2016年7月8日金曜日

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第8巻) 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)DVD

需要がまるでなさそうですが、引き続き、シリーズDVDの紹介コーナーです。
『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第8巻)は
本格シルクマジック編 となります。


第2巻ではシルクに結び目を作ったりする現象を主に使ったマジックを紹介していましたが、本巻ではそれ以外の現象も含めた華やかなマジックを紹介していきます。

基本手順編
・シルク切り
2枚のシルクのハンカチを新聞紙で真ん中を包んだ状態にします。新聞紙をハサミで切ってしまいますが、2枚のシルクのハンカチは無事です。
・コップから抜けるシルク
コップの中に入れたハンカチがコップに別のハンカチで蓋をしたにも関わらず抜け出てきます。
・ロープから抜けるシルク 
ロープにシルクを巻き付けますが、引っ張るとシルクがそのまま通り抜けます。

ハンクボール編
ギミックを使った手順となります。
・雑誌からシルク
適当に選んだ雑誌のページを破り丸めると、中からシルクのハンカチが4枚出てきます。
・新聞紙からシルク
折りたたんだ新聞紙を丸めると、中からシルクのハンカチが4枚出てきます。
・シルクを生むシルク
シルクの中からシルクが次々と出てきて、最後にはすべてのシルクが結ばれて一直線になります。

本格手順編
・色変わりシルク
紙筒の中にシルクを入れます。下から吹いてやると、別の色のシルクに変化します。
・20世紀シルク
色違いのシルク2枚をバラバラの状態で紙筒に入れ、ガラスのコップに立てかけておきます。次に赤いシルクを取り出し、手の中に丸めて渡します。赤いシルクは消えて、立てかけておいたコップの2枚のシルクに飛び移って真ん中に結ばれています。ダイ・バーノンの方法で、最後の3枚のシルクは普通のシルクなので、別の手順にそのシルクを使うことができます。
・プロダクションルーティーン
ドリームシルクと言われる次から次へとシルクのハンカチが出てきてから、もみ出しシルクという小さいシルクが大量に出てくる現象が起こり、その小さいシルク数枚を丸めていくと最後にブレンドされた大きなシルクが出るエンディングとなります。
非常に見た目が派手で、トリの演技に使える内容です。ただし、相当数シルクを用意する必要があります。
mMLの通販サイトではこのルーティンに必要なシルクのセットが2016年7月現在、10,700円(税別)で販売されています。
準備と後片付けは面倒ですが、効果は抜群でしょう。

引きネタ編
・引きネタ4種
その名の通り、引っ張って隠す道具です。シルクマジックの場合、オープニング現象に用いることが可能です。
何故オープニングかというと、体にセットするため、最初に行わないといけないからです。
引きネタが4種類紹介されています。もちろんクロースアップマジックでも使えますが、ちょっと体の身動きがとりにくく、仰々しくなります。
・シルクの瞬間消失1
2枚のシルクの内、お客さんに選んでもらった方のシルクだけがコップの中から一瞬で消えてしまいます。
・シルクの瞬間消失2
コップに入れたシルクが全て一瞬で消えてしまいます。 
・シルクの瞬間移動
コップに入れたシルクがアシスタントの結んだロープの間へ一瞬で移動してしまいます。
2つのマジックを組み合わせているため、アシスタントとのタイミングを取る練習が必要となります。きれいに決まると非常にビジュアルな現象です。

“ステージマジック基礎講座⑧”はミスディレクション・パート2となります。 フィジカル・ミスディレクションとサイコロジカル・ミスディレクションに関する説明が行われます。

どうしてもマジックという分野の特性上、種明かしになってしまいそうなところは表現をストレートにできないため、ぼやかした内容となっていますが、ご了承ください。

見た目派手な現象でマジックを彩りたい方には本巻の内容が良いと思います。ただし、シルクマジックは準備・片付けに時間がかかるのが難点です。長所短所を認識したうえで、自分のやりたいマジックを選んでみましょう。

2016年7月6日水曜日

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第7巻) 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)DVD

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第7巻)は
スライハンド入門 フェイクパス編 となります。


フェイクパスとは手から手へ渡したように見せる技法で、クロースアップ、ステージどちらでも用いられる技法です。基本原理は同じですが、 実際に自然な動きに見せるには練習が必要です。

項目を紹介しますと、

技法編
・基本のフェイクパス
その名の通り多くのフェイクパスの基本となる技法で、フィンガーパームを使う方法です。
・フレンチドロップ
コインマジックでよく聞く技法です。ここではボールを用いた方法も説明されます。
・Vバニッシュ
ボール用のフェイクパスで、クロースアップでやるとちょっと違和感ありますが、ステージではこれくらい派手な動きの方が見栄えが良いです。
・シャトルパス
両手を改めたいときに用いるフェイクパスです。
・エクスチェンジ
際限なく物が出現したように見せるためのフェイクパスの一種です。

