2016年7月6日水曜日

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第7巻) 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)DVD

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第7巻)は
スライハンド入門 フェイクパス編 となります。


フェイクパスとは手から手へ渡したように見せる技法で、クロースアップ、ステージどちらでも用いられる技法です。基本原理は同じですが、 実際に自然な動きに見せるには練習が必要です。

項目を紹介しますと、

技法編
・基本のフェイクパス
その名の通り多くのフェイクパスの基本となる技法で、フィンガーパームを使う方法です。
・フレンチドロップ
コインマジックでよく聞く技法です。ここではボールを用いた方法も説明されます。
・Vバニッシュ
ボール用のフェイクパスで、クロースアップでやるとちょっと違和感ありますが、ステージではこれくらい派手な動きの方が見栄えが良いです。
・シャトルパス
両手を改めたいときに用いるフェイクパスです。
・エクスチェンジ
際限なく物が出現したように見せるためのフェイクパスの一種です。

練習奇術編として
・3つのボールの手順
紙玉やティッシュ丸めたもの、コイン等の手に納まるものでできる手順です。最後に3つのボールは消えてなくなります。
紙を丸めて即興で行うような内容にしても良いでしょう。動画ではCups & Ballsと呼ばれるクラシックマジックで使われるような赤い小さなボールが使われています。
・手から手へ移るボール
フェイクパスのみを使う手順で、『3つのボールの手順』のボールのうち2つを使って行えます。片方に2個持ったはずのボールが両手に1つずつに移動したり、両手に握ったボールが片方に集まったりします。
練習用奇術ですので、いまいち現象の面白さやオチはありませんが、色々応用すれば、最後にボールをお札やコインに変化させるようなクライマックスにできます(説明は動画にありませんが)。

応用奇術編として
・飛行コイン・バージョン2
グラスと目に見えない空気コイン!?を用います。いつの間にか本物のコインが出現し、グラスを貫通したりします。最後はコインがジャンボコインに変化します。どちらかというと人数多めのクロースアップ向けの手順です。
・破った紙の復活
 破ったティッシュペーパーのような紙がライターで炙るとつながって元の1枚の紙に戻ります。ほぼ即席で実演できます。

舞台用ルーティンとして
・四つ玉の手順(ノーギミック版)
普通、四つ玉というとギミックを用いるのが多いのですが、今回はフェイクパス練習用として、ただの玉を4つ用いた四つ玉の手順が紹介されています。演技動画を観ても、ギミックを用いているようにしか見えませんが、全てレギュラーボールです。最後にボールがシルクのハンカチになります。
十分一般向けに通用する手順ですが、角度がきつそうな気はします。非常に練習と角度の研究が必要となります。
ローリング
手でボールを1個または2個を転がして移動させるフラリッシュです。両手で行うと、四つ玉演技のために必要な筋肉が鍛えられます。慣れないと2個転がすのは大変です。

“ステージマジック基礎講座⑥”ではミスディレクションの解説が行われます。マジックでも非常に重要な原理であり、観客の心の性質について説明され、いかに秘密の動作を気づかせず自然に見せるかについての考察がなされています。

本巻の内容はスライハンドマジックの基本となるもので、色々な素材を扱うときにも重要となる原理が含まれています。 

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