2016年4月12日火曜日

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第1巻) 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)DVD

ようやく『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(第1巻)の内容に入っていきます。

第1巻ということで“初めてのステージ・サロンマジック”という副題が付けられており、初めての人でも学びやすい、と考えられる内容からスタートしています。なので、マジック専用道具としてはシルクのハンカチ位で、他はロープ、ペーパーコーンなどで、ペーパーコーンは新聞紙を使っています。

取り上げられているマジックは 

・新聞20世紀シルク
筒の中に入れた赤いハンカチが、筒の外にぶら下げた2つのハンカチの間にいつの間にか結ばれて出てくる現象です。
20世紀シルクの現象ですが、グラスとかを使わず、新聞紙を丸めた物で行うため、2つのシルクの間が離れており、バラバラの状態から赤いシルクが飛び込むところが珍しいです。

・飛行するシルク
ペーパーコーンに入れたハンカチが消えて防止の中から出てきます。

・ペーパーコーンの応用①
ペーパーコーンを使ったハンカチの色変わり現象です。

・ペーパーコーンの応用②
ペーパーコーンを使った20世紀シルク現象です。
助手との共演で華やかな現象に仕上がっています。
ペーパーコーンと筒が新聞紙なので、やはり安っぽく見えてしまいます。せっかく美人アシスタントを使っているのだから、もう少し華やかな物にした方が個人的には良いような気がします。
 
・伸びるロープ
3本の長さの違うロープが3本とも同じ長さになります。これだけだと、よくあるプロフェッサーズ・ナイトメアと呼ばれる3本ロープのマジックですが、本当に3本ともバラバラにしても同じ長さになっています。 事前準備が必要です。

・大きくなるロープの輪
3本の同じ長さのロープを1本ずつ端を結んで輪っか状にしますが、ロープを振ると、3か所の結び目でつながった大きな輪っかになります。1つ前の伸びるロープの手順と続けて行うことができます。

・紙テープになるティッシュ
ティッシュペーパーを何枚か取って手に丸めるとカラフルな紙テープに変化します。滝のように落ちていく感じが綺麗です。
ただし、最初のティッシュの箱から取り出す部分があまりにも日常感あふれる感じなので、何かティッシュの出し方は工夫した方が恰好良いかもしれません。

・ブレンドペーパー 
文字の書かれたバラバラの紙を破っていくと、メッセージの入った1枚の紙になります。
オープニングの自己紹介などに使えるマジックです。
“図解ステージマジック入門”の“メッセージの出現”を動画にしたような内容です。


これに加えて、道具紹介としてステージマジックで使うテーブルについて紹介されています。 

そして“ステージマジック基礎講座①”として、サロン、ステージマジックについての違いの説明や留意点を概論的に説明しています。

1巻目ということで、比較的、特殊道具のを使わない、大きく見せられるマジックが選ばれています。 
本シリーズは各巻独立しているので、特に1巻から全て揃える必要はなく、気に入った所だけ購入しても大丈夫となっています。
しかし、準備や演技上の綺麗に見せるポイント等の解説されているので、お金に余裕があれば、1巻から順に観ていった方が良いかもしれません。
まずは、自分の気になっている内容の巻から買いそろえてみてください。
 

2016年3月28日月曜日

『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』(総論) 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)DVD

久しぶりの記事追加となります。なにせ気が向かないと更新されませんので、困ったものです。


前回まではサロン、ステージ系のマジックをする際の資料が少ない、ということで、各種書籍を紹介してきました。
今回からはDVD関係で、大人数に見せるためのマジック用の物があるかを紹介していきたいと思います。

マニピュレーション系の指先の技術を必要とするものについては意外とDVDも存在していますが、初歩の内容から教えてくれるものとなると少ないです。これはおそらく、①ステージ系の内容のDVDを欲しいと思う初心者が少ないこと、②そこまで本格的にマジックするかどうかわからない初心者が高いDVD買うことに躊躇する、③そういった内容がもっと早い時期に欲しかった、と思うような方々はあっという間に上達してしまい、マニアックな内容のDVDでないと満足しなくなること、④プロマジシャンにとって自分が初心者であった頃のことなどすっかり忘れてしまい、何が初心者にとってわからないのかが理解できないため、初心者用ステージ系DVDを作るモチベーションが湧かない、などが考えられます。

