回も通うと、マジシャンのやっているマジックはいつも同じような手順でやっていることに気付くと思います。そして、マジック見るのを楽しみにしていたはずであるが、そのうち、マジック見なくなり、気づけば、普通の飲み屋さんに通っているのと同じ状況になっていることが多いです。
また、マジックバー自体は接待とかで使われると、クライアントと喋らなくても時間が潰せるのでいい、ということで、結構支払い時に領収書もらっているビジネスマンとか、同伴のカップルなどが来たりしています。そういった水商売の同伴をさせられている女性にとってはマジックバーは黙っていてもマジシャンが相手を楽しませてくれるし、メールを打てるし、女性も接客しなくて済む、という3拍子揃って美味しいようです。(同伴の女性の部分のお話の参考文献:“trick studio” http://www.h6.dion.ne.jp/~kira-art/framepage21.htm)
(3)YoutubeやDVDで気に入ったマジックを閲覧
Youtube、普通に気に入った動画を見るのと同じように、コンテンツがたまたま手品だった、という状態です。
また、マジック用DVDを買えば、お手本となる見事なプロマジシャンの演技を繰り返し見ることが出来ます。当然繰り返し見ますので、本当に気に入ったものがだんだん厳選されていき、見る目が肥えていきます。しかし、鑑賞眼が養われすぎ、普通のマジックを見ても全く不思議に感じないとか、下手に感じるとかになってしまい、飽きてしまうリスクもあります。
まあ、マジック動画もいくら見ても見終わらないくらい存在しますので、十分趣味として楽しむことはできます。
(4)学生のマジックショーやショッピングモールに来るマジックショーなどに出かける
見る専門の人も、そういった同好の志が集まれば、どこでどんなマジックイベントが行われるとか、プロのショーがあるとか、○○大学の発表会があるとか、情報が手に入るようになります。まあ、多くはそういった内容がマジックサークルとかに所属していると入ってきますので、せっせと出かけることになります。
実はこの手の集まりで観客の大部分がアマチュア・プロ問わずマジックをする人、というシュールな光景が良く見られます。また、普通の人が驚く所と違う場面で、『なるほど』とか『へー、そうやるのか』など、ちょっと感覚の違う関心の仕方をするのに出くわせるでしょう。
またいつものように結論もないですが、まとめてみますと、
普通の人はTV番組でやられるマジックを気楽に見ておくくらいで止めておくのが無難です。またマジシャンの本音としては、マジックを見るだけで、やる側の立場にならない、常にマジックに驚いてくれるという都合のいいお客さんが増えてほしいと思っています。しかし、実際には、生でマジック見に来る方は、自分でもマジックをやって、種も仕掛けもわかった上で見に来るマニアが結構多いし、見るだけの人にしても、妙に詳しい、というジレンマから逃れることができません。そして、必然的にマジックに対する評価は辛辣なモノになり、演じる側は普通の神経をしていてはやっていられません。
ですので、本シリーズを読んだ方には是非マジックをやりましょう、ということは言いません。
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