2017年2月10日金曜日

大人数にマジックを見せる⑦‐1音楽に合わせて手品なんかしたことないこと

自分で記事を書いていながら、どこまで話を進めてきたか忘れてきてしまう大人数にマジックを見せるシリーズですが、次の項目に進みます。


サロン・ステージマジックにおいて、クロースアップマジックと違う点は、音楽に合わせてマジックを行うところも敷居を高くしている要因の一つとなっています。

音楽に合わせて手品なんかしたこともないし、どうするんだ、といった人には次の対策があります。

①音楽に合わせて手品をすること自体諦める。
 もちろん大人数にマジック見せるからと言って、音楽なしで、全てトークマジックを行うという選択肢もあります。 
しかし、人前でマジックを演じてみれば分かりますが、10分くらいならともかく、20分や30分トークマジックばかり行って観客の興味を持たせるのはとてつもなく力量が必要で大変です。
ただ、あなたが人気者で、落語研究会に所属していた過去や漫才の素養があり、話術には自信がある、というかたなら、この路線で進んでいけばいいでしょう。

②有名マジシャンの音楽、演技そのものをいただく
プロであれば盗作者として蔑まれて、マジック界を生きていけなくなる可能性大ですが、アマチュアの場合は憧れの人の演技を模倣するという段階もありかもしれません。しかし、本当にパクリ演技してしまうと、有名プロの劣化マジシャンみたいになって、同好の士からの評価を得るのは難しいでしょう。
色々葛藤はあるでしょうが、プロの演技の基本となる道具立ては参考にして、自分の動き易い方法にアレンジするというのはアマチュアならそこまで目くじら立てることではないと思います。
何事も守破離という模倣の段階を経由して、最後に独自性を出せるようになったらいいと思います。

③音楽のアレンジを他人にお任せする
プロの歌手ではAKB48のようにプロデューサーの秋元康氏が曲や広報の方法まで段取りして、歌手は歌って踊って握手することに専念するスタイルはいたって普通にあります。しかし、マジックの世界で、プロデュースと表でマジックする人が別というのはなさそうに見えますが、意外とあったりします。
音楽部分ではないですが、一時期TV出演多数あり活躍していたメンタリストのDaiGo氏はパフォーマンスを担当し、パフォーマンスの構成、執筆、台本をむらやまじゅん氏が担当するといった分業がなされていました。

  参考文献「【AdverTimes】「2人のメンタリストDaiGo」その知られざる姿が明らかに~「ブレーン」8月号より

なので、パフォーマンス部分を担当するマジシャンと音楽部分やダンス部分を担当する人を分離するのは十分可能ですし、実際イリュージョンなどでは振付師が別にいるのは普通です。
ただし、アマチュアでここまで本格的に分業している人は見たことありませんが、やってみると面白いかもしれません。

④自分で音楽を選びアレンジする
最終的には自分で何とかするしかないところに落ち着きます。
選ぶ音楽はマジックでよく使われている有名曲を用いる方法、あまり使われていないが、クラシックやインストゥルメンタルの曲を自ら探して使う方法、フリー音源から探して使う方法等があります。
一般に日本語の歌詞の入った曲はあまり使われません。何故かというと、英語ならまだ意味が日本人の頭の中にすっと入っていかず、リズムの一部のように感じられます。しかし、日本語の場合、その意味が分かってしまうと、何となく観客の注意が歌詞の方へ向かってしまい、マジックそのものへの注目度が薄くなる可能性があるからです。もちろん、そうは言っても、日本語の歌詞の曲を使っても何ら問題はありませんので、自分の好きなようにしてみればいいと思います。


次回以降で実際に自分で音楽を選び、アレンジしていく方法について解説していきます。