日本語のステージ・サロン系で入門者向けDVDと言えば、やはり書籍でも数多くの著書を持つ、カズ・カタヤマ氏による『カズ・カタヤマのステージ・サロンマジック入門講座』シリーズでしょう。
これが全12巻からなり全て集めると
このような感じになります。
1巻が税込みで4000円近くしますので、12巻セットで購入するにはお財布と相談必要でしょうが、どの巻単独で購入してもほぼ独立した内容ですので、基本的には問題はありません。(一部、何巻の○○を参考にしてください、といった部分も存在しますが)。

内容的には以前にも紹介したカズ・カタヤマ氏の著書

図解マジックテクニック入門



図解ステージマジック入門



図解マジックパフォーマンス入門
(いずれも東京堂出版)

3部作の書籍で取り扱われている内容を追補して、映像にしたような内容も多いですが、新たに追加されたルーチンやアイデアも収録されています。
そして、各巻ごとにライナーノーツとして、作品内容が紙で記載されているのもありがたいところです。

それにも増して今までこんなことを動画で説明してくれることのなかったような、『ステージマジック基礎講座』というものが非常に参考になります。

本当にステージ・サロン系マジックの入門レベルの方はこんなブログを読んでいるくらいなら、カズ・カタヤマ氏のDVDを何回も見て、練習に励み、人前で演技して、修正を重ねることが必要でしょう(と、自分のブログ内容を否定するところも、非常識なマジック入門講座と自称する所以です)。



2016年3月3日木曜日

『ターベルシステム・ガイドブックLESSON 1-10』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その16 書籍

テンヨー社から出版されていた『ターベルコース・イン・マジック』7巻(1995年に発行された8巻目が発行)は長年、マジシャンから初心者まで、マジックの歴史や心構え、イリュージョンも含めた幅広い内容を網羅した百科事典的バイブルとして親しまれてきましたが、出版元の版下の関係で、廃刊となりました。
そして、入手できなくなったことで、ネットオークションでも相当高値で取引されるようになってしまいました。

そもそも、何故ターベルコースと言う名前になっていたかというと、元々、ターベル博士がマジシャンのための通信講座を開講しており、その時のテキストを、マジックの順番や重複を整理して書籍の形に出版した物が『ターベルコース・イン・マジック』でした。
オリジナルの通信講座は1926年~1929年の期間に書き上げられたものです。


ベルヌ条約により著作権の保護期間は50年間とされていますが、アメリカは70年間を適用しています。
ターベル博士は1960年に亡くなりました。2010年で死後50年以上経過しており、オリジナルのターベルコース・イン・マジックは著作権フリーとなったと著作権保護期間50年間の国ではみなされ、既にネット上に英語版のオリジナル・ターベルコース・イン・マジックのpdf版が掲載されていたりします。
ただし、アメリカは著作権保護期間を70年間としているので、ややグレーな存在ではありますが。。

今回取り上げた『ターベルシステム・ガイドブックLESSON 1-10』はそのオリジナル・ターベルコース・イン・マジック 全60レッスンの内の1-10レッスンを取り扱ったものです。

内容は上口龍生氏の解説による『マジシャン養成講座 ターベルシステム・ガイドブック』というA4版サイズ、全58ページの日本語解説書、レッスンで扱われているマジックの全演技(解説無し)、ターベルシステム・ガイドブックLESSON 1-10までの日本語翻訳pdfデータからなっています。
日本語版でもレッスン10までで216ページあり、価格を抑えるため、pdf版となったようです。

内容はまさしくマジックの学校ともいえる内容で、最初はマジックの歴史から入ります。そしてマジックは科学である、ということで、その基礎を学ぶことの重要性を述べています。
またこのコースはプロ養成を目指していたので、プロ意識を持つことが強調されています。
その他マジックをする上での練習の大切さやパターの大切さ等心得が述べられていきます。

後の章でも最初にマジックの科学・歴史的内容の概論を説明してから、同じ系統の道具や手法を用いるものをまとめてレッスンを組み立て、実際のマジックが習得できるようにプログラムが組まれています。

レッスン10ではマジックの解説はありません。
ここでは今までのレッスンで学んだマジックを実際に人前で演じる時の心得が述べられています。これは現在のアマチュア・プロマジシャンともに共通して役立つ内容となって置いrます。
演じるマジックの種だけでなく、自身や見た目の大切さやショーマンシップ等の重要さが色々強調されています。
そして、レッスン9までで学んだマジックのルーチンについてもアレンジしてくれています。誠に至れり尽くせりの内容です。