練習奇術編として
・3つのボールの手順
紙玉やティッシュ丸めたもの、コイン等の手に納まるものでできる手順です。最後に3つのボールは消えてなくなります。
紙を丸めて即興で行うような内容にしても良いでしょう。動画ではCups & Ballsと呼ばれるクラシックマジックで使われるような赤い小さなボールが使われています。
・手から手へ移るボール
フェイクパスのみを使う手順で、『3つのボールの手順』のボールのうち2つを使って行えます。片方に2個持ったはずのボールが両手に1つずつに移動したり、両手に握ったボールが片方に集まったりします。
練習用奇術ですので、いまいち現象の面白さやオチはありませんが、色々応用すれば、最後にボールをお札やコインに変化させるようなクライマックスにできます(説明は動画にありませんが)。

応用奇術編として
・飛行コイン・バージョン2
グラスと目に見えない空気コイン!?を用います。いつの間にか本物のコインが出現し、グラスを貫通したりします。最後はコインがジャンボコインに変化します。どちらかというと人数多めのクロースアップ向けの手順です。
・破った紙の復活
 破ったティッシュペーパーのような紙がライターで炙るとつながって元の1枚の紙に戻ります。ほぼ即席で実演できます。

舞台用ルーティンとして
・四つ玉の手順(ノーギミック版)
普通、四つ玉というとギミックを用いるのが多いのですが、今回はフェイクパス練習用として、ただの玉を4つ用いた四つ玉の手順が紹介されています。演技動画を観ても、ギミックを用いているようにしか見えませんが、全てレギュラーボールです。最後にボールがシルクのハンカチになります。
十分一般向けに通用する手順ですが、角度がきつそうな気はします。非常に練習と角度の研究が必要となります。
ローリング
手でボールを1個または2個を転がして移動させるフラリッシュです。両手で行うと、四つ玉演技のために必要な筋肉が鍛えられます。慣れないと2個転がすのは大変です。

“ステージマジック基礎講座⑥”ではミスディレクションの解説が行われます。マジックでも非常に重要な原理であり、観客の心の性質について説明され、いかに秘密の動作を気づかせず自然に見せるかについての考察がなされています。

本巻の内容はスライハンドマジックの基本となるもので、色々な素材を扱うときにも重要となる原理が含まれています。 

2016年7月1日金曜日

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第6巻) 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)DVD

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第6巻)は
スライハンド入門 ギミック編 となります。


本館で取り扱うギミックというのは観客に知られることはない道具ですが、ステージマジックなどではマジシャンがテクニックで行う現象をより鮮やかにしてくれるのをサポートしてくれる隠し味のようなものです。
基本的に観客から見えることのない、あるいは見えていても見えていない、という禅問答のような道具なのですが、ちょっと紹介憚れるようなものも存在します。文字だけなら大丈夫か、ということで簡単に紹介します。

サムチップ編
今時100均でも売られてしまっているギミックで、子供たちでも意外に実物を見たことのある人は多かったりしますが、意外に正しい使い方を知っている人は少ないです。なので、適切に演技すると相当驚かれます。
・基本手順
オーソドックスに借りたハンカチから小さなハンカチが出現したり消失したりするマジックです。マジック教室でもよくレクチャーされるようなものですが、全ての基本となります。
・コインの変化
・塩の移動
このような粉体、顆粒状の物も取り扱えます。
・パンシルク
大人数の前でも立派に通用する実用性の高い手順です。
・大予言
・リボンの復活
この辺りは使っているギミックが同じでも、現象的には相当違う感じがします。いくつかをローテーションして使うと、レパートリーにバリエーションは増えるし、道具の扱いにも慣れていいと思います。

第六の指
ちょっとそのまま名前の通りのギミックなのですが、実際購入してみると使うのを躊躇するかもしれません。しかしステージやサロンで使ってみても、案外、誰も気づきません。ギミックサイズの特性で、比較的大き目の45㎝シルク等を用いることができます。
・シルクの出現と消失
・浮揚する花

ダイチューブ編
小さめのシルクのハンカチの色が次々と変わっていくマジックに使われるギミックです。テンヨー製の色変わりハンカチなどにも入っていますが、ギミックの構造上、ちょっと使いにくいので、もう少し容積の大きい物を個人的には用いています(わざと表現曖昧にしています)。
・基本手順
色変わりハンカチの基本的な手順です。
・サカー的演出①
・サカー的演出②
色変わりハンカチではサカー的演出が用いられるのですが、下手するとただの嫌味マジシャンになってしまうので、ご自分のキャラクターに合わせた方法で演出しないといけないため、結構実演すると難しい面が多いです。角度的な面も気を付ける必要あり、練習はそれなりにしておかないと上手くできませんが、観客受けはいいです。
実演してみると分かりますが、クロースアップマジックでも存在を知られることなくこのギミックは使えます。ポケットに準備しておけば、結構すぐに演じられるので、アンコール用のマジックや失敗したときに代わりに行うリカバリー用マジックとして便利です。

“ステージマジック基礎講座⑤”では決めポーズの取り方、ということで、日常生活では絶対行うことのない内容が説明されています。結構恥ずかしいのですが、こういった決めポーズを行うことでマジックらしくなり、お客さんが拍手もしやすくなります。 

本編で学んだ使い方を色々応用してみると楽しいでしょう。