最後では『他のマジシャンの仕事ぶりを見よ』、とあり、他のマジシャンから学ぶことがたくさんあるので、色々プロの演技を見ましょう、と述べられています。


演技動画については、レッスンで紹介された全てのマジックを上口龍生氏が愚直なまでに演技をしてくれています。


当然200ページを超える内容であるため、一口では言えませんが、基礎知識や歴史的背景、科学的上達法を取り入れた、素晴らしいシステムと言えます。取り扱っているネタが今風でないということは否めませんが、現在でも通用する内容ですので、じっくり読み進めていくのが良いと思います。
 

 

2016年2月29日月曜日

Mr.YU 大阪鶴見三井アウトレットパーク 大道芸ショー

マジックを演じようという方はマジックのことだけを考えていればいいということではいけません。当然、マジックというエンタテイメントのセグメントをどういう風に考えるかにより、同業他社は変わってきます。
マジックも屋外ステージで行うエンタテイメントの一種としてとらえれば、屋外ステージで行われる大道芸やミュージシャンによるコンサート、パントマイムなどのパフォーマンスもマジックの同業他社と言えます

そういうわけで、2月28日(日)門真南駅から行ける大阪鶴見アウトレットパークの3F屋外ステージにて開催されたMr.YUによる大道芸ショーを鑑賞しました。(本当は別件で現地に行ったついでですが)。 
 
名古屋でご活躍されているジャグリングの大道芸人さんでディアボロを得意とされています。体型はご本人もおっしゃっている通りとてもジャグラーには見えないご立派な体型(体重100㎏オーバー)ですが、動きはめちゃめちゃ良いです。
本職の方がこういったところで稼ぐためのショーなので、構成や客を引き付けるための工夫などを中心に見させていただきました。
ご本人もネット拡散ご希望だったので、ご要望に応え、拡散させていただきます。

まずはバルーンアートでスタートさせます。最初は客の入りが良くないので、カラフルな風船を使い、トークでつなぎながら徐々に客を増やしていきます。この辺の行動は中々巧みです。そうこうしているとお客さんも結構入ってきたので、 バルーンアートを完成させます。ミッキーマウス・ミニーマウスのペアバルーンアートが出来上がりました。大きな拍手が来ます。

 
小さめの台を取り出してダイススタッキングを行います。
マジシャン目線で言わせてもらうと、この大舞台でも結構小さめのダイススタッキングで観客の興味を引き付けることができていたので、参考になります。
  
最初から大量に積まれていたシガーボックスは何に使うのだろうと思っていましたが、一つづつ飛ばしていって両手で大量に挟んでいき、最後は片手で積み上げ、ホログラムカラーのシガーボックスだけを飛ばして箱の中に入れます。

そして大会でも優勝したというディアボロの演技。観客の喜ぶ空中へ高く上げる技も交えて何度高い物を色々やってくれます。見事なものです。ただ、こちらも素人なので、すごいことは分かるのですが、どれが難易度高いのかまでは正確に分かっていません。

芸に入る前にカメラ構えていたら、『そこのお兄さん、シャッターチャンスですよ』とギャグでポーズを決めてくれます。せっかくですので決めポーズも撮影させていただきました。

途中でジャグリングではなく、ルービックキューブが入ります。
観客に端だと小さいので見にくいですよ、と中央の方まで集めていきます。この辺りのオーディエンスマネージメントは見事な物です。


目隠ししてやろうかとして、結局目隠しはせず、背中に回して揃えます。最初に図柄を頭に焼き付けてから、ずっと背中で動かしていき、六面揃えます。見事に完成、大拍手となります。

大道芸で中央にある台から何となくバランス芸をしそうな感じはしていましたが、トリは予想通りのバランス芸です。しかし、さらに大量のシガーボックスで踏み台を追加して行います。こわごわといった感じで乗っていき、成功です。

これだけでもすごいのですが、さらに3本ナイフを取り出し、台の上でジャグリングを行います。


ここでフィナーレと思っていると、反応が良いのでやるかどうか迷っていたというけん玉を取り出します。めちゃめちゃ紐が長いです。


見事大成功です。

当然大道芸で生活されている方なのでチップのお話し入りますが、これも、『神社のお賽銭ではないので、5円とか10円、100円玉でなく、細長い四角いやつ』『細長く四角いやつ、と言ったら、小さな女の子がレシート持ってきてくれました』とかギャグトークを交えながら、チップ、それも1000円以上のものを促し、この辺りも長年大道芸やってきた手際が感じられました。
長い竿付きのチップ回収袋などもユーモラスで、次から次へと皆さんチップを入れて行ってました。(もちろん私も入れましたよ)。

最後にミッキーマウス・ミニーマウスの風船争奪戦で、Mr.YUとじゃんけんして勝った人にプレゼントされました。

結構子供たちもいっぱい来て、終盤は相当観客も多くなり、集客や盛り上げ方が参考になりました。マジックの場合、大道芸と全く同じような集客方法をそのまま取れない点もあるのですが、こういった経験を何らかの形で生かしていきたいと思います。

30分以上のショーでしたが、時間を感じさせない楽しいエンタテイメントでした。

2016年2月24日水曜日

『シルクマジック大事典6』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その16 書籍

地味な更新を続けてきた本ブログですが、おかげさまで、1万PVに到達しました。1年2か月ほど掛かっていますので、やはりマイナーではありますが。

今まで連載を続けていました 

シルクマジック大事典6、マーク・E・トリンブル著、二川滋夫訳、東京堂出版、1997
 
ということで最終巻の紹介となります。
第6巻だけは他の巻と異なり、著者がハロルド・R・ライスからマーク・E・トリンブルに変更となっています。これは、1~5巻までの内容で不十分なものや新たな知見が加わったものの補足をハロルド・R・ライスの死後、行ったためです。1993年にこの内容の原著が発行され全6巻完結となりました。

内容は
・ハロルド・ライス、大事典と生涯
・第1・2巻再訪
・第2・3・4巻再訪
・第4・5巻再訪
と前半部分は以前に出版されたものの見直し及び追加が主となっています。

・ロードとスティール
ここではありとあらゆるシルクの隠し方や取りやすくする工夫が記載されています。助手を用いたスティールについても言及されているので、派手なステージ系マジックを行い方にも役立つ章となっています。

・子供向けのシルク・マジック
こちらではモンキーバーのシルクバージョンやマーチン・ルイスのスナックアライブの原型のような内容等が紹介されています。ユーモラスなコメディータッチのものが多いです。

・ウォーレン・スティーブンスのシルクマジック
本章ではウォーレン・スティーブンスのユニークな仕掛けを用いたビジュアルな現象を多数紹介しています。結構凝った、今まであまり見たことのないような構造が色々紹介されています。ちょっと道具を作るのが大変で、実際にこれを他の人が演じることは少ないかもしれません。

・シルクについて(再訪)
第1巻でも取り上げられた内容ですが、1990年代までの新しい知見がこちらで記載されています。
シルクマジックの歴史やシルクの入手方法、手入れ方法等について言及されています。

・シルクの染色
こちらも第1巻でも取り上げられた内容の最新情報が取り上げられています。
今ではマジックショップでシルクも多数取り扱われていますが、自ら染色したい方には参考になる章です。

・章索引
その名の通り全巻の索引が掲載されています。

以上全6巻の紹介を今回で終わりますが、このページ数の物をよく約2年の短期間で日本語に翻訳したな、と思います。編者、訳者達の熱意には驚嘆するしかありません。

マジックの世界は種や仕掛けの秘密性がある程度保たれなければ成り立たないので、マジックを演じようとすると良い資料が見つかりにくい現状があります。しかし、探せば、日本語だけでも相当な資料が存在しますので、諦めずに良いマジックの書籍を入手してください。
またDVDと違い、絵と文章で現象を理解し、練習していくこととなるので、書籍で勉強するほうが独自の演技を構築しやすいと思います。なので、書籍も毛嫌いせず読むことをお勧めします。

2016年2月21日日曜日

『シルクマジック大事典5』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その15 書籍

資料が少ないこと、と書いておきながら、延々と書籍の紹介が続いてしまうのが非常識なマジック入門講座と言ったところです。もはや全然入門講座ではないような書籍の紹介となっております。ここまで来たら、今回も全く懲りることなく

シルクマジック大事典5、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫訳、東京堂出版、1996

の紹介となります。
章立てとしては
・ノーティーシルク
・シルクと卵
・スープ皿とシルク
・シルクとキャンドル
・オープナー
・ジャップ・ハンク・ボックス

となっています。詳細は自分で買って読め、と言いたくなるくらいいっぱい手品が載っていますので、一言で説明するのは不可能です。

ノーティーシルクというのはシルクを対角線上に巻いて、ロープのように結び目を作っても解ける類のマジックのことです。もはやシルクでなくてもいいんじゃないの、というような、ロープでもよく見かける現象とかもありますが、シルクでないと感じの出ないマジックも紹介されています。

シルクと卵というのはシルクがおもちゃの卵の中に入っていったはずが最後には本物の卵になってしまうという、サッカートリックです。良いマジックなんですが、どうしても準備と後片付けと消耗品の扱いが面倒なので、私自身はやったことがありません。でも、見ている分には楽しいマジックです。

スープ皿とシルクというのはスープ皿の下や間からシルクが出てくるマジックです。正直言うと見たことないのは私だけでしょうか? 皿に仕掛けのあるもの無い物と色々紹介されています。よく知らないので、あんまりコメントできません。

シルクとキャンドルは炎がシルクになったりキャンドルからシルクが出たりするようなマジック等が紹介されています。結構幻想的な演目で、良い雰囲気になると思います。ただし、火気を使うマジックは現在消防関係の規制がうるさく、意外と演じるのが大変だったりします。

オープナーとはその名の通り、オープニングで行うのにふさわしいマジックです。まあ、ふさわしいというより、仕掛けや準備が面倒すぎて、マジックの最初でないとできないものが多かったりします。現在のアマチュアがマジックを行う環境としては、さほど条件の良くない場合も多く、あまりに仕込みが多いマジックは身動きが取れず、マジック開始まで落ち着かないので、私としてはそんなにお勧めできません。ただ、準備大変でも、派手なアクトを行いたいという場合には良いでしょう。また、仕掛けの方法は他のマジックでも役に立ちます。

ジャップ・ハンク・ボックスというのは日本製路と呼ばれるシルクが大量に出現する箱のマジックです。どちらかと言えばギミックにて秘密の動作が行えるものがほとんどとなっています。派手なプロダクションで、大人数の前で行うのに適したマジックと言えます。


シルクマジックも種類がこんなにあり、奥が深いです。 全てをマスターなどできないので、自分の気に入ったものを見つけ出す、くらいの感じで本書に触れると良いのではないかと思います。

2016年2月19日金曜日

『シルクマジック大事典4』 大人数にマジックを見せる難しさ①(資料が少ないこと)その14 書籍

今回は

シルクマジック大事典4、ハロルド・R・ライス著、二川滋夫訳、東京堂出版、1996

の紹介となります。

第4巻で紹介されているマジックは全289ページもあるにもかかわらず、20世紀シルク、シンパセティック・シルク、ブレンドウ・シルクの3種類だけです。当然のことながら、その3種類のありとあらゆる方法が紹介されています。

20世紀シルクとは結んだ2つのシルクの間に3つ目のシルクが現れる現象を言います。
この現象を行う方法として1900年頃、フランク・デュクロの名前が挙げられているとのことです。
ありとあらゆる20世紀シルクが紹介され、さらには、1900年代前半の出版にも関わらず、22世紀シルクというものまで紹介されています。この原理は今でも有名な透明筒を使うシルクマジック(クリスタルチューブ)で使われている物です。

シンパセティック・シルクというのは、左右両側に置いたシルクの内、片方を結ぶともう片方も結ばれ、片方を解くともう片方も解かれる、といった内容のマジックです。
1910年にハットンとブレイトにより書かれた『マジシャンズ・トリックス:ハウ・ゼイ・アー・ダン』の中で『ミステリアス・ノッツ』という名前で紹介されたのが最初ですが、考案者は明記されていないようです。 
オーソドックスな6枚のシルクを椅子に置くハーラン・ターベル(あのターベルコースで有名な方です)の方法から始まり、4枚しか使わない方法や幻想的な、助手を使うシンパセティック・ローズ、カードを使った手順等多数紹介されています。

ブレンドウ・シルクは通常ブレンド(Blendo)シルクと言われることが日本では多いですが、訳者の発音へのこだわりか、ブレンドウと表現されています。オリジナルはフランク・デュクロの『パーフェクション・フラッグ・トリック』とのことです。
現象としてはバラバラのシルクが溶け合わさって一つのシルクになるマジックです。目の前で本当に溶け合わさる感じに大きく現れるので、トリのマジックに使われることも多いです。
基本原理は似たようなものが多いですが、細かいギミックや取扱い方に各人の工夫が見られます。実演してみると分かりますが、ギミックの具合によって、途中のマジックとして演技するのが難しかったり、上手くギミックが作動しなかったりすることもあるので、自分に合った方法でギミックを調整した方が良いと思います。 


本巻で紹介された3種のマジックについては自分の気に入った方法を探し、自分らしい演技で演じられると良いと思います。
ただし、本書も絶版なのが残念なところです。